私が生まれた時からお世話になって命の恩人でもある、これまで5千例以上の先天的に心臓に疾患のある子供の手術を専門的に取り組んだ心臓血管外科のドクターが、先月の23日から今月の2日まで、ベトナムハノイの国立小児病院からの要望により、ボランティアで手術指導に行かれてました。今日、久しぶりにお会いできたので、その時の話を伺いました。日本政府はJICA(独立行政法人 国際協力機構)から、医療機器をベトナムにも無償提供しているのですが、現地の医師の多くはまだまだ技術や知識が不足しており、残念ながら満足に使いこなせる人が少ないそうです。ハノイの国立小児病院は同国で唯一子供の心臓手術も手がけている病院なのだそうですが、医療機器の使い方も基礎から教えなければいけなくなってしまい思いのほか大変だったようです。そのソフト面の支援に熱心なのが韓国なのだそうです。韓国の大手電子機器メーカーサムスンは病院も経営しているのですが、そのサムスン病院が、ベトナムなど発展途上国の医師や看護師を呼びよせ、技術などをソフト面の指導に力を入れているとドクターの話で知りました。「日本はハード面での支援は熱心だが、 ソフト面にも心を込めもっと力を注がないとダメだ。 真の友好にはこういった心配りが大切なのに。」と言っておられました。この話を聞いて、ある事を思い出しました。自衛隊がイラクのサマワから撤退して、しばらくしてから、朝日新聞にサマワのその後という記事が掲載されていました。サマワ市民の80%ほどが自衛隊の派遣には感謝しているのですが、自衛隊の支援によって新しく作られた病院では、最新の医療機器が提供され自衛隊撤退後も残されているのですが、技術の指導もされず説明書も日本語のため、自衛隊撤退後は、まったく使えず放置された状態で、現地の医師が困惑していると書いてありました。日本の支援というのは、なぜこうも隅々まで目が届かないのでしょうか。ハードも大事ですが同規模のソフトも提供しなければ、せっかくの善意も無駄になってしまいます。本当に中途半端で勿体無いと感じます。 ドクターは、国内外の小児病院で数多くの手術指導をしてきたのですが、「中国では酷い目にあったので、もう絶対に行かない。 今も呼ばれるけど断っている」とも言ってました。子供の命を救うことを第一に考え、自分ような医師が一人でも多く増えることを望み、培ってきた技術を国内外の若い医師に指導する熱心なドクターに、「もう絶対に行かない。」と言い切らせてしまう中国。中国で何があったのかとても気になったのですが、トラウマになるようなことを言いたくもないでしょうから、あえて聞かないでおきました。↓エンピツ投票ボタンです。 今日の日記は良かった思った方は押してくださると嬉しいです。エンピツ時事/社会ランキング エンピツ総合投票ランキングMyエンピツ追加