死者は最大で百人の未確認情報と亡命政府、ラサ騒乱中国チベット自治区ラサで14日起きた、共産党、中央政府に対する僧侶らによる抗議行動で、インド北部ダラムサラに拠点があるチベット亡命政府は15日、死亡者は最大で100人に達するとの未確認情報があると述べた。 騒乱を受け、戒厳令が発令されたとの情報もあるとしている。亡命政府は声明で、抗議活動は圧制的な中国統治からの自由を求めるチベット住民の感情の発露であるとも語った。 米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は15日、ラサ騒乱の死者数について80人かそれ以上に達する可能性があると報じた。目撃者の証言を引用している。ただ、正確な数を把握するには状況が流動的とも付け加えている。 (2008.03.15 Web posted at: 16:33 JST Updated - CNN)チベットで商店放火などの「暴動」、僧侶らの反中デモも中国の国営・新華社通信は14日、チベット自治区ラサで同日、チベット系住民が複数の商店を焼き、多数の店が営業を中止したと報じた。中国人系の商店を標的にしているとの情報がある。負傷者が出ている可能性もある。チベットでは1989年、暴動が起き、戒厳令が発令されているが、今回の騒乱は同年以降、最悪規模との見方もある。 チベットやインドではここ数日間、中国支配に反発する地元住民の抗議活動が多発している。チベットは1959年の「チベット動乱」後、中国の支配下にある。AP通信によると、一連の抗議活動は同動乱から10日に49年となったことを受けた形となっている。 中国は今夏、五輪主催を控えており、チベット情勢が悪化すれば国際社会の視線を踏まえた難しい対応を強いられそうだ。AP通信によると、チベットの中国共産党支部は電話での問い合わせに対し、ラサなどでの混乱の情報はないとしてコメントを避けた。 同通信や目撃者によると、ラサでは14日、約千人のデモ隊が治安部隊に投石、軍トラックを壊すなどした。車両が焼かれ、警官隊がデモ隊に催涙弾を発射、銃声も聞こえたとの証言もある。 米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は13日、チベット僧2人が中国支配への抗議活動で手首を切り重体とも報じた。また、11日には僧侶数百人がデモ行進し、治安当局が催涙弾で解散させたとも伝えた。 亡命チベット人の団体は、治安当局がラサにあるチベット僧院3カ所を包囲、僧侶らの行動を規制しているとも述べた。 (2008.03.14 Web posted at: 21:24 JST Updated - CNN)「ダライ・ラマ一派が策動」=チベット暴動の早期沈静化狙う−中国中国西部のチベット自治区ラサで14日起きたチベット仏教の僧侶らによる大規模な暴動について、国営新華社通信は15日未明、チベット自治区当局者が「暴動はダライ(・ラマ14世)一派が策動した。十分な証拠がある」と述べたと伝えた。中国は北京五輪成功のためにも、早期沈静化を目指す構えだ。 ただ、ダライ・ラマが暴動に関与したと決め付けたことで、インド亡命中のダライ・ラマや支持者が反発するのは必至。ラサの抗議行動を続けてきた僧侶や民衆を刺激し、騒乱がさらに拡大する恐れもある。(時事通信 2008/03/15-06:18)産経新聞 在米チベット人 国連前で抗議-----------------------------(引用終了)----------------------------日本の報道機関は中国政府の発表を、そのまま使用してチベット弾圧の抗議を、ただの暴動と表現しているので、こういう時は、CNNなど海外メディアの報道のほうが役に立ちますね。 国家主席である胡錦濤は、1989年の共産党書記時代に、チベットを武力(大量虐殺)で押さえ込むことで、党指導部の信頼を得ることに成功し、出世コースを歩んできたわけですが、国家主席となり、オリンピックが控え、一番、世界から注目されるこの重要な時期になって、かつて武力で押さえ込んだチベット人から、ついに手痛いしっぺ返し(報復)をされたわけです。死者数が100人を超えているのが事実であれば、今後、人権について厳しい欧米諸国から非難されること請け合いで、まあ、自業自得ですね。