中国公安省、日本で農薬混入示唆 「袋の外からも浸透」中国製の冷凍ギョーザ中毒事件で、捜査にあたっている中国の公安省と国家品質監督検査検疫総局は28日午前、北京市内で記者会見した。同省幹部は有機リン系農薬成分メタミドホスは包装の外側から染み込むという実験結果を公表。中国内で冷凍ギョーザにメタミドホスが混入した可能性は「極めて低い」と述べ、明言は避けたが、日本国内で混入したとの見方を強く示唆した。 日本側はメタミドホスが外部から浸透することはないとみており、両国当局の見解対立が表面化した形だ。1時間半に及ぶ記者会見は中国中央テレビが生中継。日中間で協力をうたっているものの、真相解明への取り組みは難航しそうだ。 今回の事件で同省幹部が記者会見するのは初めて。同省刑事偵査局の余新民副局長は、冷凍ギョーザの製造元である河北省石家荘の天洋食品の従業員ら55人を調べたが、毒物混入の疑いは見つからなかったと述べた。 公安省物証鑑定センターの王桂強副主任は、サンプル実験の結果、「完全に密封されたギョーザの袋の外側からでも、メタミドホスは内部に染み込む」との結論に達したと語った。 日本の警察当局が日本国内での混入の可能性が低いと判断したことについて余氏は「時期尚早」であり、そうした見解をメディアに公表したことや、日本の警察当局に物証や鑑定結果を見たいと申し入れたが拒否されたことなどに対し「非常に遺憾」と述べ、日本側を批判した。 また、同総局の魏伝忠副総局長は、今回の事件が残留農薬による問題ではなく人為的に引き起こされたものであるとの見解を改めて示した。 ( 朝日新聞 2008年02月28日13時03分)中国公安も国内混入否定 ギョーザ中毒事件『従業員に嫌疑ない』(一部抜粋)またマイナス一八度の環境でギョーザの包装外側からメタミドホス(濃度1%から60%まで四種類)が十時間以内に包装内側に浸透するという実験結果を公表。こうした捜査から「生産ラインで人が故意に混入させるのは難しい」とした。(東京新聞 2008年2月28日)中国側見解「看過できない」=科学的データ提供を−ギョーザ事件で警察庁長官警察庁の吉村博人長官は28日の記者会見で、中国公安省がギョーザ事件で有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が中国で混入された可能性は極めて低いとしたことについて「会見内容には看過できない部分がある」と批判した。 吉村長官は、中国側が要求した証拠を日本側が提供しないのは遺憾とした点について「捜査に役立つ資料は渡しており、理解できない」と強調。実験の結果、袋の外側からメタミドホスが浸透したとの主張については「(根拠となる)科学的なデータをいただきたい」とした。(時事通信 2月28日16時31分)<中国製ギョーザ>「根拠あるのか」警察庁困惑 中国発表に「正式な連絡は受けていないが、中国側の主張に科学的根拠はあるのか」。中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国公安省が28日、「中国国内で殺虫剤の混入した可能性は極めて少ない」との見解を示したことで「日本国内での可能性は少ない」と逆の見方をしている日本の警察庁には困惑の声が広がった。同庁の見方の根拠は(1)冷凍ギョーザの密閉された袋の内側から「メタミドホス」が検出された(2)日本国内のものと成分特徴が異なる(3)中国から被害の出た千葉、兵庫両県まで別ルートで運ばれ、陸揚げ後に接点がない−−など。こうしたことは21、22日の日中警察当局の情報交換会議で中国側に示し、鑑定結果などのデータも提供。「日本の警察が鑑定結果などを見せなかった」とする中国側の見解を明確に否定している。 25日には警察当局の首脳級会議も開催され、捜査の連携を確認したばかり。今回、事件に対する両国警察の認識の違いが浮き彫りになり、今後の捜査に影響を与える可能性も出てきた。( 毎日新聞 2月28日13時29分)-----------------------------(引用終了)---------------------------->河北省石家荘の天洋食品の従業員ら55人を調べたが、>毒物混入の疑いは見つからなかったと述べた。 死刑になることは分かりきっているのですから、仮に従業員による犯行であっても認めるわけはないですよね。>同省幹部は有機リン系農薬成分メタミドホスは>包装の外側から染み込むという実験結果を公表。日本側は、ぜひとも袋の外から農薬が浸透するかどうか検証を行って欲しいですね。(まあ、どこかの報道番組が検証実験するとは思うけど。)仮に、農薬が袋の外から染み込むとしても、その事実が分かっただけであり、日本で農薬が混入されたという確たる証拠にも繋がりません。というか、外袋も中国で製造されているわけですから、袋の外から液体が染み込むというのは、袋自体が粗悪品ということで、どのような液体でも染み込む可能性が高いよいうことにもなり、それはそれで問題があり危険ということではないでしょうか。 国家プロジェクトである北京オリンピックが控えた、この重要な時期に中国側で混入されたなどとは意地でも認められないので、日本で毒物が混入されたと発表するのは十中八九予想できましたが、こういう開き直った発表では、日本人の中国製食品に対しての不信感は払拭されるどころか、より高くなるだけですから、中国にとっても利口な対応とは思えないのですが。ところで、日本はこんな対応を取るようです。メタミドホス摂取に許容量 食品安全委が設定内閣府の食品安全委員会農薬専門調査会は27日、有機リン系殺虫剤メタミドホスについて、1度に摂取しても人の健康に悪影響が出ないとされる量を、体重50キロの人の場合、1日当たり0・15ミリグラムと設定した。 同時に、毎日摂取し続けても健康に影響のない量(1日摂取許容量)を、体重50キロの人で0・03ミリグラムと設定。中国製ギョーザ中毒事件を受けた措置で、一般から意見を聞いた上で、同委員会が厚生労働省に通知する。同省はこれを基に食材ごとの残留農薬基準を定める。 海外の動物実験データなどを検討した調査会は、動物で急性神経毒性がみられなかった量の、さらに100分の1の体重1キロ当たり0・003ミリグラムを、急性毒性が心配されない量とした。 中国製ギョーザ中毒事件では、千葉市のギョーザから130ppmのメタミドホスが検出されており、ギョーザ1個に約1・8ミリグラム含まれていた計算。体重50キロの人の場合、急性毒性が心配されない量の12倍になる。(北海道新聞 (02/27 21:18)-----------------------------(引用終了)----------------------------日本で使用禁止されてる農薬の許容量を設定するというのは、なんか話が違っているような気がするのですが。福田内閣は、こういう決定だけは早いなぁ。まあ、今回の毒餃子による中国の開き直った対応で、日本人の食に対する意識が変わって、できる限り地産地消にこだわるようになることを切に願います。関連ソース:北海道新聞 08/02/23 地産地消の飲食店「緑提灯」運動 札幌から全国へ 参加200軒超