東京女子医大病院の医療ミスは、二人の医師の逮捕という事態になった。どうして日本の組織はトラブルを隠蔽しようとするのだろうか。彼らはどうしてこれだけのリスクを侵してまでもミスを隠蔽しようとしたのだろうか。内部で起こったトラブルを隠そうとするのは、日本的な組織の特徴のひとつでもあります。厚生労働省の調査によると、大学病院など高度医療を提供する全国八十二の特定機能病院で、各病院内の安全管理委員会に報告された医療事故は過去2年間に約1万5千件に上ったという。このうち387件は、患者が死亡するなどの重大事故だった。主な医療ミスは、患者を取り違えての輸血ミスはじめ薬剤の過剰な投与、手術する頭部や足の左右を間違える信じがたいケースもある。最も多かったのは、手術に際してガーゼやチューブなどを患者の体内に取り残した事故だという。医療事故の報告基準が各病院によって異なることもあって、件数の極端に多い病院と少ない病院があったが、驚くべき数字はこれだけではない。事故につながりかねないニアミスも、この2年間に医療事故の10倍以上に相当する約18万6千件もあったという。医療事故の発生は特定機能病院だけの問題ではなく、調査の対象にはならなかった一般の病院を足すとどれぐらいの数字になるのか。発表された数字は氷山の一角にすぎないと思うと恐ろしい。あってはならないミスや不注意が後を絶たない医療事故の中身は、国立医療機関への信頼を大きく損なうものと言わざるを得ない。こうした事故が後を絶たないのは、未熟な研修医の存在、医師など医療現場で働く人たちの不足、それによって生じる過労など、さまざまな原因が指摘されている大切なのは医療事故が起きたとき、隠蔽するのではなくて、真っ先に患者や家族へ包み隠さず説明し率直に詫びることでしょう。その上で全力を挙げて原因を突き止め、悲劇を二度と起こさないための教訓として生かすことである。医療の透明性を確保するためには、カルテを含めた情報開示の徹底も必須だ。先進的な医療機関では自主的にカルテ、検査資料や看護記録を提示、複数の治療方法を提案したりと患者と共に病気と闘うなど“良い医療”を実践している。また、ミスを防ぐための医療体制、マニュアルづくりに努めている。今医療機関に求められているのは、医師の倫理を向上させるとともに、患者との信頼関係を築くことである。積極的に診療記録を開示するなど、患者に、病気や手術について十分に説明し同意を得るインフォームドコンセントは一層重要となる。事故が起きた場合の対策も忘れてはならない。今回の逮捕をきっかけとして、医療機関は、これまで以上にミスを減らす真剣な取り組みと医療事故の公表をその一歩にしてほしいと思う。実は、この僕も医療ミスを経験した一人です。15年ほど前の手術の時、体内にガーゼを取り残すというミスがあった。術後すぐのレントゲンで、異物が映っているのが発見され、家族の了解を得て、すぐに摘出手術をしました。その後、他の方の話で、ガーゼはレントゲンには映らないと聞かされました。はたして、あの時僕の体の中に残された物は「本当は」なんだったのか?今考えると、空恐ろしいことです。 ↑投票ボタンです。押してくれればやる気が出て日記更新します。←今日の空はどうなの?