白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年08月22日(木) 事実を知って軽〜くのけぞる。

今日は愚弟の診察&検査日だった。
定期的にリハビリだの診察だのはしているのだけれども
今日は、主治医と少しばかり込み入った話をしたそうな。
春先に愚弟が自家移植した神経は順調に育っているらしい。
治療が完成すれば7割がたの機能が戻ってくるという話も
実感として感じられるのは非常に嬉しい。

愚弟が事故にあったのは7月13日のことだったから
療養生活に入って、すでに1年以上が過ぎた訳である。
なんだかんだ言っても、頑張ってきただけの成果はあるということだ。

愚弟は、主治医に治療の予定をあらためて聞いてみたそうな。
義指を作って、治療が完了するのは、いつぐらいになるのかと。
次の手術が9月〜10月に予定していて
さらに、もう1度、手術をしなければならないとなると
やはり先行きの目途というものは知りたいってのが人情である。

そして主治医は言ったとさ。
来年の春頃になる……と。

私は帰宅して愚弟から、その話を聞いて、軽〜く、のけぞってしまった。
春ってか? 萌え出ずる春になりにけるかも…ってか?
先日、あと2回手術をしなければならないと知った時
なにやら嫌〜な予感がしていたので、さほどショックではなかったのだが
なんとなく騙まし討ちに遭ったような気がした。

思えば……去年の7月末だったか、8月の初旬だったかに
指を残すなら1年の治療。切断するなら、すぐ終わるけれどどうしますか?
という選択を迫られた時に「1年」という覚悟はできていたのだが
まぁ、それが、半年ばかり伸びたって訳で
ど〜こ〜騒ぐような問題ぢゃないのだが
「そんなに長引くなら、もっと早く教えてくれよ」と思ったり。

だが、よくよく考えてみれば
愚弟の治療が完了するのが来年の春だってことを知っていたらば
私は、この秋に仕事を辞める決意をしなかっただろうと思う。
「仕事しんどい」「通勤キツイ」と愚痴りながらも
とりあえず愚弟の治療の目途が立つまで、頑張っていたように思う。
少なくとも、もう次の契約更新のハンコは押していただろう。
そう思えば、今、知ったのは良かったのかも知れない。

親しい友人達に「9月末で仕事を辞める」と言ったらば
今まで頑張ってきたんだし、ゆっくり休みなよ〜〜
一家の大黒柱も、そろそろ返上させてもららなきゃね♪
……とて、温かい祝福の言葉をもらったものだが
大黒柱返上の儀は、来年の春までお預けになってしまったようだ。
こうなってくると、落ち込むとか、ブルーになるというよりも
1年も、1年半も、変わりゃしないや…ってな気分である。
とりあえず、仕事を辞めたら派手に遊ぼう。
……で、もって半年先まで頑張るエネルギーを貯蔵するのだ。

楽しみは後に取っておくって方向で
今日の日記は、これにてオシマイ。


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