浜岡原発、停止でも去らぬ危険=電源喪失なら制御不能も(時事通信 5月13日)中部電力は、政府の要請を受け入れて浜岡原発(静岡県御前崎市)を全面的に停止する。東海地震の想定震源域のほぼ中央にあって極めて危険との指摘を踏まえての決断だ。しかし、定期検査中で核燃料棒を原子炉から保管プールに移していた東京電力福島第1原発4号機ですら、地震・津波によって冷却用電源を失い、高温の危険な状態に陥った。原因は不明だが爆発に至っている。 浜岡原発の場合も、運転を停止しても津波の直撃を受ければ制御不能に陥る懸念は排除できず、危険が去ったわけではない。 これまで中部電は、浜岡原発付近を襲う津波は最大8メートル程度と想定。高さ10〜15メートルの砂丘が堤防の役目を有するとしてきた。しかし、福島での「想定外」の事態を受けて原子炉建屋屋上に非常用発電機を設置するなどの緊急対策の実施に加え、15メートル規模の防波壁の建設を決めた。 防波壁が完成する2、3年後まで、浜岡原発4、5号機を停止する。燃料棒は原子炉内に当面保管し、その後、定期検査中の3号機、廃炉に向けて停止済みの1、2号機とともに、原子炉内に置き続けるか、燃料プールで保管するか判断する。 福島第1原発は、稼働していた1〜3号機が地震発生を受けて停止したが、定期検査中で停止中だった4号機を含めて津波により冷却用の電源が失われて事故を起こした。 浜岡原発も、防波壁が完成するまでは、津波で危険にさらされる状況が続く。小出裕章京大原子炉実験所助教は「原発は動いていようと止めていようと危険はある。動いているよりは止まった方が危険が少なくなるが、他の原発も(含めて)即刻止めるべきだ」として、原発廃止を訴えている。浜岡の停止で何が不思議だったかというと、マスメディアの論調でも、停止後にまだ危険はあるということに触れているものが少なかったことです。その結果、まるで「運転を停止したから浜岡原発は一安心」みたいな風潮になって、Twitterなどを見ても、ニュースでインタビュー受けてる一般の人の感想を聞くと停止しただけで安全になると勘違いし手放しで評価してる人が多いです。原発を停止しても冷却は続けなきゃいけませんし、原発はその場所に存在し続けます。30年以内に東海地震の発生確率が87%なのが停止を決めた理由ですが、30年以内ということは、明日かもしれないし来週、来月に発生する可能性もゼロではないわけで、(まったく違う場所で東北地方大震災級の地震が発生する可能性もゼロではありません。)地震や津波で原子炉や格納容器やタービン、給水ポンプが壊れたりして、全電源喪失したり、 全給水喪失したりすれば、福島第一原発と同じ状況になるのですから、地震と津波の危険性は変わらず存在し続けます。今回の停止は地震が起きて電源が停止してから冷却するリスクを抱えるより、先に停止し冷却しておくことで地震後に予想されるトラブルを回避できる点は評価できますが、一番重要なのは、地震発生による停止後の安全を考慮して、何重にも予備電源対策を施し冷却システムの損失を防ぐことや配管や外部電源のラインの鉄塔など福島で駄目になった周辺の重要な設備の耐震性、地盤沈下や液状化の恐れのある直下型の大地震への備えと15メートル以上の津波に対応できる対策も同時進行的に対処するべきであって、原発は停止させるだけで安全になるわけではないのですから、私は、一部の人のように菅首相の判断を英断と手放しで評価できません。つまみ食い