2012年最初のシングルで、徳間ジャパンからユニバーサルミュージックに移籍して1枚目となるシングル『Spring of Life』が本日発売になりました。新曲についての感想を書く前に、『音楽と人』2012年5月号のインタビューを読んでの感想を書きたいと思います。3人個別のインタビューを読んで一番に感じたことは、3人とも「世界」という言葉に気負い過ぎていないことに改めて安心しましたし、移籍に関しても実に考えに考え抜いての決断だったことが分かり、メジャーデビューから昨年までお世話になった徳間ジャパンのスタッフへの感謝の言葉が溢れていました。また、これからチャレンジする海外も含めた活動についても、実に地に足のついた冷静な視点で見ていることも分りました。Perfumeにとって世界デビューといっても、海外にも展開するレコード会社に移籍したことと、楽曲が世界50カ国で配信開始されただけで、それ以外にはノープランの段階なのですが、世界デビューを大げさに煽る報道と、それを受けて日本でPerfumeが観られなくなると勘違いした一部ファンの動揺に逆に戸惑ったそうです。Perfumeが目指しているこれからの世界は、芸能界とかこの手の業界は、まず数字が全てですけど、海外で1位を狙うとかそういうこともなく、成功の定義も失敗の定義も設定せずに、海外でもPerfumeの曲を聞いて楽しんでくれる人が1人でも増えたらいいし、それでライブに来てくださいって呼ばれることがあれば、その国へ行ってパフォーマンスを披露するだけって気持ちがあるだけで、日本での活動も海外での活動も、Perfume結成当時からの活動となんら変わらないということでした。常に自分達を崖っぷちに追い込んで、その状況を楽しんでいるPerfumeですが、海外にも濃いファンがいて内容が充実したファンサイトも豊富なので、海外のファンのためにライブパフォーマンスを見せてあげてほしいですね。映像や音だけでしか知らない人に本物を体感堪能させて、日本のファンと同じように多幸感に包まれてほしいのはもちろんのことですが、売れない頃に自分達でビラ配りしていたみたいに、ドイツとかでビラ配りしてライブハウスでやり逃げパフォーマンスするとか、いろんな音楽ファンの集まる音楽フェスに参加して、Perfumeを知らない人が多く集まる中で、パフォーマンスをして海外の音楽ファンに後列なインパクトを叩きこんでファンを増やしてみるこれこそが崖っぷちのPerfumeの本領発揮らしくていいんじゃないでしょうか。知らない方がいいのかもね思いがけないワクワクが欲しい好奇心のスパイスはね巡り巡り何かを起こすの「スパイス」の歌詞のように好奇心と思いがけないワクワクのために新しい扉を開いて、その先にある今後の展開のことを考えると、やっぱり「スパイス」の歌詞が心に響きますね。さてさて、Perfumeのこととなると熱くなって言葉がどんどん湧いてくるから、書いていて止まらなくなるので困ったものですが、ここで、ようやく本日発売のNEWシングルの感想を書きはじめます。お馴染みとなったKIRIN氷結シリーズのCMソングでもある「Spring of Life」は、CDで聴くと細かい音まで聴こえるので疾走感がよりアップし、テレビやラジオで聴く以上に気分が上がりますね。初っ端からノリノリにさせてくれ、後半の間奏部分で一気に高揚感が弾けます。これはライブで聴くと、かなり気分がハイになることは間違いないでしょう。Solの“結局はそう 自分次第だし”は何度聴いても、「自分次第じゃし」と広島弁に聴こえてしまうのはご愛嬌。歌詞の中にあるいくつかの重要なキーワードは、レコード会社を移籍し世界にも目を向けた活動を始めるPerfumeの新たなステージに歩み出す決意と期待やドキドキ感を恋に置き換えた中田さんからのエールにも聞こえますね。Perfumeの楽曲は、その時のPerfumeが置かれている状況とリンクする歌が多いのも楽しいところです。初回特典に収録されたPVですが、短編の映画を見ているような物語性があって、これまでのPVのオマージュがいくつも含まれているのが楽しいです。Twitterで解釈論でもちきりの最後が意味深ですね。Perfumeは誰か一人でも欠けると、Perfumeを構築していたシステム含めて全てが終わるという意味にも受取れます。そして、ギリギリまで発表されなかったカップリング曲は、カンロ・ピュレグミのCMソングになっている「コミュニケーション」CMで聴いたサビ部分だけだと、一度聴いただけで耳に残って不思議とクセになる楽しい曲なので、中田ヤスタカさんがプロデュースする きゃりーぱみゅぱみゅっぽい感じがしたし、ロシアの民謡みたいなリズムだなぁという感想を持ていったのですが、フルで聴けば、当初思っていた感想が吹っ飛びました。イントロからスカのリズムで、中田さんのメロディーメーカーっぷりが発揮され、ナタリーのインタビューにもありますが、Perfume新作、移籍、世界進出、自分たちらしさ語る7000字Perfume みんなで一緒に世界に行こうよ昔の曲に近いですし、歌詞も中田さんが意味のわからない詞を書いたと言ったように、耳に残るフレーズとシュールな内容にダークなところもあり、そこにとても中毒性の高い曲が加わっているので面白すぎます。CDが届いて最初は歌詞カードを見ないで聴いていたのですが、「骨折れる♪」を聴いた時、思わず聞き間違いと我が耳を疑いました(笑)(この曲もダンスを見たいです。どっかでテレビやってくれないかな〜。)それにしても、ぷるぷるつんつんコミュニケーション♪とか、こんな歌詞、酔ってなきゃ思いつかない感じですが、氷結にしてもそうだけど、歌詞に商品の宣伝文句や商品からイメージする部分を上手く可愛い歌詞にして尚且つ、きっちりと歌詞から商品を連想できるようにしている 中田さんはやっぱメーカー思いの職人ですね。疾走感のあるカッコイイ曲から、ノーテンキなぐらい明るい曲も出来ちゃう振り幅の広さもPerfumeの強みですし、SoLとコミュが同じシングルに収められているのも凄く面白い組み合わせです。世界的なレコード会社に移籍しても、これまでと変わらず自由にやらせてもらっているというのは、本当に恵まれていることですし、ユニバーサルもPerfumeの変えてはいけない大事なところを理解していますね。ユニバーサルミュージックに在籍しながら、独自レーベル「Perfume Records」を設立したPerfumeのこれからの展開、さらにアリーナツアーで芸術の域に昇華させたパフォーマンスを魅せつけている3人の今後にますます目が離せません。