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2007年10月13日(土) 拉致被害者 帰国から5年。

<拉致被害者>蓮池さん、曽我さん、地村さんら5年目の近況

拉致被害者5人の帰国から15日で5年を迎える。
それぞれが地元で社会復帰を果たし、子供たちと新たな人生の道を歩んでいる。
そして、残る拉致被害者の一刻も早い帰国を願い続ける。

 新潟県柏崎市の蓮池薫さん(50)、祐木子さん(51)夫妻は、
7月の中越沖地震で自宅が避難勧告の対象となり、薫さんの実家で暮らす。
夫妻は12日、市を通じて「未帰還者の帰国なくしては、
私たちの拉致事件も決して終わりません」などとする帰国5年のコメントを発表した。
 大学の非常勤講師で朝鮮語を教え、翻訳家でもある薫さんが翻訳した
韓国の本は既に10冊を超えた。祐木子さんは市内の保育園の調理担当を続けている。
大学院の修士課程に進学した長女重代さん(25)は、
教員免許の取得を目指している。大学2年の長男克也さん(22)は、
勉学に励んでいる。
   ◇
 新潟県佐渡市の曽我ひとみさん(48)は今年4月、同市の正職員に採用され、
市高齢福祉課に所属。市内の養護老人ホームで入所者の
食事の配膳(はいぜん)や入浴の手伝いなどを担当している。
夫ジェンキンスさん(67)は、昨年から市の観光施設で
臨時職員として働き、売店で菓子などを販売する。
 長女美花さん(24)は、新潟市内の専門学校で保育士、
幼稚園教諭の資格試験を目指している。次女ブリンダさん(22)は
新潟市内にあるブライダル関連の専門学校を来春卒業予定で、
佐渡市内のホテルに就職が内定している。
   ◇
 福井県小浜市観光交流課職員の地村保志さん(52)は、
NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の撮影補助も担当。
ともに暮らす地元の信用金庫職員の長女恵未さん(25)が知人に
「忙しそうにしていますよ」と話す多忙さだ。
 妻の富貴恵さん(52)は市内の県の機関でパスポートの発給業務をしている。
大学4年の長男保彦さん(24)は市内の企業に就職内定。
次男清志さん(19)は、大阪外大(10月に大阪大に統合)に入り、
アパートで学生生活を送る。
 夫妻は12日、「拉致問題の早期解決のためできる限りの協力をしていきたい」
などとするコメントを出した。

 ◇被害者救出にあらゆる手段を…蓮池さん

 蓮池薫さんの兄で、拉致被害者家族会の副代表の蓮池透さん(52)は、
毎日新聞に今の思いなどを語った。
薫さんたちは「自分たちだけ戻ってきてしのびない」との気持ちで生活しており、
「政府に被害者救出のためにあらゆる手段を講じてほしいと望んでいる」と明かした。
 薫さんらが公の場でほとんど発言しないことについて、
透さんは「横田めぐみさんたちはまだ帰国しておらず、
『自分たちだけ戻ってきてしのびない』と思っている。
北朝鮮を刺激しないためにもメディアには出ず、自分たちの情報を、
北朝鮮の矛盾を浮き彫りにする証拠として政府レベルの
交渉に役立ててほしい思いがある」と代弁した。
 薫さんらは既に、政府や警察、関係する家族に知っている話を伝えているという。
透さんは「つらいのは(薫さんらが)『まだすべてを話していない』と
世間から疑われること。限定された地域で生活していたので、
すべてを知っているわけではない」とおもんぱかった。
 また、北朝鮮の話を薫さんから聞くなどしたことから、
「北朝鮮の反日感情は根深い。日本はその原因を考える必要があり、
敵対心で応じるだけでは問題はこじれるばかり」と政府に柔軟な対応を求め、
「被害者家族の活動の原点は、体制崩壊を目指すことではなく、
『失われた家族を取り戻したい』との思い。
それを実現するため、あらゆる手を尽くしてほしい」と話した。

( 毎日新聞 10月12日19時42分)


-----------------------------(引用終了)----------------------------

蓮池さん夫妻、地村さん夫妻、曽我さんが帰国なされた時、

独裁政権による洗脳というのはどれほどのものなのかと心配し、

お子さん方が帰国する時は、環境がまったく違う日本の社会に、

順応できるのだろうかと心配になったものですが、

そんな懸念も稀有に終り、

それぞれがそれぞれに生活を謳歌されており、嬉しく思います。

しかし、『自分たちだけ戻ってきてしのびない』という気持ちを

背負わせてしまっているのは、つらいものがあります。

>薫さんらは既に、政府や警察、関係する家族に知っている話を伝えているという。

政府や外務省はこの得た情報を交渉の場で活かしきれているのでしょうか。

これまでの交渉はナイーブすぎると感じてしまいます。


>「北朝鮮の反日感情は根深い。日本はその原因を考える必要があり、
>敵対心で応じるだけでは問題はこじれるばかり」と政府に柔軟な対応を求め、
>「被害者家族の活動の原点は、体制崩壊を目指すことではなく、
>『失われた家族を取り戻したい』との思い。
>それを実現するため、あらゆる手を尽くしてほしい」と話した。


産経新聞 北への人道支援を検討 拉致再調査を条件に 政府

戻ってくる可能性に繋がるならカードだけでも作っておくべきだと思いますが、

仮に、北朝鮮がこの条件を飲んで、

これまでとまったく同じ情報しか出さなかった場合でも、

人道支援に踏み切ってしまうのであれば、

福田首相が掲げていた「拉致問題の解決」への

国民的コンセンサスは一気に失われるだけです。








名塚元哉 |←ホームページ