サンテレビでは昨年の10月からスタートしたウルトラシリーズに登場した怪獣や宇宙人たちがコントを繰り広げるTV番組『ウルトラゾーン』去年の夏に企画を聞いたときから、怪獣がコントをするなんて面白い!と、秋からの放映を楽しみに待っていました。いざ、番組を見ると、演技派俳優と怪獣にコントをさせるだけでも面白いのに、コントのほかにソフビ人形で漫才や、実社会で役に立たない英語などのミニコーナーと実にくだけた番組構成で、もともと、円谷プロは過去に「ウルトラファイト」なんて番組もありましたし、エイプリルフール企画や『ウルトラマン妹』という萌えラノベを出版するなど、かなり懐の広いユーモアの精神も大切にした会社でしたが、よく企画として成立したなと感心する画期的な番組でした。 独立の地方局だから実現できたのかもしれません。番組開始当初は、コントばかりだったので本当に面白かったし、ネットでも話題になって、雑誌や新聞でも紹介されていたようですが、「ゾーンチャンネル」が始まった頃から、少し盛り上がりが失速して行ったように感じました。ゾーンチャンネルは当たり外れの落差が大きく、クスっとなるところはあるんだけど、コントのように怪獣の特徴や特技などの設定を上手く会話などの流れの中で笑いのネタにして、思わず上手いと呻ってしまったり、声を出して笑えてしまうほどじゃないんですよね。そもそも、ゾーンのコンセプトは笑いながら怪獣が学べる番組なはずで、コントだと、テロップで解説が出るから、ウルトラシリーズや怪獣に詳しくなくてもコントの面白さを理解できるけど、チャンネルは、怪獣の解説が出ないのでウルトラQを知っていないと面白ささえ分らないし、途中からは怪獣の持っている設定すら放棄しちゃって、 シュールなのはいいんだけど、なんでもありの自由奔放になっていました。ゾーンチャンネルを何でもありな話にするなら、毎回ケムール人とラゴンとM1号の3体にこだわらずに、いろんな怪獣でシュールな話にしても良かったし、それのほうが、まだこのコーナーも評価が高まったのではないでしょうか。もしくは、チャンネルを週に2本じゃなくて1本にして、コント1、チャンネル1、ドラマ1なら、まだブーイングも少なかったと思いますが、途中からゾーンチャンネルばかりになってしまったのは、コントもドラマも、ここ最近のウルトラ作品の撮影に使われた怪獣を使っているので、着ぐるみの数も豊富ではないことから、コントにを作るにしろ最初から選べる怪獣の少なさによるものじゃないかと推測しています。選択肢の幅が狭い中から怪獣や宇宙人を選んでコントやドラマの脚本を練るのは、思考錯誤の連続だったのは想像に難くないです。遊園地などのショー用に使われるアトラクション用着ぐるみなら、メジャーからマイナーなのも含めて怪獣の数も豊富なんだけど、ボロボロの着ぐるみでコントをすれば、昔の『ウルトラファイト』みたいにシュールな哀愁が漂いすぎて、それはそれで面白いのかもしれないけど、深夜特有の製作費の無さが表れて悲壮感が画面から漂っていたかもしれません。チャンネル同様に途中からスタートしたドラマパートは投げっぱなしのオチが多かったけど、『ウルトラQ』もそんな話が多かったから特に気にはならなかったし、ウルトラシリーズの新作がTVで放送されない今、バラエティー番組で、本気の特撮が観られるなんて思ってもいなかったから毎週楽しみでした。 そして、忘れてならないアイキャッチの数々。最初からブレずに安定の面白さでした。毎週のように不服も書いてきたけれど、来週から観られなくなるのは寂しいし、冒険しない今のテレビ業界の中で、ローカルの深夜番組といえど、少ない製作費の中で知恵を絞った企画で勝負なこういう番組は画期的なチャレンジだと思っているので、私は第2シーズンがあることを熱望します。だって、怪獣がもしこんな場所に現れて、人間と同じように生活していたらというシチュエーションはまだまだ無数に存在しているのですから。(実は私もいろいろ想像して楽しんでいるんですよ。 徹子の部屋みたいな番組に怪獣が出演したら?とか、 怪獣とデートとか、ピット星人がアイドル活動するとか、 そんなネタを想像しています。)第2シーズンの放送が実現するためにDVDは全巻揃えますよ。オマケ:ニコニコにあるお試し版。【ニコニコ動画】過激地帯