開廷60年 東京裁判を知ってますか (5月2日付:朝日社説) 日本の戦争指導者を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)が開廷してから、3日でちょうど60年になる。 米国などの連合国が日本の侵略戦争を断罪し、政治家や軍部の責任を問うたこの裁判は、2年半に及んだ末、25人が有罪とされ、東条英機元首相ら7人が絞首刑になった。 この7人に加え、判決前の病死や服役中の獄死を含め、14人がのちに戦死者とともに靖国神社に合祀(ごうし)された。小泉首相の靖国参拝で議論になるA級戦犯とは、この裁判で裁かれた指導者のことだ。 ここ数年、首相の靖国参拝と絡めて裁判の正当性を問い直す声が出ている。 東京裁判に批判があるのは事実だ。後からつくられた「平和に対する罪」や「人道に対する罪」で裁くのはおかしいという指摘がある。原爆投下など連合国側の行為は問われず、判事団は連合国側だけで構成された。被告の選定基準はあいまいで恣意(しい)的だった。 一方、評価もある。日本軍による虐殺や関東軍の謀略などが裁判で初めて明るみに出た。ナチスを裁いたニュルンベルク裁判とともに、戦争というものを裁く国際法の流れの先駆けともなった。 こうした否定、肯定の評価が入り交じった東京裁判をどう受け止めるべきなのか。戦後に生きるわれわれにとって難しい問題であるのは間違いない。 はっきりしているのは、政治の場で裁判の正当性を問い、決着を蒸し返すことの現実感のなさである。 あの裁判は、戦後日本にとって二つの意味で線を引く政治決着だった。 国際的には、51年のサンフランシスコ平和条約で日本は東京裁判を受諾し、国際社会に復帰を果たした。平和条約は締約国の対日賠償を基本的に放棄することもうたい、それとセットで日本は連合国側の戦後処理を受け入れたのだ。 国内的には、A級戦犯に戦争責任を負わせることで、他の人を免責した。その中には、昭和天皇も含まれていた。 裁判は不当だという立場を貫くなら、あの戦後処理をやり直せと主張するに等しい。講和を再交渉し、米国をはじめ世界の国々との関係も土台から作り直す。そして戦争犯罪は自らの手で裁き直す。 こんなことが果たして可能なのだろうか。裁判の限界を歴史の問題として論じることはいい。だが、言葉をもてあそび、現実の政治と混同するのは責任ある政治家の態度とは思えない。裁判を否定したところで、日本の過去が免責されるわけでもない。 朝日新聞の最近の世論調査で、驚くような結果が出た。聞かれた人の7割、とくに20代の9割が東京裁判の内容を知らなかった。そして、東京裁判や戦争についての知識の少ない人ほど、今の靖国神社のあり方を是認する傾向がある。 歴史を知らずして、過去を判断はできない。まずは歴史と向き合うこと。東京裁判60年を機会に、改めてその重要性を考えたい。------------------------------(引用終了)---------------------------> 裁判は不当だという立場を貫くなら、>あの戦後処理をやり直せと主張するに等しい。「戦後処理をやり直せ」だなんて誰もそんなことは言っちゃいませんが。あまりにも論理を飛躍させすぎじゃないのかい。そもそも、戦後処理は東京裁判の結果行われたものですからね。東京裁判は不当だと思いますよ。自国民が戦争責任を追求するなら理解は出来ますが、連合国側による一方的な裁判で責任を負わされたのですから。A級戦犯 = 「平和に対する罪」として、当時の閣僚などを罰するために初めて作り出された概念であって、事後法であるとともに、当時からこの概念には批判の声が多く、インドのパール判事が無罪と主張したのは有名です。インド・パール判事の意見 日本が戦争にふみきったのは、侵略のためではなく、 「独断的な現状の維持」政策をとる西洋諸国によって挑発された為であり、 東京裁判は「正義の実現ではなく勝利者による復讐」である。 不当ではあるけど「判決」は受け入れざるを得ず、その後、戦犯は連合国の了解を得て名誉回復もなされていますしね。元A級戦犯で国政に返り咲いて国際社会で手腕を振るった人も居ます。A級戦犯で禁固刑になったあと短期で釈放された重光葵氏は、昭和29年に外務大臣(兼副総理)になって、各国と交渉しています。A級戦犯容疑者で釈放となった岸信介氏は、昭和32年に総理大臣(首相)となって、昭和35年には日米安全保障条約を結んでいます。 A級戦犯で終身刑になったあと釈放された賀屋興宣氏は、昭和38年に池田内閣の法務大臣となっています。これら元A級戦犯だった人が閣僚となったからといって、元A級戦犯という事を理由に海外から非難を受けたことはありません。(もちろん、今はギャーギャーうるさい中国や韓国からもね。) 当時はマスコミも戦争を煽りに煽りまくっていましたからね、そういうご時世だったから仕方なかったとはいえ、マスコミもあの戦争を総括して反省する必要があるのではないでしょうか。それを行わず、未だに戦犯とされる方々ばかりを攻めるのは、戦争を煽った後ろめたさと、自分たちも責任追求されぬように、「あいつが悪いんだー」とあえて声を荒げているのではと感じます。さて社説で触れている朝日新聞が驚いた世論調査です。東京裁判「知らぬ」7割、20代では9割 本社世論調査戦後の占領下、米国などの連合国が日本のA級戦犯を裁いた極東国際軍事裁判(東京裁判)の開廷から60年たち、この裁判の内容を知らない人が70%にのぼることが、朝日新聞社の世論調査でわかった。20代では90%を占める。知らない層ほど、靖国神社へのA級戦犯合祀(ごうし)に対する抵抗感は薄く、首相の靖国神社参拝についても反対が少なかった。一方、戦争の原因について日本人が自ら追及し、解明する努力がまだ不十分だと考える人は69%にのぼった。戦後、日本が国際社会に復帰するにあたって前提となった東京裁判の内容が、国民に継承されていないという事実は、60年を過ぎてなお戦争責任の空白が問われる現状を映し出しているともいえそうだ。 調査は4月15、16の両日、全国の有権者3000人を対象に面接方式で実施した。 東京裁判の内容について、「よく知っている」が4%、「ある程度知っている」が23%に対し、「裁判があったことは知っているが内容は知らない」53%、「裁判があったことも知らない」17%で、合わせて7割が「知らない」と答えた。 「知らない」は若年層ほど高く、「あったことも知らない」は、30代と40代で20%、20代では37%にのぼった。 「知っている」人に裁判の印象を聞くと、「問題はあったが、けじめをつけるために必要だった裁判」が48%と最も多く、「戦勝国が敗戦国を一方的に裁いた不当な裁判」34%、「戦争の責任者を裁いた正当な裁判」17%の順だった。 東京裁判で裁かれた東条英機元首相らA級戦犯が、一般の戦死者とともに靖国神社にまつられていることについて、「抵抗を感じる」は31%で、「感じない」は63%。 裁判の内容を「よく知っている」人では「感じる」が50%で、「感じない」46%を上回る一方、「裁判があったことも知らない」人では「感じる」が16%と少なく、「感じない」は75%にのぼる。「感じない」は若年層ほど高く、20代と30代では70%を超えた。 首相の靖国神社参拝については、賛成が50%、反対が31%だった。反対は、合祀に抵抗を「感じない」人で19%(賛成は62%)、「裁判があったことも知らない」人で21%(同52%)と少ない。 ----------------------------(引用終了)-----------------------------ウェブ版では省略されていますが、紙面では他にも質問と回答が載っています。●日本がおこなった戦争はどんな戦争だったと思いますか? 侵略戦争だったと思いますか。自衛戦争だったと思いますか。 それとも両方の面があると思いますか。・侵略戦争だった 31%・自衛戦争だった 7%・両方の面がある 45%・よく知らない 15%●日本は被害を与えた国や人々に対して、 謝罪や賠償を十分にしてきたと思いますか?・十分してきた 36%・まだ不十分だ 51%●首相の靖国参拝に賛成と答えたのは、どういう理由からですか?・戦死者の追悼になるから 53%・平和の誓いになるから 16%・首相にも思想・信条の自由があるから 19%・外国の批判を気にするべきではないから 10%●首相の靖国参拝に反対と答えたのは、どういう理由からですか?・軍国主義の美化になるから 10%・憲法が禁止する宗教的活動になるから 9%・A級戦犯がまつられているから 26%・周辺国への配慮が必要だから 51%●中国や韓国の靖国参拝批判を重く受け止めるべきだと思いますか?・重く受け止めるべきだ 41%・それほどのことではない 51%●過去の戦争で亡くなった人たちを国が追悼する施設として もっともふさわしいのは、次のうちどれだと思いますか?・いまのままの靖国神社 37%・A級戦犯を分祀した靖国神社 19%・国が管理する千鳥ケ淵の無名戦没者墓苑 15%・宗教とかかわりのない新たな国立追悼施設 19%・特に必要なし 6%●次の世代に過去の戦争で一番伝えたいことは?・戦時中の個人的な体験 15%・国民が被害を受けたこと 37%・周辺国に被害を与えたこと 13%・戦争の原因と指導者の責任 29%--------------------------------------------------------------------> 朝日新聞の最近の世論調査で、驚くような結果が出た。>聞かれた人の7割、とくに20代の9割が東京裁判の内容を知らなかった。まともに教えてないんだから、驚くも何も当たり前の結果でしょ。一番酷いとパターンだと、アメリカと日本が戦争したことさえ知らない若者が存在するのですから。大人だって、戦犯のA級B級C級の定義が項目分けではなく、罪の重さだと勘違いしている人が多く存在するのが現状だし。まぁ、教育で近代史に力を注ぎたくても、日教組などが自分の思想を植えつけるだけなので、ほとんど教えずに終わらせると町村外相(当時)もTVで言っていたように、05年8月15日 NHK総合『これからの、日本』第三部(22:30〜0:00)の中においての当時の外務大臣だった町村氏の発言。町村:なぜね、そのみなさん3学期の終わりにちょこっとね、近現代を学ぶのかとおっしゃった。それはまぁ一つはね、最初からまじめにやり過ぎているということはあるんですが、逆に近現代をやるためには先生の思想性が問われるから。で、日本の場合は教職員組合の人たちがどちらかというとマルクス・レーニン主義的な教え方をしたがる。教育委員会、文部省はそれは困るというと。したがって、だいたいあの、江戸時代の終わりでなんとなく終わるようにして、それで近現代は触らないと。これが暗黙の了解なんです。これは事実です。このように教えたくても教えられない状況なんですよね。また、ほとんどのマスコミも詳しく教えることをしませんしね。私だって、数年前までアンケートの若者と一緒で、東京裁判について詳しく知らず、書物やネットで勉強しましたから、多くの方も、そういった物から知識を吸収するしかありませんね。まぁ、東京裁判は知れば知るほど「不合理なんじゃないの?」という感想が生まれるので、日教組や一部メディアにしてみれば、知られたくないというのもあるのではないでしょうか?また朝日の記事だと「知らない人ほど合祀に抵抗感が薄く」と書かれていますが、 知らない人が詳しく知った場合に、合祀への抵抗感がどう変わるかは分からないのに、さも「知ったら合祀へ抵抗を感じるに違いないのに、今は知らないがために参拝に賛成しているのは無知」と言わんばかりの書き口は何なのでしょうか。また、靖国参拝の可否はアンケートにもあるように、東京裁判を知っているかどうかではなく、 戦争責任についてどう捉えるか、死者を祀る宗教観など、そう言うところが鍵になっているはずです。 まぁ、一番多いのが中韓が鬱陶しいからですが。東京裁判や靖国参拝の是非は、中韓の主張に乗せられてしまうことなく、日本人がもっと勉強し考えることだと思います。関連リンク:[東京裁判60年]「戦争責任糾明は国民自身の手で」(5月2日付:読売社説)DVD たかじんのそこまで言って委員会 SPECIAL EDITION I>東京裁判は正しかったのか? A級戦犯を裁き、>東京裁判を再検証せずして靖国問題を語るなかれ!オマケ:東京裁判を題材にした映画『プライド』で東条英機氏を演じた津川雅彦さんの言葉。 「戦後50数年、残虐な国民性を持った侵略国、 軍国主義日本と必要以上に左翼から辱められてきた 日本人は国を愛するという当たり前の心にまで萎縮をきたしてしまった。 故に日本の精神文化の要である「恥じ」と「誇り」の 美意識さえも失ってしまった。日本文化に無関心な国民が量産され、 西洋コンプレックスと共に茶髪のニセ毛糖が現出した。 こんな情けない民族は世界に類を見ない。」 ←と思う方はクリックをお願いします。↑エンピツ投票ボタンです。読んだら押してくださると嬉しいです。エンピツ時事/社会ランキング エンピツ総合投票ランキングMyエンピツ追加