宮嶋茂樹 風評被害拡大させる「プロ市民」(産経新聞 10月13日)大阪では、福島の業者が納めた資材がアブナイからと、橋が架けれんようになっとると聞く。同じ関西の京都の五山送り火では、セシウムがちょこっと出たというだけで、岩手の松が突っ返された。愛知では東日本大震災復興と銘打った花火大会で被災地の福島の業者が作った花火を、放射能まき散らす気か、とネジ込まれ、大輪の花を咲かすことができんかったのである。あまつさえ東京都が岩手のガレキ受け入れるのさえ反対した。 何でも反対、反核、反戦、平和をお題目とする「プロ市民」のしわざや。プロ市民はすぐ子供をダシにするのが特徴や。漫画家が“ちょっと変わった家”建てたら、気分が悪くなった。近所にサバイバルゲームのフィールドができると、迷彩服見て子供が怖がって外に出られん−。これらと同じ連中である。 プロ市民は単なる「地域エゴ」を市民運動と呼ぶ。日本にはプロ市民が信奉する憲法があり、表現、言論の自由が確かに認められている。反政府やろうが反原発やろうが、どんな勝手な意見述べるのも自由やがおんどれらのエゴで同じ日本人が風評被害に苦しめられとんのやで。 しかし、不肖・宮嶋とてプロ市民のこと言えん。3月15日、福島第1原発が水素爆発起こした翌日は南相馬から真っ先に脱出、土砂降りの雨の中、原付きで逃げ回ったのである。 それでも福島に戻った。緊急時避難準備区域解除になる前にも、南相馬に戻った市民も少なからずいる。そこが生まれ育った故郷だから、そこに家や仕事があり、家族が隣人が友人がいるからである。たとえガレキに埋もれてても、たとえ原発の近くでもである。 そこに住むなというのか、なぜ同じ日本人として福島の苦しみを共有しようとしない、なぜ東北の悲しみが理解できない、プロ市民は。おのれは安全地帯にいて危機感を煽(あお)るだけ煽る。汚染されとる、アブナイとヒステリー起こし、風評被害拡大させとんのはどいつや!(カメラマン)ヒステリーで騒いでいるのが典型的なプロ市民だけとは限りませんが、無知だからこそ不必要なほど怖がるもので、この無知によるヒステリーほど手に負えないものはありません。東京都が岩手県のがれき処理の受け入れ表明したら、「放射能で汚染された瓦礫を持ち込むな」といった抗議が数百件ほど都庁に寄せられたそうですが、石原都知事は都民のうちのわずかな人数の抗議にすぎないと無視する姿勢を示しました。これまでにも、わずかな人数の抗議で花火大会などが中止になってしまうということが繰り返されてきましたが、県民の数から見れば、抗議者なんてわずか1%にも満たないのですから、基準値に照らし合わせて安全だということを説明をして、それでも理解できない人は相手にしないと石原都知事のように突っぱねればいいものを各自治体は何を恐れて復興支援のイベントを中止するのかと怪訝に思いました。「頑張ろうニッポン」や「東北支援」と謳いながら、いざとなると排除しようとするのですから、やはり無知によるヒステリーほど手に負えないものはありません。それにしても、日本全国津々浦々で、福島の原発事故によって飛散している放射性物質を恐れて、「東北の物を持ち込むな」なんて拒否したりしていますが、毎年、核実験を繰り返している中国から運ばれてくる大量の黄砂に含まれ飛散している放射性物質のことを考えれば何をいまさらという気が致します。放射性物質以外にもさまざまな有害化学物質にカビや細菌が含まれており、気管支喘息などが誘発されるので、黄砂の方が「ただちに人体に影響あり」で危険だと思うのですが、なぜか黄砂汚染を危険視する人が少ないのが現状です。