ランダムに画像を表示










もくじ過去未来

2010年09月25日(土) ありがとうって伝えたくて〜♪ 『ゲゲゲの女房』最終回。

本日、半年間楽しませてくれた『ゲゲゲの女房』が最終回を迎えました。

ドラマの原案となった水木しげる先生の奥様 武良布枝さんが書かれた

エッセイ『ゲゲゲの女房』が発売された時、

すぐに買って読んで、この日記でも紹介して、

2008年03月18日(火) 『ゲゲゲの女房』

これはドラマ化したら面白そうとは感じてましたが、

まさか、その時には朝の連続ドラマになるなんて夢にも思っていませんでした。

スタート前は、水木しげる先生役に向井理さんが決まったと聞いた時、

先生が結婚されたのが40歳だったので、

ちょっと若すぎるんじゃないのなんて思ったものですが、

ドラマを見ると、そんなことは気にならなくなりました。

布美枝役の松下奈緒さんも美人で時折見せる困り顔が似合っていて、

今となっては向井さんと松下さんが主演でよかったなと感じますし、

他の共演者の方々も含めて調和のとれた朝から気分良く見れるドラマで、

毎週、月曜から土曜日は泣いて笑っていただけに、

来週から、この習慣がなくなるとなると、

ちょっこし……いや、かなり寂しいです。

最終回は1週目に繋がるところもあり、

鬼太郎ファミリーや悪魔くんとメフィスト、河童の三平・カン平・タヌキの登場と粋な演出がありましたが、

実に、あっさりとした清々しい良い終わり方でした。

まるで、水木マンガの最後のようです。

水木しげる先生の物語は、悪魔くん再びの復活、

鳥取・境港の水木ロードの完成、紫綬褒章と旭日小綬章受賞、

荒俣 宏先生の弟子入りや京極夏彦さんの登場によって、

世界妖怪協会の設立、おばけ大学開校、幸福観察学会の誕生などなどまだまだ続いています。

過去、人気があった『ちゅらさん』が2時間ドラマSPとなって放送されたように、

早くも番外編に期待しています。絶対にあると信じています。


ドラマを見ていて感心したのは、

制作スタッフや脚本家が水木先生や家族のことはもちろんですが、

関係した出版社の人々のことなどを徹底的に取材していたことです。

古い雑誌のインタビュー記事に書かれていた一部の水木マニアしか知らないような、

ほんの小さなネタまで調べてドラマのシナリオに盛り込んでいたので、

この調査能力には感服いたしました。

だからこそ厚みのある素晴らしいドラマに仕上がったんですね。

そして、水木ファンの一人として何よりも嬉しかったのは、

貸本時代のものも含めて哲学的内容の多い長編や短編の読み切り作品や

戦記ものなど多くのマンガがドラマに登場したことで、

このドラマを通して、水木しげるという漫画家が、

ただ妖怪や悪魔など「化け物」として扱われるものだけをマンガに描いていた人ではない、

実に才能にあふれるマンガ家だったと、視聴者に認識して頂けたということにつきます。

しかも、ドラマに登場した作品がバカ売れするという現象が起き、

水木先生が自らの戦争体験を執筆した『総員玉砕せよ!』と『敗走記』は、

ドラマで扱われた瞬間からAmazonランキングがうなぎ登りになり、

『総員玉砕せよ!』は数日間ランキング1位の座にいました。

1位になった講談社文庫版は1995年に初版が出版され、

初版の時に買っていましたが、

まさか、15年の時を経て注目され、

Amazonランキング1位に水木先生の名前を見るなんて、

水木ファンといえど考えられないことだったので、

これには「フハッ!」とビックリし、

テレビ離れなんて言われる時代ですが、まだまだテレビの影響力は凄いと感じました。


ドラマが始まる前は、「朝からゲゲゲ〜?」とか小馬鹿にされ、

番組開始当初は視聴率も朝ドラ史上ワースト2位でしたが、

徐々に視聴率も上がり、最後は平均20%にまで達し、

境港の水木ロードは半年間で250万人の観光客が訪れ、

これまでの年間平均170万人という記録をあっさりと突破、

全国各地で開かれた水木しげる関連の展示会は何所も大盛況、

新聞・雑誌などでも取り上げられ、なぜかTBSがこのブームに便乗したりと、

社会現象にもなりました。

ブームは一過性のものでいつか終わりますが、

このドラマをきっかけにして、水木作品の魅力を知り、

水木マンガが今後の人生において無くてはならないものになった人が

一人でも増えてくれると嬉しいです。


最後になりましたが、『ゲゲゲの女房』を制作してくれたNHK、

主演の松下奈緒さん、向井理さん、他の共演者の皆様、

そしてドラマを支えた脚本家をはじめ多くのスタッフの皆様、

素晴らしいドラマをありがとうございました。

だんだん(^ω^)














名塚元哉 |←ホームページ