昨日、「薬害肝炎訴訟、和解協議決裂へ」を書いたのですが、やはり、懸念していた原告団への反発が強まっているようです。それは、一般人に限らず、出産や手術の血液製剤投与によって、C型肝炎になってしまった一般の患者さんにもあって、治療を受けておられる患者さんのブログをいくつか見ていると、原告と一般患者との間で、考え方に乖離があるようです。一般の患者さんの考えを要約すると、原告が訴えている治療費の全額補助は、仮に実現すれば助かることは事実ですが、そうなってしまえば、国民の税金からの負担が増えますし、他にも難病で重い医療費負担に耐えている方達が多く居ることを考えれば、「自分たちだけ」特別にという訳にはいかないので、全額補助よりも、この高額な治療費負担を軽減してほしい。そして、何よりも最も多く望まれていたことは、より安全で副作用の少ない治療法の確立を急いでほしい。というこの2点でした。案外、表に出ていないC型肝炎患者の多くも、名目はともかく、経済的支援の得られる30億円基金でも良いと考えている方や、支援よりも負担の少ない治療法の確立を望んでいるのではないでしょうか。 また、わたしの友人の患者さんから頂いたメールでも、今回の原告の女性達の感情を爆発させた会見ばかり放送されては、肝炎といえば原告女性達が思い浮かぶこととなり、根本的な病気や治療への理解を得られるどころか、よけいに反発が高まってしまいそうなので、一般患者にとってはむしろ迷惑な部分が多いのではと嘆いておられました。この一般患者の声や思いが原告に届いているのでしょうか。原告の側も今一度、気を落ち着けて、「根本的に多くの患者さんは何を望んでいるのか」と、原点に立ち返って考えてみる必要があるのではないでしょうか。交渉が決裂した状況が長引けば長引くほど、多くのC型肝炎患者さんをさらに苦しめていることにも繋がり、これは原告の側も望む結果ではないことは確かなはずです。そして、マスメディアの側も、圧倒的多数の一般患者がもっとも望んでいることは何なのか、ということを深く掘り下げて伝えるべきではないでしょうか。ここ数日のマスメディアの報道と昨日の会見や、極一部とはいえ、一般の患者さんの声を目の当たりにして、少なくとも、わたしはそう感じました。