誰しも1つや2つくらい「墓場まで持っていかなくちゃならない秘密」ってのがあるのだろうけど、どんな気持ちで秘密を飼っているんだろう……てなことを思った。何か事件があって、そう思った訳ではなくて、桐野夏生の『玉蘭』を読んでいたら、死んだ人の日記云々のくだりがあったので、なんとなくそんな方向に思考が向いてしまったらしい。
私は凡庸で生温い人生を送って、しかもスッキリ・サッパリな性質なものだから、ドラマティックな隠し玉など持ってはいないが、それでもやはり「墓場まで持っていかなくちゃならない秘密」ってのは、それなりにある。
小説やドラマなんかだと、まるで後出しジャンケンのように、秘密をほのめかしたり、バラしてしまったりする。「そりゃぁ反則だろう」と思ったりもするのだが作り事の世界では、そうでもしないと受け手に表現が伝わらないので、それは仕方の無い話。だけど、現実世界に生きる人は実際のところ、どうなんだろう。ひっそりと秘密を胸に秘めたまま、こっそり死んでしまったりするのだろうか。
私は虚構の世界に生きているのではないので、墓場まで持っていかなくちゃならない秘密は、ちゃんと持って行こうとは思っているのだが。
今日は、そんなツマラナイことを考えながら帰宅した。「台風の恵み」なんて言葉を使うとバチ当たりだが、今日は台風のおかげで定時上がり。もっとも、台風警戒のため現場が動かず、早く帰れる状態ではあったのだけれど。せっかく早く帰宅出来たのだし、ゆっくりお風呂に入って、ビールでも飲むかな……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。