有害米2割、正規米に混ぜる 農水省、出荷先特定急ぐ三笠フーズの社員によると、正規米がタイ産やベトナム産であれば、同じ産地の事故米を精米機にかける前に混ぜることで、取引先に気づかれないよう細工していた。この社員は「企業努力で1円でも安くするためだった。ブレンド米は米業界では常識。味を落とさずに配合割合を考えるのが米屋のテクニックで、その手法を応用した」と話している。 8割の正規米に2割の事故米を混ぜた米は、焼酎メーカーなどに出荷されたとみられる。三笠フーズからの流通経路は、仲介業者から別の仲介業者や米穀店へとつながり、農水省が確認できた分だけでも、加工メーカーに届くまでに最大5段階にのぼる。この過程で、何も知らない業者が、さらに他の米を混ぜてブレンド米とし、全国各地で販売されたおそれがある。 三笠フーズ関係者は事故米の食用への転用について、「(同業者は)どこでもやっている」と証言している。このため農水省は、過去に政府の事故米を購入した、ほかの16社についても、事故米をどのように販売したか詳しく調べる。(朝日新聞 2008年9月8日3時2分)三笠フーズ立ち入り、5年で96回=それでも見抜けず−農水省農水省は8日、米粉加工会社の三笠フーズ(大阪市北区)が工業用の「事故米」を食用に転売していた問題で、同省が三笠の福岡工場(福岡県筑前町)への立ち入り調査を2004年度から08年度まで5年間にわたり、計96回実施していたことを明らかにした。同省は、それでも見抜けなかった理由として、三笠が二重帳簿を作成するなど悪質だった点を指摘するとともに、自らの監視体制の甘さを認めている。 (時事通信 9月8日23時1分)三笠フーズの事故米問題、転売情報を昨年に把握 農水省農林水産省に昨年、転売に関する情報が寄せられていたことが8日、分かった。農水省は同社側に数度立ち入り調査したものの、同社の転売の事実を確認できなかった。 白須敏朗事務次官は同日の記者会見で、同省が不正転売を見抜けなかったことについて「監視体制が不十分だった」と認めた。現在は日程を通知した上で実施している立ち入り調査を、抜き打ちに切り替えるなどの対応策を検討する考えを示した。(日経新聞 9月9日07:00) -----------------------------(引用終了)----------------------------立ち入り検査96回でも見抜けずって、そりゃ、事前に検査日程を通知していたら、学校で「明日、持ち物検査を実施します。」なんて先生が言えば、明日は○○を持ってくるのは控えようってなるのと同じで、不正をしている人間はそれを隠蔽するのが当然であり、その結果、見つかるものも見つからないことは誰が考えて分かりきったこと。もしかして、不正を見抜くことができなかったのではなく、故意に事前連絡をして見逃すチャンスを与えていたのではないでしょうか。問題が発覚すると役所として摘発書類の作成などで、余分な仕事が増えてしまうことを嫌がり、万が一、問題がある場合は発覚しないようにと、事前に連絡をして検査をいい加減に行って、不正が無かったように処理していたこともゼロではありません。ミートホープも過去に何回も内部告発がされていましたが、なぜか査察の日程が事前に会社に漏れていて、しかも、告発した人間の名前が社長に知れて、告発した人間が辞めさせられていたという事態になっていたように。このように、告発を受けた公務員自体が不適正な検査を行っているから、問題が見逃されつづけた結果、大変な事態に発展してしまう。もしかすると、三笠フーズは、役所の人間を接待して事前に検査の情報を得るようになっていたとか、地元の政治家に献金していたとか、今後、そういう話が出てくるかもしれませんよ。それにしても、三笠フーズの不正はかなり悪質で、消費者に多大なる健康被害を及ぼしている可能性もあるのに、TVメディアは不二家や赤福や船場吉兆の不正よりも、報道する時間が少ないのはどうしてなのでしょうか。