職場で人物評をしている際「あの人は、いい人だよ。だって面白いから」ってな言葉を聞いた瞬間、脳内がハテナマークに占拠されてしまった。なにも「いい人」と評された人の人柄に疑問をいだいた訳ぢゃない。「面白い人=いい人」という図式に疑問を持ったのだ。
つらつらと思うに最近(←昔のことを覚えちゃいないだけなんだが)やたらと「面白い」ばかりがスポットライトを浴び過ぎちゃいないか? 面白い人というのは「個性があって魅力的な人」という意味ではなく「明るくて、人を笑わせるのに長けている人」という意味である。「誠実」だとか「真面目」だとかを抜いて、ダントツで「面白い」がリードしているように思う。
面白いコンプレックス……のような気がする。むしろ単純に人間の表層に振り回されていると言うべきか。
TVで人を笑わせる仕事をする芸人さんに「ぢつは暗い」人が多かったり、鬱で苦しんでいる人が以外と多いのは周知のことだし、寡黙だが、ひっそりと人を笑わせてくれる人だっている。なのに、どうしても表立って「明るい」ということにスポットが当てられてしまうのだな。女性に男性の好みを聞いてみると、かなりの確立で「明るい人」「楽しい人」「面白い人」って答えが返ってくるし。
なにも私は「面白い」のが良いことだって風潮を否定いている訳ぢゃない。人の気持ちを明るくさせるのって素晴らしいことだと思うし。だが、しかし。噛めば噛むほど味が出るスルメのような人や、じんわりと湯や水に漬けているだけで何時の間にか味が染み出ているダシ昆布のような人ってのも、いいんぢゃないかな……と思ったりするのだ。
面白かったり、調子が良かったりするだけが美徳じゃないぜ!
……なんてことを声高に、こっそり叫んでみたところで今日の日記はこれにてオシマイ。