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2006年07月12日(水) 日米英仏vs中国朝鮮(オマケ露西亜)

先制攻撃論 短兵急に反応するな(7月12日付:朝日新聞社説)

北朝鮮がミサイルを撃ってくる前に、発射基地を攻撃して破壊する。
そのための先制攻撃能力を日本も持ってはどうか。
そう言わんばかりの発言が主要閣僚らから相次いでいる。

 麻生外相は9日のテレビで「被害を受けるまで何もしないわけにはいかない」と語り、
10日の記者会見では安倍官房長官が「今後、そういう能力を持つべきかどうか、
議論を深めていく必要がある」との考えを示した。

 核問題を何とか外交で解決しようと国際社会が努力している最中に、
「訓練」と称して7発ものミサイルを発射したのは無責任きわまりない挑発である。

 いつか、本物の弾頭を載せて日本に撃つかもしれない。
そんな漠とした不安を抱かせる事件だった。
すべてのミサイルを撃ち落とすのは難しい。国民の命を守るには先制攻撃も
やむを得ないのではないか、という問題提起なのだろう。

 一見、もっともな理屈のように見えるが、落ち着いて考える必要がある。

 ミサイルは発射されてみないと、どこを狙っているのかがはっきりしない。
自衛のための先制攻撃といっても、こちらから戦争を仕掛ける形になる。
相手の意図をどう見極めるのか、現実には至難の業だろう。

 日本を射程におく中距離型のノドンは、山岳の横穴の奥などに配備され、
直前に外に移動して発射すると言われる。
発射場所を割り出すにはとてつもない情報能力が必要だ。

 日本の先制攻撃もありうるとなれば、相手はさらに先手を取ろうと
攻撃に走りかねない。そんな危うさもある。

 そもそも日本が攻められた時は、自衛隊がもっぱら本土防衛の役割に徹し、
敵基地などをたたくのは米軍に委ねる。
これが安全保障の基本となってきた。専守防衛の原則である。


 ごく限られた状況では先制攻撃する場合もあるというのが政府の立場だが、
実際には自衛隊の役割と装備を限定し、敵基地への攻撃能力は持たずにきた。

 平和憲法の理念に基づき、日本が再び外国を侵略したり、
軍事的な脅威になったりしない。専守防衛の原則は、
そんな国民の意思に支えられている。

 弾道ミサイルの時代なのだから、専守防衛の原則にも手直しが
必要なのではないかという議論はあるかもしれない。
だが、北朝鮮のミサイル基地を先制攻撃するということは、
こうした日本の安全保障政策の根幹にかかわる問題である。

 北朝鮮の挑発に過剰反応し、短兵急に方針転換へ
突き進むようなことがあってはならない。

 専守防衛を変更すれば、北朝鮮だけでなく、
中国や韓国などの周辺国を刺激するのも避けられない。

 北朝鮮が最も恐れるのは米国の強大な軍事力だ。
日本の安全にとって、最大の頼りはやはり米国の抑止力だろう。
これを前提として、あくまで外交的な決着をはかるのが日本の戦略であるべきだ。


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国連で制裁するかどうかの議論が進んでいる最中に、

中国が反発する「先制攻撃論」はタイミング的に不味いという意見は分かるのですが、

議論することさえを否定するのはいかがなものかと思います。

>そもそも日本が攻められた時は、自衛隊がもっぱら本土防衛の役割に徹し、
>敵基地などをたたくのは米軍に委ねる。
>これが安全保障の基本となってきた。専守防衛の原則である。

在日米軍基地縮小を唱えたり、

米国の戦争に巻き込まれるから日米同盟は危ういとか、安保反対とか、

なにかといえば在日米軍不要論ばっかりやってる新聞が、

米国の軍事力攻撃力をあてにした外交を行えと説くなんて、

ちゃんちゃらおかしいね。


北ミサイル、仏は議長声明と決議の「2段階採択」検討

国連安全保障理事会の議長国、フランスのドラサブリエール国連大使は
11日、北朝鮮のミサイル発射への対応について、
「非常に厳しい内容」の議長声明を採択した後、
北朝鮮の姿勢に変化がなければ制裁決議採択に移る
「2段階方式」を検討していると明らかにした。

 国連本部で記者団に語った。中国が決議案への拒否権行使の可能性を示唆する中、
議長声明は全会一致で採択するため、安保理の結束を示せる利点がある。

 現在、武大偉・中国外務次官ら訪朝団が北朝鮮への説得工作を続けているが、
「2段階方式」実現は、北朝鮮が訪朝団に核、
ミサイル問題で前向きの回答を示さないと難しい。
また、議長声明には、今回の事態が「国際の平和と安全への脅威」との
認識を明記し、決議への移行手続きを明文化することなどが求められる。

 仏大使は、「議長声明の採択には、
中国の案よりも厳しい内容でなければいけない」と指摘。
ジョーンズパリー英国連大使も、議長声明には今回のミサイル発射を
「脅威」とする規定が不可欠との考えを示した。
今のところ、英仏とも決議案支持の立場は変わっていない。
日米英仏の国連大使は毎朝、会合を開き、
いつでも決議案採決に移れる態勢を取っている。
大島賢三・国連大使と米国のボルトン国連大使は11日も、
決議案推進の立場を記者団に強調した。

(読売新聞 2006年7月12日15時3分)


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TVニュースじゃ、英仏が軟化とか言ってるけど、

英仏の議長声明案のニュースをよく読めよば、

中国が拒否権発動して安保理が一切何もできなかったという

状況を避けるための保険を兼ねて、

フランスは中国案より厳しい内容の議長声明を決議の二段階採択提案し、

イギリスはこれを支持しただけで、

仏案で制裁決議前に議長声明案を採択しても、

制裁決議が向こうになるわけでもなく、共同提案国から降りるわけでもなく、

基本的には英仏とも制裁賛成のままで、

今のところ軟化はしていないのが事実なのに、

なんで、TVはマイナス思考を与えるような報道をするのでしょうかね?


中国、金融制裁めぐる北朝鮮との対立解消を米国に要求(ロイター通信)

中国政府は12日、米国政府に対し、北朝鮮の核問題をめぐる
6カ国協議の進展を妨げているとして、
金融制裁をめぐる北朝鮮との対立を解消するよう求めた。

 中国外務省の報道官は記者団に対し、「(米国による金融制裁が)
6カ国協議の進展に影響を及ぼしており、
できるだけ早急な解決を期待する」としたうえで
「具体的にどうやって解決するかは、米国側に聞かなければならない」と述べた。 

 北朝鮮は、米ドルの偽札作りや麻薬取引を理由に米国が発動した
金融制裁に反発している。


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アメリカが制裁解除をするということは、

すなわち北朝鮮の麻薬、ミサイル、核、通貨偽造を容認するということ。

アメリカが犯罪者の要求を呑むわけないじゃん。

関連ニュース:
中国、制裁なら拒否権 非難決議は容認・対北朝鮮

北朝鮮のミサイル発射問題で日本がサミット前に採決を求めている
国連安保理の制裁決議案について、中国の王光亜国連大使は
11日午後(日本時間12日未明)、「採決するならば葬り去る」と述べ、
拒否権を行使する意向を示すとともに、
制裁を伴わない非難決議なら応じる意向を示した。
制裁決議案に拒否権の行使を明言したのは初めて。
朝日新聞の質問に答えた。

 一方、議長国フランスは同日、安保理の結束を維持するため、
まず全会一致で拘束力を伴わない議長声明を採択した後、
必要なら決議案の採択を目指す「2段階方式」を検討していることを明らかにした。
制裁決議案は、中朝間の協議の結果を見守るとして当面、
採決が見送られているが議長声明は全会一致が原則で、
日米が強く反対している中では採択できない状況だ。
こうした中での王大使の発言は、これまで主張してきた
「議長声明」ではなく「決議」という形式を受け入れる代わりに、
制裁決議案への支持を弱めるねらいがあるとみられる。

 王大使によると11日夕、「表現をゆるめた決議案なら受け入れる
用意がある」との意向を安保理のドラサブリエール議長(フランス国連大使)
に伝えた。ロシアも支持しているという。

 王大使は「提案国に受け入れが可能かどうか、(決議案の)修正案を示す」として、
制裁条項や強制行動につながる可能性のある国連憲章第7章への言及部分を削除し、
「(ミサイル発射は)国際平和と安全への脅威」という認定を取り消すことをあげた。

 焦点となっている中朝間の協議については「平壌での交渉が成功すれば、
安保理は何もする必要がなくなる。だが、たとえ交渉が成功しなくても、
安保理の行動は緊張を高めないようにしなければならない」と述べた。

 日米両国は、平壌での中朝交渉で結果が出なければ制裁決議を求める方針を決めており、
現段階では中国の提案を受け入れないとみられる。

 安倍官房長官は12日午前の記者会見で「我が国が提出した
安保理決議案の早期採決に向け、
米国を始めとする共同提案国と緊密に連携を図っている。
決議案を採択する方向で検討したい」と語り、
制裁決議案の採択を目指す方針に変わりがないことを強調した。

(朝日新聞 2006年07月12日17時39分)


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