やはり、日本のテコンドー選手は、この秋のアジア大会には参加できなくなってしまった。テコンドー連盟を仕切る上層部が、テコンドー好きではないためにこの悲劇は生まれてしまった。彼らはテコンドーよりも、会長や役員の肩書きだけを守りたかったのだ。しかし、この肩書きもあくまで連盟内という閉鎖的な共同体の中でだけ通用する肩書きだ。日本は、「個人が何をしたか」より「肩書き」という非常に曖昧なモノが大好きだ。そんな上に立つもののエゴのために、スポーツの世界においての弱者である、そこに所属する選手、監督、コーチやそのスポーツやチームを応援するファンの人たちが影響を受けるのである。はたして、ここまでの事態を起こして連盟はどんな利益を期待できるのだろう。今までにも、制裁行為で世界大会に出場できない国はあった。人種隔離政策をとっていた南アはずいぶん長い年月国際試合から締め出されていたし、新ユーゴはボスニア紛争のためにFIFAから制裁を受け、94年のW杯、96年の欧州選手権などからボイコットされた。しかし、今までの事態と今回の件はまったく違う。あちらが政治的理由なら、今回の日本テコンドー連盟が引き起こした一連の騒動の原因は、内部分裂という極めて幼稚なもので、そんなことで選手の皆さんは大会に参加できないのだ。大会不参加でのコストを払うのは誰か。大会に出場できなくなる選手、その家族である。組織は個人を守ってくれない。組織内で、ほんのちょっとのプライドを貰った上層部の人間があれやこれやの言い訳で自分を正当化しようとし、選手の皆さんやその家族はこの閉鎖的で利己主義な組織と戦うしかない。連盟が今回残した汚名を挽回するのは極めて困難だろう。 ↑投票ボタンです。押してくれればやる気が出て日記更新します。←今日の空はどうなの?