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2007年11月23日(金) 郷土愛や文化を大事にしない日本人

「江戸と比べりゃ、今はゲロ」石原都知事、東京の景観嘆く(1/2ページ)

東京都の石原慎太郎知事は20日、都内で開かれた建築家らが
集まったレセプションに来賓として出席し、「今日の東京の姿っていうのは
これはゲロですね。こんなに醜い街になっちゃうのはほんとうに
情けない話」などと発言し、建築家の奮起を促した。

 石原知事の“東京ゲロ”論が飛び出したのは、東京国際フォーラム
(東京都千代田区)で開かれた“建築界の五輪”といわれる
「UIA2011東京大会」(主催・国際建築家連合)の
キックオフレセプションの席上。

 UIA大会は世界各国から約1万人が参加するという3年に1度の建築の祭典。
この日は、2011年に開催が決まった東京大会を成功させようと建築家、
設計士、ゼネコン関係者ら約300人が集まって、親睦(しんぼく)を深めた。

 冬柴鉄三国土交通相の後にあいさつに立った石原知事は、
大手ゼネコンがかかわった建物のデザイン性の欠如を批判した上で
「ゼネコンがやるとああいうことになるんでしょうけれど、
建築家の方々はね、自分の感性に問うて意見を出してもらわないと。
森(森ビルの森稔社長)くんもがんばってね、関係者いるかもしれないけど、
六本木ヒルズも感心しないねえ。まあなんというんでしょうか、
みんなバラバラでね」と“石原節”で会場をわかせた。

 やや風邪気味の石原知事だったが、発言は徐々に過激さを増していき、
「江戸の景観は素晴らしいものだが、それに比べて今日の東京の姿っていうのは
これはゲロですね。まあね、こんなに醜い街になっちゃうのはほんとうに
情けない話でね」と述べると、さっきまで笑顔だった出席者の表情が硬くなる場面も。

 さらに「これからね、東京の再生のためにみなさんの感覚フルを生かして、
場合によったら、だんなのゼネコンにもたてついてですな、
もうちょっとマシな街をつくってもらいたい」と注文。

「江戸と比べりゃ、今はゲロ」石原都知事、東京の景観嘆く(2/2ページ)

( 産経新聞 2007.11.20 22:48)


-----------------------------(引用終了)----------------------------

石原都知事の言い方はどうかと思いますが、

東京に限らず、日本全体の景観の悪さについては同意する部分があります。

「欧州は国、国土全体が博物館」なんて言われているように、

欧州の住宅地や大きな都市をTVや写真で見ると、

建物の高さや壁の色がほぼ統一されておりますし、

無駄な看板や装飾がなく、その落ち着いた美しさに惚れ惚れとしますが、

日本は住宅地であれば家の高さや壁の色がばらばらですし、

街に出て見上げれば、ビルの屋上に取り付けられたサラ金の看板や

ネオン看板に大型モニターなどで、地上同様にゴミゴミとしています。

そういった看板類も景観を壊す最悪なものですが、

欧米の都市と日本の都市を比べて、

さらに日本の都市風景を圧倒的に劣らせているのは、電柱です。

パリやロンドンは電柱が地中に存在し一本も無くて、

スッキリしてるのに、日本はどこを見ても電柱だらけ。

私は空の写真を撮影するのが趣味の一つになっていますが、

面白い雲を発見しても、電線が撮影の邪魔になって、

残念な気持ちになることが多いです。

 今年から京都が観光都市としての文化を保存しようと、

町並み条例を作り、看板や建物の高さを規制しよう試みており、

そのこと事態は素晴らしい取り組みなのですが、

ハッキリ言って、少し遅すぎたのではないかと感じてしまいます。

ただ、このような条例を京都以外でも、

一刻も早く取り入れるべきだとは思いますが。

そして、この景観の破壊は都市だけに留まらず、

地方(田舎)まで、どこで注文しても同じ味のファストフードのように、

町並みが平均化傾向され固有の地域性が失われるという、

ファスト風土化してきており、複雑な気持ちを抱かざるを得ません。

  明治から昭和初期、戦後まもなくの頃に建てられた建築物は、

デザインが西洋風を取り入れモダンで洗練された建造物が多く、

現物や写真を見てウットリしてしまうのですが、

高度経済成長の商業主観で利便性を求めすぎたことが、

建物のデザインや景観保護(郷土愛や文化保護)といった、

日本人が持っていた美意識を捨てさせたわけです。

また、これらの美意識は政府が規制を設けて保護に取りくんでいれば、

壊されずに済んでいたわけですから、

つまりは日本政府が一番悪いわけです。












名塚元哉 |←ホームページ