拉致被害者「戻すべきだった」=日朝交渉停滞の原因−自民・加藤氏自民党の加藤紘一元幹事長は7日夜、日本BS放送の番組に出演し、2002年に北朝鮮から一時帰国した曽我ひとみさんら拉致被害者5人に関し、同国に戻さないとした当時の政府決定について「国家と国家の約束だから、(戻した方が)よかった。安倍(晋三前首相)さんを中心に返すべきでないとなったが、その辺が今、日朝の間で打開できない理由だと思う」と述べ、官房副長官として永住帰国への方針転換を主導した安倍氏の対応に問題があったとの認識を示した。 加藤氏は「(戻していれば現状のようには)ならなかった。『また来てください』と何度も何度も(両国間を)交流していた。一回返すと平壌は殺してしまうんじゃないかと(言われたが)、そこが(安倍氏らとの)外交感覚の差だ。そんなことができるはずがない」と述べた。 ( 時事通信 7月7日22時58分)-----------------------------(引用終了)---------------------------->同国に戻さないとした当時の政府決定について>「国家と国家の約束だから、(戻した方が)よかった。国家間交渉の約束は必ず守らないと以後の交渉は不可能になる。というのはまあ理解できるのですが、たぶん、あの時は、「また北朝鮮へ返します」という口約束がなければ、(本心では、最初から拉致被害者の方々を再び北へ返す気がなくとも。)5人の拉致被害者の方々を北から連れ出すことさえ無理だったのではないでしょうか。>加藤氏は「(戻していれば現状のようには)ならなかった。>『また来てください』と何度も何度も(両国間を)交流していた。「戻す」「また来てください」という表現がまず認識として間違っています。なぜなら、5人の方々は、日本から拉致(誘拐)されたので、日本に帰るべき人達であり、ようやく“日本に帰ってきた”のであって、不法入国したわけでもなければ、ましてや北朝鮮から遊びに来た人でもないからです。5人の方々を北朝鮮へ返した結果、殺されるということはなかったと思いますが、「子供たちと相談した結果、北に残ることにした」なんて5人の方々に無理やり言わせるシナリオを作り、二度と帰国できなかったことは明白で、拉致被害者の寺越武志さんの状況と同じ立場に追い込まれます。そして、日本に住む親兄弟に向かって、「お宅のお子さんも生活が苦しいようなので、 会いたいなら、金やモノを持ってきてあげてください」と、その都度、金品の貢物を持っていかなければ会わせてもらえない(しかも、日本へ来る事はほとんど無い。)という、まさに泥棒に追い銭するような非常に残酷な状況になっていたことでしょう。加藤紘一とて寺越家の現状を知らないはずはないのに、まだ、こんな事を言っているのですから、まさに下の下。もっとも低いと書いて最低です。それから、加藤紘一の主張には賛同しませんが、安倍前首相を批判するのであれば、5人の方々は最終的に“自分の意思”で日本に残ると決めたのですが、その意見を尊重し北朝鮮へ返さないと最終決定を下した小泉元首相も一緒に批判しないのでしょうか。