「北朝鮮から飛翔体」と誤報…最新鋭ガメラレーダーが原因政府は4日午後0時16分、「さきほど、北朝鮮から飛翔体(ひしょうたい)が発射された模様」と発表したが、5分後に「さきほどの情報は誤り。飛翔体の発射は確認されていない」と撤回し、「誤探知だった」と説明した。 防衛省によると、千葉県旭市にある防衛省技術研究本部飯岡支所の警戒管制レーダー「FPS−5」が日本海で「何らかの航跡」を探知。これに基づき、ミサイルの発射情報として伝達したことが原因。FPS−5は広域探知可能な最新鋭で、通称「ガメラレーダー」と呼ばれている。同省は探知したものが何だったのか、分析中としている。 北朝鮮のミサイル発射に対しては、米軍の早期警戒衛星(DSP衛星)が高度約3万6000キロの上空で監視、ミサイルを発射した時の熱(赤外線)を感知する。この情報は米コロラド州の米軍施設から、在日米軍司令部(東京・横田)を経て東京・市ヶ谷の防衛省中央指揮所に伝達される。また、韓国国防省にも米軍から同時に連絡される。さらに今回は、日本海に展開する日米のイージス艦のレーダーと国内3か所に設置された地上レーダーが、発射基地の舞水端里に向けられており、DSP衛星の情報とほぼ同時刻に、ミサイルの発射情報が伝えられることになっている。防衛省の豊田硬報道官は「(DSP衛星の)情報はなかった」としている。 第一報後、麻生首相は公邸から官邸に移動し、情報収集態勢の強化など3項目にわたる首相指示を発表、官邸連絡室は対策室に格上げされた。その後、誤情報と判明したことを受け、首相指示や対策室設置は取り消された。 一方、日本の誤情報は外国メディアも振り回した。 韓国の聯合ニュースはNHKの報道を引用し、4日午後0時21分に、北朝鮮がミサイルを発射した模様と緊急電で報道。5分後に、「日本政府が『情報は不正確だった』と明らかにした」と伝えた。 (読売新聞 4月4日12時27分)-----------------------------(引用終了)----------------------------お昼過ぎに発表された発射情報は誤報でしたが、この記事を読むまで、実際、北朝鮮は撃ち上げようとしていたのではないかと思っていました。アメリカの軍事偵察衛星は熱感知も可能なので、発射するときに発生する熱源を感知して、日本へも知らせてきた。ところが、何らかのトラブルによって、ミサイルそのものが撃ち上がらなかったと考えていました。さて、マスメディアは誤報を批判していますが、確かに誤報によって混乱はもたらされます。しかし、機械の誤探知だった場合でも、政府は情報を受け取った限りは、各市町村に通達するのは当然ではないでしょうか。速やかな危機管理が問われる中、いちいち「ホンマに撃った?」とか悠長に確認している時間はないのですから。FPS-5はステルス機すら探知するくらいの超がつく鋭敏レーダーなのですから、ミサイルが発射されていたのに探知できませんでした。よりマシだとは思います。誤報とはいえ、ちゃんと伝達されたことにより、緊張感を持って対処にあたれたという予行演習はできたでしょう。むしろ、危険なのは、これから先、本当に発射されたとして、政府が、また誤報しないように発表に慎重になってしまうことです。ところで、今日の誤報騒ぎで一番腹を立てたのは、やしきたかじんさんでしょう。なぜかと言うと、関西ローカルのお昼のレギュラー番組が、今日から新装された記念の生放送だったのですが、途中で特別番組に切り替わってしまいました。しかも、それが本当にミサイルが発射されたなら納得できるにしても、誤報で番組が変更されたのですから。たぶん、来週の『そこまで言って委員会』でネタに話されるでしょうね。