ナウシカの“巨神兵”が特撮短編映画化 企画は“エヴァ”の庵野秀明(オリコン 5月10日)東京都現代美術館(東京都江東区)で7月10日から開催される展覧会『館長 庵野秀明特撮博物館』の記者発表が10日、都内で行われ、“館長”の庵野秀明氏、“副館長”の映画監督・樋口真嗣氏、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが出席。同展にて、スタジオジブリの名作アニメ『風の谷のナウシカ』に登場した巨神兵のキャラクターを使用した新作特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』を制作・上映することが発表された。 「CGを一切使わない、最後の特撮作品になるだろう」と庵野氏。今回の短編映画の企画を原作者の宮崎駿氏に問うたところ、「ナウシカは出すな、わかりました」(庵野氏)と即答でOKが出たという。鈴木プロデューサーは「デザイン画を宮さんに見せたらクスっと笑っていました」と期待感をあおった。監督は樋口氏が務めており、「絶賛制作中で、5分以上、10分未満の作品に仕上がる予定。展覧会では、特撮映画がどのように作られたか、その過程も楽しんでもらえるようになっている」と話した。 今回の展覧会は、1960年代、70年代の特撮作品に影響を受け、「ずっと卒業出来ないまま今に至っている」という庵野氏の積年の夢の第一歩。CG技術の普及により、いまや消滅の危機に瀕している特撮のミニチュアやその技術。庵野氏は「このまま特撮の火が消えていくのは仕方ないと思うが、こういうのがあったことを、後世に可能な限り残したい。お金に余裕があって趣旨に賛同してくれるところがあったら、常設の博物館でミニチュアの保存やその技術を伝えてもらうのが理想」と熱い思いを語った。文化庁にも相談したことがあったそうだが、「文化庁からみると特撮のミニチュアはゴミで、残す気はないみたいだった。今回、現代美術館に展示されることによって、美術品としてハクをつけて、アニメ・ゲームばかりでなく国のお金を回して欲しい」と訴えていた。 『館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』は7月10日(火)〜10月8日(月・祝)に東京都現代美術館で開催。「特撮博物館」詳しくはこちら:http://www.ntv.co.jp/tokusatsu/庵野秀明さんは、もともと特撮がやりたかった人で、大阪芸大時代に自主製作のDAICONフィルムで「帰ってきたウルトラマン」を作ったのは有名な話だし。庵野さんが顔出しでウルトラマンを演じてます。樋口真嗣さんが特技監督を務めた平成ガメラシリーズは、これぞ怪獣特撮映画という楽しさがいっぱい詰まった作品だったから、相当に拘りぬいた映像になりそうな予感がするので、展示物含めてこれは見てみたいです。関西にもこの美術展来てほしいですよ。幼少期にウルトラマンの再放送や映画館のスクリーンでリバイバル上映された怪獣映画をいっぱい観て、いわば刷り込みのように特撮の面白さが脳にインプットされて抜けられなくなった身としては、やっぱりCGに頼らないミニチュアと爆破の本格的な特撮作品が観たいわけですよ。CG全盛の時代、ド派手な演出でも何でも簡単に表現できちゃいますが、ハリウッドの映画を観ていて、どんなに大迫力な映像が出てきても、「CGだから出来て当然だよね」と冷めた目で観てしまうから、感動して心に残るものがないんですよね。今のCGを使った特撮だってミニチュアを使っていた昔の特撮だって人間の手によって作っているのは変わりありませんが、ミニチュアを使ったりするアナログな特撮の方が、そりゃ今に見ればいろいろチープな部分もありますが、これはどうやって撮影したんだろうと疑問に思ったシーンが、書籍などによって解消された時の嬉しさは何とも言えないものがありますし、いかに架空のものを本物っぽく見せるか試行錯誤した結果の生々しさとか大量に火薬を使った爆破などの迫力の凄さ、大量に作れないミニチュアだからミスが許されない一発勝負な撮影と、常に危険と隣り合わせの中で集中して挑んだ作り手の熱さが画面から伝わってくるので好きですね。久しぶりに、できるだけCGに頼らない特撮怪獣映画が観たいものですが、昨年の東北大震災によって、今は派手に街を破壊する怪獣映画って作りにくい空気ではあるんでしょうね。ゴジラがスカイツリーを破壊するのを観たいものですが、ゴジラなんて放射熱線を吐きだすから、原発事故が起きた以上は絶対に新作は無理そうだし。