娘と一緒に散歩に出掛けたら近所の児童公園の椿が満開だった。
今の家に引っ越してきて4年。娘が生まれてからはお世話になりっぱなしの児童公園なのに、椿の花があっただなんて今までちっとも知らなかった。昨年は今以上に育児に対する余裕が無かったから、椿の花の存在に気付かなかったのだろうか? 椿の花は昨日の雨で潔く花を落としていて、見事な赤い花が「私を見て!」とばかりに堂々と散らばっていた。
はらりはらりと花弁を散らす桜の花も良いけれど、盛りを過ぎたとたん「ぼとん」と潔く花を落とす椿も素敵なものだ。
児童公園は地面も遊具も濡れていて、娘は長靴で水たまりをバチャバチャしながら歩いていたのだけれど、椿の花を見つけて「バラの花と同じ!」と大喜び。「あれはバラに似てるけど椿って名前のお花だよ」と教えると、娘はイマイチ納得のいかない風ではあったけれど、椿の花で遊びはじめた。木製ベンチの上に椿の花を積み上げて赤い山を作ったり、一直線に並べてみたり。果ては椿の花を家族に見立てて、ごっこ遊びをしていた。3人家族の椿で電車に乗って遊びに行く…という物語。娘はまだ純粋に花を愛でるよりも、玩具として楽しむ方が面白いらしい。
満開の花も良いけれど、散り初めの花や散ってしまった花に魅かれてしまうのはどうした物だろう。私には雨に濡れて地面に散らばった椿の花が、木にあって誇らしく咲いている椿の花よりもずっと美しく思われた。これは若い頃には無かった感覚だと思う。20代の頃の私なら同じ光景を見ても「あ〜。雨に濡れて汚いなぁ。触らないでおこう…」なんて思っていただろう。自分自身のこういう変化って、ちょっと面白い。
椿が散って、梅が散って……私の大好きな白い木蓮の花が咲くのもあと少し。その「もう少し」が待ち遠しくてならない。そう言えば白い木蓮も散り際や散ったところが美しい……とは言うものの、咲いてくれないとお話にならない訳で、まずは花が咲くのを楽しみに……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。
左から満開の椿。椿の山。そして一直線に並んだ椿。写真で見るとカーネーションのように見えますなぁ。