【神隠し公判】「残虐極まりないとまではいえない」無期懲役判決の理由 (1/2ページ)【神隠し公判】「残虐極まりないとまではいえない」無期懲役判決の理由 (2/2ページ)東京都江東区のマンションで会社員の東城瑠理香さん=当時(23)=が殺害されバラバラにされた事件の判決公判で、東京地裁の平出喜一裁判長は星島貴徳被告(34)に無期懲役判決を言い渡した理由について、「犯行は冷酷だが、残虐極まりないとはいえない」と述べた。 平出裁判長は星島被告の動機について「女性を思い通りの人格に作り上げ、ゆがんだ性的欲望のため『性奴隷』にしようとして被害者を拉致した」と認定。「事件の発覚を防ぐには被害者の存在自体を消してしまうしかないと考えての犯行。極めて自己中心的で卑劣、酌量の余地はない」と非難した。 平出裁判長は、その上で、死刑を言い渡すには「相当強い悪質性が認められることが必要となる」と指摘。星島被告の犯行について「抵抗できない状態の被害者に包丁を1回突き刺した犯行は冷酷だが、執拗(しつよう)な攻撃を加えたものではなく残虐極まりないとまではいえない」と述べた。死体損壊・遺棄については、「量刑に十分考慮するべきだが、被告が死刑を求刑されているのは殺人罪に問われたからだ。死体損壊などの行為を、殺害行為に比べて過大に評価することはできない」とした。また、(1)事前に殺害のための凶器を用意していたわけではなく計画された犯行とはいえない(2)拉致した後に当初の目的だったわいせつ行為はしていない(3)一貫して事実を認め、謝罪の態度を見せている−などの事情もあげて、無期懲役を選択した。 公判で検察側は、肉片の写真や、マネキンを使った遺体切断時の再現画像を法廷の大型モニターに映し出す異例の立証を行うことで、星島被告の犯行の特異性・残虐性を強調した。だが、あまりの生々しさに耐えきれなくなった遺族が退廷したほか、顔を背ける傍聴人も続出した。このため、検察側の手法は物議を醸した。 判決によると、星島被告は昨年4月18日夜、東城さん宅に侵入し、わいせつ目的で自室に連れ込んで包丁で刺して殺害。遺体をノコギリや包丁で解体し、翌月1日ごろまでに、自室のトイレに流したり、別のマンションのゴミ置き場に捨てるなどした。(産経新聞 2009.2.18 10:53)-----------------------------(引用終了)----------------------------殺害に及ぶ行為と、その後の行為とは分けて考えられ、このような判決に至ったのだそうですが、容疑者は、被害者の首を一突きした後、息絶えると考え5分ほど観察していたのですから、 被害者の苦痛や無念の気持ちは想像を絶するに余りあり、私は充分に残虐的だと思ったのですが、 (人を殺すこと自体が残虐的ではありますけど)この裁判を担当した裁判長の残虐的か残虐的で無いかの裁量は、果たしてどの部分なのか知りたくなってしまいました。「計画性がない」というのもなんなのでしょうかね。そもそも、ことの発端は、女性を性の奴隷にしようとアホな妄想を抱いて拉致を実行したのですから、殺害や死体を解体したことを抜きにしても、計画性そのものは持っていたと思うのですが・・・。ところで、一連の裁判は、裁判員制度を見越し、スピーディな裁判と、映像などを用いて分かりやすい裁判が行われました。裁判で、その猟奇的な犯行の詳細と容疑者の供述が伝えられ、その内容は新聞やテレビでも報じられました。新聞では、具体的な解体内容が詳細に記載され、ショキングな内容に読んでいて気分が悪くなったほどでした。バラバラ殺人という事件の特異性があったとはいえ、今回のおぞましい裁判内容がメディアの電波や活字となって私たちに提供されたことにより、裁判員制度に参加すると、精神的にキツイ事件の裁判に当たる可能性もあるということを理解し、裁判員として参加したいと思った人は、返って少なくなったのではないのでしょうか。少なくとも、私は絶対に参加したくないと感じました。今回の裁判を裁判員制度のモデルケースとして選び、国民にアピールしたことは、逆効果だったと思います。