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2009年02月27日(金) ワイプ映像は要らない。

テレビがつまらなくなった理由って? (お茶の間編)

一週間ほど前になるが、
「テレビがなぜつまらなくなったのか?」という記事を書いた。
テレビ番組の制作会社で働く現場のディレクターに貴重な話をいただいたのだが、
実はあのとき、もう一人意見を伺った人が居た。
テレビ批評家・コラムニストの今井舞さんです。
前回がテレビの関係者の人であれば、今回はお茶の間の代表者から、
テレビがつまらない、という問題点を語ってもらいました。

――テレビ、なんでつまらなくなっちゃったんでしょうか?

「一言でいえば、テレビの制作者がバカに見せるために番組を作っているからでしょう。
だからCM前後に同じ映像を流したり、無意味でだめ押しのような
テロップを入れたりする羽目になるわけです」(今井舞さん)

そういえば、『進め!電波少年』でお馴染みになったテレビプロデューサーの
土屋敏男さんは、ほぼ日刊イトイ新聞の糸井重里さんとの対談で、
『テレビの制作者が視聴者を信じていない、バカにどう見せるか、
とどこかで思っているフシがある』という意味のことを言っていた。

――番組制作サイドの人の話では、
予算の問題なども言われているみたいですが?

「不景気のせいにする向きもありますが、
昔は深夜番組もお金がないけど実験的な要素を盛り込んでいて、面白かったです。
フジテレビの深夜番組とか。
今はもう、頭の悪い人しかテレビを見ないんじゃないですかね。
きっと制作者や局の人も『心からこの番組は面白い』と
胸を張って言える人は居ないんじゃないでしょうか」(同)

――僕は個人的に思うのは、バラエティで言えば80年代のビートたけしとか、
90年代のダウンタウンのような、報道で言えばニュースステーションの久米宏のような、
(良い悪いは別にして)それまでのテレビの流れを変えるような
カリスマが最近登場していないからだとも思うんです。

「それもありますね。ドラマ業界も、キムタク(木村拓哉)の
神通力がなくなって久しいですし。
お笑いで言えば、今流行っている番組って一発芸を何度も同じ手法で見せるじゃないですか。
で、何度も同じ芸を見させられるから、視聴者は飽きてくる。
すると今度は、ウケなくなってすべっているところを
クローズアップするわけです。すべり笑いですよね。
これでは、新しい才能が出てこないですよね」(同)

――ではどうすれば番組はもっと面白くなるんでしょうか?

「実際に権限のあるテレビ局の偉い人は、
自分の局が放送している番組を見ていないんじゃないでしょうか。
だから、もっと自分の番組をちゃんと見て改善しろ! って思います」(同)

――ありがとうございました。

今井さんの意見はかゆいところに手が届く、というかとても的を射てますね。

テレビがけちょんけちょんに言われているので、最後にフォローしておくと、
テレビの現状も良くないですが、それに代わるネットがすごく面白くて
価値があって最高かと問われれば、ネットの世界で生きている僕からすると、
これも難しいです。テレビの役割もまだ残っているんじゃないかと思うんです。

たとえば、この前中川昭一議員のG7での酩酊会見が話題になりましたが、
あれこそテレビ的だし、テレビが報道する役目を担っていると思う。
あれは映像にしなければ意味がない。文章で表現しなければいけない身分としては、
あの映像には嫉妬する。それもYOUTUBEに流すのではなくて、
民放各局が一斉にあの様子を報道するからセンセーショナルで
面白いんだと僕は思います。頑張れ、テレビ。(でも僕はネットを見る)

(アメーバーニュース 2月27日 12時28分)


-----------------------------(引用終了)----------------------------

今年になって、民放各局が開局50周年だとかで、

懐かしい番組映像を見せたりしている特番が多いですが、

90年代までのテレビ番組は、今のネットの世界じゃないだけど、

今じゃ絶対に放送できないような企画などが多く何でもありだったんだなぁと思いました。

あれが標準で育った世代であれば、

今のテレビがつまらないと感じてしまうのは致し方ないのかもしれません。

以前、やしきたかじんさんが、関西の番組で、

最近、テレビ番組が面白くない理由に、

面白いとか多くの人の心に残る番組を作りたいという意気込みで、

テレビ局に入社してくる人が減って、

お勉強だけしてきた奴や、コネや世襲入社とか、

勝ち組企業で美味しい思いが出来るって気持ちだけで

入ってくる奴が多くなったからと言っていて、

ああ、それもあるかもと思ってしまいました。


最近は、CSのディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルや

ナショナルジオグラフィックチャンネルを見る時間が増えましたが、

海外の番組を見ていて気付いたのは、

例えば歴史モノや『怪しい伝説』のような実験番組など

エンターテイメント系の番組でも、

日本のようにスタジオでゲストタレントを招いて、

企画VTRを見せつつ番組進行するとか、

そのVTRを見ているタレントの様子を

画面上部の左もしくは右端にワイプ映像で写すというような、

そういう余計なものが無いのが実に心地よいということです。

日本なら同じような番組を作ったとしても、

スタジオが在って司会者のタレントが居て、

ドラマや映画の告知を兼ねたゲストタレントなんかを招いて番組が進行し、

VTR放送中はワイプ映像でタレントの表情が映し出されていることでしょう。

スタジオでのトークはともかくとしても、

ワイプ映像は本当に鬱陶しだけで、

VTRを見ているタレントの反応を見せる必要があるのかと思います。

なんで、あんなのが今の日本のテレビには欠かせないのでしょうか?

たまに生のワイドショーなんかを観ると、

コメンテーターが自分がワイプに写っているのに気付くと、

それまで普通だったのが、驚いたりなど急な表情を作りますが、

あれほど白々しいものはないですし、

コメンテーター自身も、いつワイプで自分が写るか分からないので、

そちらを気にしつつVTRを見なきゃいけないし、

また写されると、

無理に映像に合わせた表情を作らないといけないので、

とても疲れるだろうなと思います。







名塚元哉 |←ホームページ