■ 地デジが世代共通体験としてのアニメを殺す?会場からの質疑応答では、「若いアニメファンの減少」が訴えられた。現在、アニメの新番組は驚異的な数が放送されているが、深夜帯が多く「若い世代がアニメに触れる機会が少なくなっている」という。そのため、「昔は子供の頃アニメを見ていて、アニメ雑誌を買い、他のアニメや声優さんなどに興味が広がり、アニメファンになるというパターンがあった。それが崩れたことに危機感を抱いている」という。 さらに「アニメファンとそうでない人の溝の深化」や、「一般社会における新しいアニメの知名度の低さ」を憂う声もあがる。「ガンダムSEEDや、コードギアスなど、僕らアニメファンがメジャーだと思っている作品でも、普通の人はほとんど見ていない。こういう状態になってしまったのはなぜか?」という疑問だ。 岡田さんも「例えばテレビで“アニメの名シーン特集”という番組があっても、未だに“フランダースの犬”のラストが出てくる。僕も現役のオタクとしては“おかしいだろ”と思うけど、放送局のロジックもわかる。早い話、普通の人はここ10年のアニメなんて観ていないということ」。 氷川さんはこの原因について、80年代に登場した“ファミコン”がキッカケになっていると分析する。「放送という公共性のあるものを受信しているテレビには、それで楽しむためには“何時何分にテレビの前に座る”必要があった。しかし、ビデオやファミコンの登場でその図式が崩壊した。その証拠に、それから数年後に、夕方の特撮ドラマの戦隊物や、アニメの再放送枠が全滅し、文化の共通性やリサイクル性が崩壊した。つまり、現在の状況は20年前に押されたボタンの結果で、今から何かしても遅い。今何か行動を起こして、20年後にどうなるかという問題だと思う」と語る。 岡田さんもこれに頷く「今までは何年かに一度、ヤマトやナウシカ、ガンダム、エヴァンゲリオンなど、日本人全体のブームになる作品があった。けれど、エヴァ以降10年そんな作品は登場していない。それに、エヴァブームでさえも、当時の小中学生全員が観ていたわけではなく、ガンダムのように世代全員の共通体験にはなりえていない」。 岡田さんは「家族が変化したことも原因。お爺ちゃんやお婆ちゃんと暮らしている人が減り、家族全員が揃ってご飯を食べることも少なくなった。それはつまり、誰かに合わせてテレビを観ることがなくなったということ。都市部の未婚率もいずれ6割を超えるだろうと言われる中、誰かに合わせてテレビを観ることは減り続ける」と分析。それゆえ、「今後も世代を巻き込むようなアニメが登場するとは信じられない状況」(岡田さん)にあるという。これは、今後のアニメファンの増減にも影響することだ。 しかし、岡田さんは「それは僕らアニメファンが望んできたことで、僕らにも皆さんにも責任があること」だという。「僕らは子供の頃、親と一緒にテレビを観るのが嫌で、他の人と同じような番組を観たくない、自分が好きな番組を観たいと思っていた。そうやって自分達で舵を切ったつもりが、日本全体も舵を大きく切ることになった」という。 氷川さんはこの傾向を決定付けるものが地上デジタル放送にあるという。「テレビの役割が変化し、単なる情報の窓、情報ディスプレイになりつつある。僕は個人的に、“地デジの登場が世代共通体験としてのアニメを殺す”だろうと考えている」という。 ではどうするべきか? ディスカッション時間が限られていたこともあり、岡田さんは「もうスタジオジブリに萌えアニメを作ってもらうしかないよ。となりのトトロの権利を京アニ(京都アニメーション)に譲って、サツキとメイを萌えキャラ化して。踊りとか踊らせて」と斬新なアイデアを披露。会場から爆笑を誘った。-----------------------------(引用終了)----------------------------それなりに面白い作品は今も多いのでしょうが、確かに、エヴァ以降のこの10年ほどは、アニメファン以外の幅広い層に受け入れられて、長く語り継がれる作品は出ていないですよね。私も2000年になってからは、量産されるアニメはどれも似たりよったりに感じてしまい、多くの作品が放送されていても最初から見る気も起きなく、作品名やキャラの名前はちょっとぐらいは知っていても、それ以外のストーリーなどの情報を得ようとすることもなくなりましたし、久しぶりに見ているアニメと言えば、今年の春に始まった『ゲゲゲの鬼太郎・第5期』だけです。しかしながら第1期〜第4期までのような面白さがなく、鬼太郎シリーズだから見ているだけという感じです。 引用した記事にもあるように、私が子供の頃は夕方5時ごろから再放送も含めたアニメが放送されていたので、古い作品でも面白さを知ることでき、世代間での話題の共有が保てましたが、現在は、地上波での夕方の番組はどの局も情報番組ばかりとなり、ケーブルTVでしか古いアニメを見る機会がほとんどありませんし、また、昔に比べて子供も塾などで何かと忙しいことや、どの局も視聴率至上主義なのも合わせて、ゴールデンタイムのアニメ放送が少なくなっている理由なのでしょうね。 逆に放送が増えている深夜アニメは、萌えキャラいっぱいのアニオタ受けといったように、その時間帯もさることながら、最初から一定の層だけをターゲットにしていて、オタクな作り手とそれを見るオタク層が満足して終ってるだけで、それ以外のファンを獲得することはほとんど考慮されて作られてはいないでしょうし、あと、エヴァ以降、真似したような複雑なストーリーの作品が増えたことも、以前のような老若男女に受け入れられるアニメが無くなったのかもしれません。>岡田さんは「もうスタジオジブリに萌えアニメを作ってもらうしかないよ。>となりのトトロの権利を京アニ(京都アニメーション)に譲って、>サツキとメイを萌えキャラ化して。踊りとか踊らせて」と斬新なアイデアを披露。危機感とか言いながらも、こんなことを言い出してる辺りに、もう日本のアニメに幅広い層を受け入れられるほどの力は残されて無いと感じているのかもしれません。 ただ、「アニメファンとそうでない人の溝の深化」や、「一般社会における新しいアニメの知名度の低さ」を 憂う声もありますが、これは昔から言えることでもあるので、あまり深刻に考えることもないのかもしれません。 最後に私が好きな作品でマニアックな作品を2つご紹介します。『少女革命ウテナ』wikipedia混沌とした前衛舞台劇風な風変わりなアニメ。話が進むごとにエロ度が増してくるのですが夕方に放送していました。【ニコニコ動画】少女革命ウテナ 第05話 「光さす庭・フィナーレ」【ニコニコ動画】少女革命ウテナ 第15話 「その梢が指す風景」【ニコニコ動画】少女革命ウテナ 第28話 「闇に囁く」【ニコニコ動画】少女革命ウテナ 第31話「彼女の悲劇」決闘場面で流れる合唱曲に大好きな作家の寺山修司さん主宰の演劇実験室「天井桟敷」で、音楽を担当したJ・A・シーザー氏の意味不明な合唱曲が使用されていたのも私の中でポイントを上げています。【ニコニコ動画】少女革命ウテナ 決闘ソング集&画像詰め合わせ゜∀゜ 〜生徒会編〜【ニコニコ動画】少女革命ウテナ 決闘ソング集&画像詰め合わせ´∀` 〜黒薔薇編〜【ニコニコ動画】少女革命ウテナ 決闘ソング集&画像詰め合わせ^∀^ 〜鳳暁生編〜『カウボーイビバップ』wikipediaストーリー、格調高い音楽、映像ともに凝りまくった大人向けの作品。これも夕方に放送していました。リアルタイムでOPを始めてみた時は、あまりのクールさに、いい意味で鳥肌が立ちました。【ニコニコ動画】COWBOY BEBOP OPED(高画質版)【ニコニコ動画】COWBOYBEBOP Tank! MUSIC CLIP【ニコニコ動画】カウボーイビバップ プロモーションクリップ【ニコニコ動画】カウボーイビバップ 『ジュピター・ジャズ』での演奏シーン【ニコニコ動画】カウボーイビバップ BLUE今にして思えば、10年ほど前のTV東京は、エヴァやナデシコやエスカフローネやウテナやビバップなど、夕方アニメに力を入れていたのではないでしょうか。