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2002年09月12日(木) 0911ドキュメンタリー

昨日の日本TV系の0911ドキュメンタリーを

見た方も多いと思います。

ハイジャックされた飛行機に乗っていた

93便の乗客たちが人としての善意に突き動かされ、

テロリストに立ち向かい、

ワシントンが標的となるのを防いだ

再現映像には涙があふれ出ました。

そしてもう一つの貴重な映像は、

衝突があった世界貿易センタービルの内部で、

どのようなことが起こり、

その中で、消防士たちがいかに

消火活動やレスキューに専念したかというもので、

この映像は、一切の奇麗事なしにすべてを

包み隠さずありのままの姿で映し出しています。

これは、一人の新人消防士が成長するまでの過程を

ドキュメンタリーとして撮影していた時に、

たまたまテロに遭遇してし、映像に残されたものです。

このドキュメンタリーを見ていて気付いたのは、

あの日、あの時点では星条旗も出てこなければ、

消防士の過剰なヒーロー化もないし、

軍や軍人も出てこない。

アフガニスタンやアルカイダも、

オサマ・ビンラディンも出てこない。

大統領演説もない。

国歌も愛国歌も流れない。

「正義」という言葉も全く出てこない。

そこにあったものは、報復の原点でもなければ、

悪の枢軸論やイラク懲罰論など何も関係ないの世界。

消防士たちが、愛国心などに突き動かされず

使命として救助活動に専念する姿を見て、

これが0911の原点だったのだという思いが、心のなかに残りました。

だからこそ、のちに作られる「ヒロイズム」というものがいかに

人工的なものなのかが、よくわかります。

そして現在、世界を覆っている不安定な閉塞は

2001・09・11がもたらしたものではなということ。

政権が、社会が、メディアが、人々が、

複数ある選択肢のなかから、

最悪に近いかもしれないシナリオを選んだ結果なのだということ。

いつの間にか0911は口実にされていて、

そして、口実であることさえ忘れられようとしています。

その意味でも、「0911当日」という原点を確かめることのできる

この映像は、見た人たちの心の中に貴重な何かを残すことになるでしょう。

アメリカに住む人々だけではなく、全世界中の人々にとっても。

僕はこのビデオを永久保存します。




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名塚元哉 |←ホームページ