谷人事院総裁「ミスター渡り」の異名 メディア操作し組織防衛 (1/2ページ)谷人事院総裁「ミスター渡り」の異名 メディア操作し組織防衛 (2/2ページ)「内閣人事・行政管理局」への機能移管をめぐり、政府と徹底対立した人事院。そのトップである谷公士(まさひと)総裁は平成13年に郵政事務次官を退任後、財団法人などを渡り歩いてきた人物で、政府・与党内からは「ミスター渡り」との声も出ている。その組織防衛への執念は徹底しており、今後も法案作成過程での抵抗をにじませる。人事院が得意とするメディアや政界への説得工作術とは−。 「私は人事院を代表し、人事院の立場に今後もご理解いただけるように努力するつもりです」 3日朝、国会内で開かれた政府の公務員制度改革推進本部で人事院の機能移管が決まったが、谷氏は余裕の表情を見せた。 谷氏は昭和39年に郵政省に入り、平成10〜13年に郵政事務次官を務めた。退官後は同省所管の財団法人「郵便貯金振興会」(現ゆうちょ財団)理事長へ天下りし、同時期にさらに2つの財団法人の理事長を兼任。15年6月には有料CS放送の関連会社会長となり、16年4月に人事官に就任、18年4月から人事院総裁を務めている。長く折衝してきた甘利明行政改革担当相は「あんな不(ふ)遜(そん)な官僚は見たことがない」と憤りを隠さない。甘利氏が話をしようとしても、谷氏は「事務方と同じ見解ならば会う必要はない」と面会を度々拒否。交渉過程では、甘利氏との電話での会話を無断で録音するなど抵抗戦術を続け、「われわれを総務省や財務省などと同列にしないでほしい」と言い放ったという。 谷氏が強気の姿勢を崩さない背景には、人事院の特殊な身分制度がある。総裁を含む人事官3人は弾劾裁判でなければ罷免されず、閣僚の意向を気にする必要はない。加えて人事官は国会同意人事なので、総裁が辞任すれば新たな人選は困難を極める。 メディア対策も秀でている。甘利氏との直接折衝の度に、谷氏らは担当記者に入念な説明を行い、人事院側の主張を展開。3日の決定までに計5回の記者ブリーフを行ったほか、論説委員へも説明会を続けた。 また、昭和28年以降、人事官3人のうち1人は報道機関の幹部経験者の指定ポストで毎日、朝日、読売、NHK、日経の退職幹部が歴任してきた。閣僚経験者は「報道機関が人事院を批判できるわけがない」と打ち明ける。 谷氏は4日朝、民放情報番組への生出演を決めた。いよいよ反撃ののろしを上げたといえるのではないか。(産経新聞 2009.2.3 21:49)国から天下り団体への支出-----------------------------(引用終了)----------------------------いつもなら、過剰に官僚批判、天下りを批判追求している民放や新聞など大手既成メディアが、この人事院や谷人事院総裁については、ほとんど批判の声も挙げず静かで、朝日新聞も、この問題に関しては、いつもの政府と官僚の両方に厳しい姿勢と違い、麻生首相は世間受けを狙った公務員たたき、と政府のみを批判する内容を社説で展開していて、ちょっと不思議に感じていたのですが、この記事を読んで納得してしまいました。人事官3人のうち1人は報道機関の幹部経験者の指定ポストとして、マスコミ幹部の天下り先と決まっていて、産経新聞以外のメディアは、既に甘い汁を吸っているのなら、人事院や谷人事院総裁について、いつものような批判・追求ができるわけないですよね。産経新聞はハブられているからこそ、この記事が書けたわけです。人事院は国の行政組織なのですから、とっとと法律を変えてしまえば良いのですが、甘い餌で釣っているメディアは人事院の味方で、谷人事院総裁の言う「人事院の公正・中立」を尊重していたら公務員制度改革なんて出来ないのに、人事院の公正・中立を尊重しろなんて同調しているところもありますし、人事院総裁は首相でも罷免できないというと特権があり、しかも、各政治家の弱みだって調べつくして、邪魔なものはメディアにリークして潰せばいいほどの天下無敵の存在なのですから、谷人事院総裁は強気で、完全に甘利行政改革担当相を舐め切ってます。そう言えば、公務員改革を実行しようとした安倍元首相が辞任した時、「官僚に潰されたんだよ」とある記者から聞きましたが、多くの議員が閣僚になったとたんに、これまで出てきていなかった事務所費問題など次々に湧いて出てきたのは、こういう裏があったのかもしれません。まあ、想像にすぎませんが。とにかく、ここまで増長させ腐った組織に成り立ったのは、官僚の顔色ばかり伺ってきた政治家の失敗であり、責任でもあるのですが・・・。私の祖父が生前(25年ほど前)に、当時、自民党に居たある政治家から立候補を誘われた時、こう言って断ってやったそうです。「政治家はアホがやる仕事。 どうせやるなら、賢い官僚になって政治家を動かす方がいい」と。このように昔から官僚にコントロールされてしまう政治家。財政が厳しくても、公務員の大幅給与アップを止めない人事院に対し、中曽根元総理が人事院廃止を唱えても無理だったように、今回も、麻生政権の掲げる「天下り根絶」などは無理に等しいのではないでしょうか。これでは、いつまで経っても何も変わらないということです。