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2002年08月21日(水) 「頑張れ」という言葉について

★★natsuka.net 昨日の更新★★
(昨日書き忘れてました。)
gallery(ORIGNAL)にCGを1点追加しました。


エンピツ共同掲示板で

「頑張れ」という言葉について、

僕の説明不足もあったせいで、

ある方が、「声援を送らずに罵倒するのか?」と

嫌な気分になり憤慨した発言もあり申し訳ないと思っています。

そこで、僕なりの考察を書いてみようと思います。

最初に断っておきますが、

掲示板で言いたかったことは、

何かにチャレンジする人を批判しているのではなく、

何も考えずにとりあえず、「頑張って」と声援を送る

人たちに対してもうちょっと気の利いた一言も

かけれないのだろうかということです。

「頑張れ」は日本でもっとも頻繁に使う激励の言葉でしょう。

頑張れという言葉は曖昧で、非常に便利で、

また英訳するのが簡単ではありません。

(通訳が一番困る言葉が「頑張ってください。」だそうです。)

頑張るという言葉には多様なニュアンスが含まれています。

「がむしゃらに」 「耐える」 「ベストを尽くす」 「集中する」

「結果を出す」 「あきらめない」 「努力する」 「死にものぐるい」

思いつくだけで、これだけの意味が

「頑張れ」という言葉の中に含まれています。

しかし、頑張れという言葉の中には、

「リラックスする」 「楽しむ」といった重要な言葉は含まれていません。

なぜなんでしょうか?

また、スポーツ選手や、何かにチャレンジする人に対して、

「頑張れ」と一言だけ言えばいいと思っている人も多いのではないでしょうか。

そう、大抵の人が居酒屋に行った時に特に何も考えずに言ってしまう

「とりあえずビール」のように、無意識に口からでるセリフです。

「頑張れ」と声をかけた人は、選手に何を望んでいるんでしょうか。

勝利でしょうか。自己ベストでしょうか。

僕は、「頑張って」という曖昧な声援は

言うのも言われるのも嫌いなので、

直接会った場合やメールなどで、

スポーツ選手にメッセージを送る場合は、

あれこれ考えて、その選手がもっとも必要としている言葉を選び、

それを声援のメッセージとして送ります。

そのほうが、心がこもっていて選手の記憶に残ると信じているからです。


また「頑張って」は便利な言葉ですが、使えない場合も多々あります。

うつ病患者には、「頑張って」という言葉は禁句です。

励ますと、プレッシャーとなり

うつ症状が悪化し自殺する方もいるからです。

また、リハビリ中の患者さんや、

リハビリをサポートする家族に対しても使うべき言葉ではありません。

そして、事件や事故、病気などで、子供や身内を失った遺族に対しては、

気軽に言うべき言葉ではないでしょう。

遺族の方々へのアンケートではこの言葉がもっとも辛いと言われます。

そして、僕のような障害者にたいしても、

見知らぬ人は、よく「頑張ってね」と声をかけてこられます。

障害者は、日常生活で多少の不便や

苦手とすることは数限りなくありますが、

自分なりに努力し工夫して生活をしています。

障害者にとってはそれが「普通」なのですが、

周囲からは辛そうに見えてしまうのかもしれません。

障害者にたいしては、「頑張って」というより

「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけるほうが

適切だと思われます。

僕の場合は、「頑張ってね」と言われると

「頑張った様です。」と言い返すようにしていますが(笑)

24時間テレビにおいては、その日その場だけご奉仕をすれば良しとする

日本人特有の場当たり主義的精神が嫌いなだけです。

あれを見て感動したのなら、

1年間募金を貯める以外に、何でも構わないので充実感を感じるような

奉仕活動をしてほしいと思います。

あの番組で、“奉仕活動はあたりまえ”という習慣性が確立されればいいと

思っていましたが、残念ながら25回放送しても

その考え方は一向に根ざさないようです。

本当はあの番組が必要でないくらい、

皆さんが当たり前に障害者に接したり、

自然にボランティア活動に取り組めるのが理想なんですよね。

それが、もっとも人間らしく、そして日本の目指すべき

バリアフリーの真の姿だと思います。





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