聖火リレー、妨害次々 ロンドン騒然季節はずれの雪が舞うロンドンで6日、北京五輪に向けた聖火リレーが行われた。12年の次の夏季五輪開催地だが、祝福ムードはほとんどなく、開始直後から、リレーを阻もうと沿道から次々と飛び出す人たちをかわし続けながら走る異様な展開となった。 聖火は午前10時半に西部ウェンブリー・スタジアムをスタートしたが、抗議はその直後から。チベットの旗を掲げた3人と警官隊がもみ合う騒ぎを皮切りに、抗議者たちは聖火を消そうとしたり奪おうとしたり。消火器を持ち出す人もいた。 ランナーには中国からの10人余りの警備要員と英国の警官数十人が伴走する物々しさで、断続的に現れる抗議者を阻みながらのリレーはさながら障害物レースとなった。ロンドン警視庁は36人の身柄を拘束したとしている。 大英博物館前やトラファルガー広場を聖火が通過すると、待ちかまえていた抗議デモ隊から「フリー・チベット!」「中国よ、恥を知れ」などという怒号やブーイングがわき起こる一方、別の場所では、中国人学生らの聖火歓迎デモもあり、騒然としたイベントに。一部コースでロンドン名物の2階建てバスに聖火を乗せる予定はもともとあったが、セントポール寺院付近ではランナーが走るはずの区域もバスに切り替えざるをえなくなった。 リレー参加者は金メダリストや児童、著名人ら約80人。中華街やトラファルガー広場などを通る約50キロのコースに警視庁は約2千人を配置して警備にあたった。 警視庁によると、在英や在欧州のチベット人や人権団体など少なくとも6団体が抗議デモを計画。リレーには傅瑩駐英中国大使も参加したが、抗議の的になるのを恐れ事前に公表されず、ルートも変更された。 次期開催国という立場から、ブラウン首相も首相官邸前で聖火ランナーを出迎えた。しかし野党や人権団体からは「世界に誤ったメッセージを送る」と批判の声があがった。 聖火リレーは7日、やはり抗議行動が予想されるもう一つの「危険地帯」パリに舞台を移して続けられる。 ■ダライ・ラマ「妨害行為するべきではない」 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は6日、在外チベット人らによる北京五輪への妨害活動が相次いでいることについて、「すべてのチベット人は、オリンピックを妨害する行為はするべきではない」との声明を発表した。 (朝日新聞 2008年04月07日01時07分)聖火リレー妨害は「民主主義の勝利」、英各紙は好意的7日の英新聞各紙は、前日ロンドン(London)で行われた北京五輪の聖火リレーでの妨害行為を「民主主義の理想の勝利」と好意的に報じた。 6日の聖火リレーでは、チベット(Tibet)暴動への対応をめぐり中国政府に抗議するデモ隊が市内を通過する北京五輪の聖火を消そうとするなどして、警官隊と衝突、37人が逮捕された。 大衆紙サン(Sun)は、「民主主義の勝利だ。合法的かつ平和的にデモを行う権利が尊重される国に住んでいるわれわれは幸せだ」と報じた。 デーリー・メール(Daily Mail)は社説で「ひとつ確かなことは、ここ(英国)は中国が望むようなプロパガンダの勝利とはかけ離れた世界だということ」と述べた。 タイムズ(The Times)は、「中国は今回のデモで、五輪を自分たちの都合で捉えることはできないと気づいたはずだ。聖火リレーはあらゆる権利を象徴するもので、中国の栄光を示すためのものではない。むしろ(ロンドンでの聖火リレーは)チベット問題への抗議を浮き彫りにしただけでなく、統制の及ばない不穏や混沌を内在するのが寛容な社会の本質だということを示す機会となった」との評論を掲載した。 デーリー・ミラー(Daily Mirror)は社説でデモ隊の立場を支持。「デモ隊の行動は、中国が行ってきた人権侵害に対する抗議として的を得ている」と論じた。 インディペンデント(The Independent)の社説は、北京五輪が掲げる聖火リレーの「調和の旅(journey of harmony)」というテーマを引用。これまで数々の妨害行為が行われてきた経緯を踏まえ、「もはや調和の聖火とは言えない。聖火リレーを今後どうするべきか?」と述べて聖火リレーを続けることへの疑問を呈した。(AFP通信 2008年04月07日 13:18)-----------------------------(引用終了)----------------------------五輪前の聖火リレーから、火を消そうとする側と、消させまいとする側とで、白熱した競技となっていますね。果たして、どちらが勝利するのでしょうか。怪我人が出かねない、こういう抗議は微妙なので、やはり、選手やコーチ陣など全員の入場行進のボイコット。ようするに「開会式のみボイコット」が一番効果があると思うんですがね。最初から行進ボイコットを表明せず、開会式が始まる直前でボイコット。これだと、さらに運営側が大混乱しますからね。直前になって行進ボイコットを行う国が出ることを期待しています。