日米密約:外務省委が報告書 核持ち込みは「暗黙の合意」(毎日新聞 3月9日)日米両政府の四つの外交「密約」を検証していた外務省の有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)は9日、報告書をまとめ、岡田克也外相に提出した。報告書は、1960年の日米安保条約改定時に「核搭載艦船の寄港・通過」を事前協議の対象外とする密約があったと指摘される問題について、日米間に「暗黙の合意」があったとして、「広義の密約」と結論づけた。「朝鮮半島有事の戦闘作戦行動」「沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わり」密約を合わせて三つの密約を認めた。一方、沖縄返還時に「有事の際の沖縄への核再持ち込み」を認める密約があったとされる問題で、佐藤栄作首相とニクソン米大統領が1969年11月の日米首脳会談の際にひそかに交わした「合意議事録」について、拘束力はなく「必ずしも密約とは言えない」と否定的見解を示した。また、一連の文書検証にあたって「不自然な欠落」が判明。廃棄された可能性があるとみて、調査を求めた。オマケ:1994年5月12日衆議院本会議1994年 羽田内閣 小沢一郎 鳩山由紀夫 菅直人 岡田克也http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/129/0001/12905120001018a.html○羽田孜なお、一九六九年の佐藤・ニクソン密約の真相いかんというお話でございましたけれども、これはもう再三私どもの先輩たちがお答えしてきておりますように、御指摘のような密約が交わされたとの事実はないということであります。そして非核三原則、これは当然のことながら、私どもも堅持をしていくということを明確に申し上げておきたいと思っております。---------------------------------------------------------------------密約があったことが明るみになりましたが、「だから何?」としか言いようがありません。冷戦時代には密約によって、日本が平和に保たれていたことも事実ですし。「広義の密約」と述べていますが、この「広義」はなかなかの曲者であり、広義さえ付ければ、解釈が無限に広がるわけですから、利用したい側の意のままに調理できるんです。例えば、いわゆる従軍慰安婦の問題が取りざたされるきっかけとなったのは、「私は韓国済州島で慰安婦にするための女性狩りを度々行った」と、主張した吉田清治氏の証言でしたが、ところが、この吉田証言に対して、現地(韓国済州島)の新聞は「吉田証言に該当する事実はない」とし、また、日本政府および学者・専門家の調査によって、「強制連行」の証拠が見つからないと明るみなったところ、吉田氏も逃げ切れないと悟ったのか、あれは私の作り話でしたと謝罪したことで、吉田証言は破綻し軍主導による強制連行の正当性が失われたのですが、朝日新聞が、それを認めないで、姑息にも苦し紛れに持ち出したのが、「広義の強制性」なる論点ずらしなのでした。広義と付いたことで何でもありの収拾がつかなくなって、現在にいたっているわけですが、恣意的に利用したい者にとって、広義は本当に便利な言葉です。そこで、私も使ってみようと思います。・鳩山首相は広義の意味で脱税している。・小沢は広義の意味で政治資金規正法違反だ。「広義」は便利な言葉ですね。◆日米密約:真相究明へ前進 報告書は西山さんの指摘追認(毎日新聞 3月10日)外務省調査チームや有識者委員会が明らかにした米軍用地の原状回復補償費(400万ドル)を米国の求めに応じて日本が肩代わりした事実は、西山太吉・元毎日新聞記者(78)がまさに71年、記事で指摘していたことだった。報告書は記事内容を追認した形だ。「真実に迫って、なぜ罪に問われるのか」と訴え続けてきた西山氏に話を聞いた。72年、社会党の横路孝弘議員(現衆院議長)が国会で政府追及に使ったのが、西山氏から受け取った電信文で、後に外務省の女性事務官を通じて西山氏に渡っていたことが分かり、警視庁は同年、国家公務員法の秘密漏えいとそそのかしの疑いで、事務官と西山氏を逮捕した。国民の知る権利を守る声が各界から起きたが、入手方法に対する批判も出た。裁判は最高裁まで争われ、有罪が確定した。--------------------------------------------------------------------->「真実に迫って、なぜ罪に問われるのか」西田氏は真実に迫ったから罪に問われたのではなく、単に自己栄達のためのスクープネタ欲しさに既婚の女性事務官に接近し、酒を飲ませたうえで性行為に及び、それを利用して、機密文章を持ち出させたことによる罪です。したがって密約が事実であったとしても、それによって、西田氏の罪が不問にされるといった類のものではありません。しかも、その情報を公開したときに判子等の部分を隠さなかったので、すぐに女性官僚が流出元と明るみになったわけですが、女性が捕まっても自分は記者なので無罪だろうと高をくくり、毎日新聞も連日、西山氏を擁護し、日本政府を言論弾圧だと糾弾する記事を載せていました。ところが、訴訟になり、この行動が世間にバレて、報道を理由とした毎日新聞の不買運動により発行部数が減少し、全国紙の販売競争から脱落。また、オイルショックによる広告収入減等もあり、毎日新聞社は1977年に一度倒産しかけたのですが、創価学会に助けられて聖教新聞の印刷所になり下がって、毎日新聞社は現在も存在しているというわけです。ウィキペディア:西山事件