白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2003年07月24日(木) 締め上げる愛。

仕事帰りに『北京バイオリン』って映画を観てきた。私が大好きな映画である『リトルダンサー』の中国版という触れ込みだったので、ものすごく期待していたのだけれど、まったくもって私の好みではなかった。「面白くなかった」のではなくて「好みではなかった」のである。映画としては、そこそこの出来だと思ったのだけれど。今日は、ちょっとネタバレっぽいことも書くので、観ようと思っている方はご注意くださいませ。

天才少年と周囲の人々の物語……という点においては『リトルダンサー』とまったく設定が同じだったのだが、主人公の少年が持つ音楽への愛や、バイオリンへの情熱があまり伝わったこなかった上に、何よりも主人公と父親の関係がイマイチ好きになれなかったのだ。主人公の父親は愚かしいまでに息子を愛していて、その不器用な愛に胸が熱くなることもあったが、そのあり様が私には受け入れ難かったのだ。相手を締め上げるような愛と言うのだろうか。その思いが一途であるのは分かるけれど、相手を締め上げて鬱血死させかねないような愛しかたで、正直なところゴメンこうむりたい感じだった。

主人公の父親以外にも、ひょんなことから親しくなった独身の若い女性だの、バイオリンの師匠だの個性の光る人物が登場するのだけれど、どうしたものか彼らは共通して「締め上げる愛」の持ち主だった。どんなに純粋でも一途でも、あれではダメなんぢゃないかなぁ。とことん人を愛してしまったら、そう上手いこと感情をコントロールするのは無理だと思うし、小起用な愛というのも、それはそれで嫌な感じだが何か違うような気がしたのだ。なんとなく全編を通して「愛の物語」というよりも「恋の物語」に近いような印象を受けた。ただひたすらに感情のまま突き進んでいく暴走した感情というか。

愛というのは摩訶不思議な存在だなぁ……

ラストの締めくくり方もイマイチ納得のいかない感じ。あれだけの才能の持ち主だったら、何がどうあっても世に出て行くだろうと思う反面、いやいや世の中そんなに甘くないよ…と思ったりもした。結果的にどうなるかは誰にも分からないのだろうけれど。何かにつけて不満の残る作品だったなぁ。

ま。とにかく。久しぶりに映画を観ることができたのは良かった。面白いとか面白くないとかという次元ではなくて、ザクッと現実から離れることができるトリップ感が良いのだ。今日は映画も観たことだし、明日も頑張って働こう……ってことで今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2002年07月24日(水) 体温よりも高かったってね。

白蓮 |MAILHP