関西でも先週から放送開始された『墓場鬼太郎』全11回ということもあり、話の進むテンポが早く、水木しげる作品独特のあの奇妙でゆったりとした時間の流れが、削がれてしまっているのは少々残念なところなんだけれども、全体を通してみれば、よく出来ているので気に入っています。 ネット上の反応を読んでいたら、鬼太郎好きの若い世代に、意外にも、ちょっとダークな頃の鬼太郎を知らない人が多く、鬼太郎ファンならダークな頃の鬼太郎の話も知っているだろうと思っていただけに、ちょっと驚きました。原作(貸本版)のほうが、おどろおどろしくカオスな世界が展開されているので、これを機会に『墓場鬼太郎』を読んでほしいと思います。絵柄は古臭さを感じざるを得ないとは思いますが、手頃な価格で手に入る文庫版で、昭和30年代の空気や、水木作品の奥深さを感じ取ってほしいものですね。