赤福 「むきもち」再利用、実は6割…農水省発表「赤福」の偽装表示問題で、農林水産省は22日、店頭で売れ残り返品された赤福餅のうち、餡と分離した餅(「むきもち」)の60〜90%(平均68%)を赤福餅の餅として再利用していたことが分かったと発表した。19、21日の立ち入り調査などで判明した。赤福はこれまで、むきもちについて再利用は1%だけで、99%を焼却したと説明していた。 同省によると、むきもちが再利用されたのは今年1月まで。約30年前から行われていたとみている。このほか、(1)製造の翌日を製造年月日として表示する行為を「朔日(ついたち)餅」でも行っていた(2)トレハロースなどの糖類加工品を使用していたのに原材料として表示していなかった−−ことなどが新たに分かった。朔日餅は毎月1日に販売する人気商品。赤福餅以外で不正が明らかになったのは初めて。 また、製造年月日の表示の後に「−」や「.」のマークを付けて偽装が社内で見分けられるようにしていたことも分かった。 同省は、新事実を含めた不正に関する改善報告を11月12日までに出すよう求めた。(毎日新聞 10月22日17時9分)毎日新聞 10月19日<赤福>立ち入り時、虚偽説明 「返品まき直しない」読売新聞 10月19日「赤福」売れ残りも再出荷、無期限の営業禁止処分に読売新聞 10月20日深夜に冷凍保存「まき直し」、製造日は翌日を印字…赤福読売新聞 10月20日「赤福」の再出荷・再利用、社内では“常識”だった-----------------------------(引用終了)----------------------------これだけ次々に偽装していたことが明るみになると、さすがに「赤福餅はええじゃないか」とは言ってられませんね。 ある偽装が一つ発覚した企業は、そのほとんどが他にも嘘を隠していたり、嘘に嘘を塗り重ねた釈明をしたりするもので、それにより、企業としてはさらに信用を失うわけですが、(偽装が発覚した時点で信用や信頼は失われているとも言えますけど。)ヘタにほかに隠している嘘を否定して、その嘘が事実だった場合に、再度、会見を開いて消費者に対して謝罪するのであれば、最初の会見で、洗いざらい偽装していた事すべてを明かしてしまう方が、消費者に対して与えるイメージは違ってくるのではないでしょうか。当たり前のことですが、他者から信用と信頼を築くのは時間が掛かりますが、失う時は坂を転がるようにあっという間です。偽装が消費者に対しての“裏切り”であることには変りありませんが、同じ嘘がばれるにしても、一つの嘘が明るみになった時点で、包み隠さずすべての嘘を打ち明けて潔く謝罪するのと、他の偽装を隠したり否定しながらも、一つの偽装が発覚し裏切られたというイメージを消費者に植え付けたところに、さらに、会見などで否定していた疑惑が実は事実であることが発覚し、嘘が一つずつバレるたびに、謝罪を繰り返すのであれば、ほかにも偽装していたのかという裏切りと、否定したことも嘘だったのかという裏切りと、裏切りの連鎖のほうが、消費者に対して与えるイメージはさらに悪くなり、企業が信用や信頼を回復するための道のりは、かなり違ったものになるのではないかと私は思うのですが、読者様はどう思われるでしょうか。 土産物といえば、人気が出れば出るほど、利益アップや消費者の声に応えるために、製造数や販売店舗を増進するはめになるものですが、当然のことながら製造数や販売店舗を増やせば増やすほど、売れ残りも増えてくることになります。赤福の再利用はコストダウンの徹底によるものなのでしょうが、不二家のときと同様に、よりにもよってあんや餅の再利用などという、世間に発覚してしまえば、あっという間に信用と信頼を失墜させてしまうリスクの高いコスト削減を選択してしまったのか理解に苦しみます。過去、偽装をしていたり不祥事を隠蔽することによって、けっきょくは、多大なるコストを払わされることになり、最悪の場合は、企業の存続すら危うい状態になることもあります。早く対応しておけばダメージも小さくてすんだものを、対処が遅れたために多大なコストを払わざるをえなかった食品・家電メーカーは多く存在し、それを知っていながら、なぜ同じ轍を踏むようなことを企業はやってしまうのでしょうか。これは企業に限らず、政府や官庁や政治家にも言えることですが。