手紙が届くあてなど無いのに郵便屋さんが来るとドキドキしてしまう。
ネットが普及する前は趣味の友人と文通をしていたことがあるのだけれど、今はその彼女ともメールでやりとりするようになっている。もともと手紙好きなのでPCや携帯電話でメールをするようになっても、季節ごとに葉書を送ったり「ここ1番」と言うような大切な話がある時はペンを取ることもあるけれど、そう頻繁に手紙や葉書を書かなくなっている。
自分が書かないのだから手紙が届かないのは当たり前なのに、郵便屋さんが立ち去った後、ポストに入っているのがダイレクトメールや請求書だけだったり、あるいは何も入っていなかったりするとがっかりする。
春になってポカポカと暖かくなってくると無性に「お手紙が届かないかなぁ」と思ってしまう。たぶん大好きな絵本…アーノルド・ローベルの『おてがみ』の影響だろう。仲良し2人が肩を並べてお手紙を待っているあの場面は春の陽だまりの中じゃないかと思うのだ。作品の中に季節をほのめかす文章は無いのだけれど、あれは、とある春の日の出来事のような気がしてならないのだ。
昨日は友人から葉書が1枚届いた。今日は何も届かなかった。
桜の咲くこの素晴らしい季節になるとポストの前でボンヤリとお手紙を待っていたいような心持になる。現実はそうボンヤリもしている訳にはいかず、しかしそれでも郵便屋さんがくると「あっ」っと身構えてしまう。
娘がアーノルド・ローベルの絵本を読むようになるのは、まだ少し先の話だけれど、いつか暖かい春の日に娘と一緒にあの絵本を読みたいものだ。そして出来ることなら娘にもお手紙の楽しさを伝えられたらなぁ……なんて事を思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。