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2005年12月01日(木) 完全な非武装中立国は存在しません。

「靖国は外交カードにならない」 中韓の反発に首相

昨日紹介した小泉首相の講演内容をより詳しく報道しています。

「靖国カード通用せず」首相講演 九条改正に積極姿勢

 小泉純一郎首相は三十日、自民党本部で講演し、
中国や韓国が首相の靖国神社参拝に反発していることに
「一人の国民として参拝している。なぜ中国、韓国から批判されるのか分からない」と
述べるとともに、「靖国問題は外交カードにならない」と強調した。
同時に「軍事力は必要だと思っている」と述べ、
憲法九条の改正が必要であるとの認識を示した。
 講演で首相は、「政策を展開する上で一番大事なのは平和だ」と指摘、
「軍事力がなければ他の国からあなどられたり、何をされるか分からない」として、
日本の安全保障上、軍事力保持は不可欠との認識を示した。
 その上で、戦力放棄をうたった現行の憲法九条二項について
「一般国民からみれば自衛隊は違憲じゃないかと議論される」と述べ、
憲法改正により国防を担う組織として自衛隊の位置づけを明確に
すべきだとの考えを強調。「公明党、民主党、多くの国民の協力を得て、
分かりやすい文章で基本的な枠組みを改めて考える」と述べ、
改正に積極姿勢をみせた。
 ただ、国際紛争を解決する手段としての武力行使を禁止する
同条一項に関しては「これは当然だ」として、
憲法を改正しても残しておくべきだとの考えを示した。
                  ◇
 【首相講演の要旨】

 軍事力を持つと戦争になるんじゃないかという考えがいまだに強いのも事実だが、
敗戦直後から日本に軍事力がなかった時代は一度もない。
日米安全保障条約や軍事力があるから戦争が起こるということではない。
むしろ軍事力がなかったら、侵略しようとする国や組織に侮られ、
その国の国民は抵抗しないと思われたら何をされるかわからない。
それを未然に防ぐために軍事力は必要だ。
 平和憲法の日本には軍事力がないと言っている人がいるが、そうではない。
日本は一国で日本の平和を確保できない。
日本への攻撃を自国への攻撃とみなす国は米国だ。
過去六十年間をみて、どの国を信頼し、同盟関係を結ぶかといったら米国以外ない。
 自民党の新憲法草案では、武力による威嚇、武力の行使を持って
国際紛争を解決する手段としないとしたことは当然で、自衛権は認められている。
自衛隊でも自衛軍でも国防軍でも、戦力のない組織で果たして
自衛できるのかということを常識で考えれば無理だ。
現行の憲法解釈は戦力に対し特別な意味を持たせ、
憲法九条は憲法違反ではないという解釈に政府も自民党も立っているが、
これを分かりやすい表現にした方がいいのではないかと長年思ってきた。
国の平和を守り、侵略勢力を阻止するためには、ある程度戦力を
持たないと無理だというのは極めて常識的な考え方。
非武装中立論者ほど無責任なものはない。
 靖国神社には、心ならずも戦場で命を落とさなければならなかった方の
尊い犠牲の上に日本の平和があることを忘れてはならないという気持ちで、
首相である小泉純一郎が一国民として参拝している。
なぜ日本国民から批判されるのか。
ましてや中国や韓国など外国から批判されるのは分からない。
どの国でも平和への祈りや戦没者への哀悼がある。
靖国問題は外交カードにはならない。
今の時期に一定の国との間に多少意見の違いや問題があっても、
長い目で見れば将来理解されると思っている。

-------------------------(引用終了)---------------------------

しかし、まぁなんですね〜。

こんな当たり前のことをわざわざ言わなくてはいけなくって、

それが報道されて、あーだこーだ言ってるのがおかしな話なんですが、

今日は、小泉首相の講演内容を元に日記を書きます。


>非武装中立論者ほど無責任なものはない。

まったくもってその通りでございます。

個人が「無防備宣言」や「非武装中立」だのと無責任な事を言っていて、

この先、万が一の事があっても、その手の方々は“信頼”を無くす以外、

何もありませんが、

国民の生命財産を守らなければいけない国家としては、

そんな無責任な事は言っていられません。

万が一の事態に備える必要があるのは当然の責務です。

非武装中立論者は以前なら、

非武装中立国としてスイスを例にしてあげていましたが、

そのスイスが実は世界有数の武装中立国であることがネットで暴かれたので、

(『スイス民間防衛』という本も日本で売れましたね。)

最近は、非武装中立国としてコスタリカを引っ張り出してきております。

ところが、このコスタリカもよ〜く調べてみると、

非武装永世中立を一応宣言してはいますが、

実態は親米・反共外交路線、中南米における集団安全保障体制も

兼ねるOAS(米州機構)に加盟、軍隊の代わりに持っている治安維持部隊は

人口比では自衛隊並みの規模と、政情不安定な中南米諸国の中にあって、

アメリカの政治・軍事的影響力を背景にしたたかな外交を駆使するという

別に取り立てて“非武装中立”なわけではありません。

ところが、コスタリカについて検索すると「非武装中立」を無批判で

賛美するページばかりがヒットし、ほとんど参考にもなりませんが、

このように完全な非武装の国などこの世に存在しないのです。

普通の国だったら左翼だって平和を守るのに軍隊が必要なことくらい理解しています。

ところが、日本の左翼は非武装で平和が保てると思ったり、

無防備になれば攻め込む国はないと本気で思っている人が多く存在しています。

また、非武装中立論者の人たちから、

万が一、攻め込まれた時、非武装中立でどうやって、

国民の生命と財産を守ることができるのかという

ある程度でも納得できる具体的な方法を一度も聞いた事がありません。

ところが、マスコミでも非現実な投稿ばかり載せる新聞社があったり、

政治家が、防衛や憲法に関して自分の主張を言えば、

「タカ派」だの「右傾化」だの「軍国主義の復活」だのと言われたりと、

こんな意見が幅を利かせているのは日本だけでしょう。

関連リンク:
ブログ『さくらの永田町通信さま』では講演内容をテキスト化されています。
11/30付「戦国武将、平和を語る」





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