白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2002年06月05日(水) 梅酒を作る。

休日の今日、梅酒を作った。

昨年作った梅酒が上出来だったので今年は張り切って2瓶ばかり。
1つは定番のホワイト・リカー漬け。
1つは趣向を変えてブランデー漬け。
梅雨を前にした楽しい行事……って感じである。

2キロばかりの青梅を、丁寧に洗ってヘタを取って
水気を飛ばして、竹串でブスブスと穴をあけて
青梅と氷砂糖とアルコール類を瓶に入れたら出来上がり。
あとは、熟成するのを、待つぺし。待つべし。待つべし。

「いい匂い」のする単純作業ってのは精神的に良いような気がする。
「香りの効果」ってほど大げさなものぢゃないけれど
匂いを嗅ぎながら、ニマニマと考え事をするのはなかなか楽しい。
うんざりするほど単純作業が多かったであろう昔の人の生活は
単調で刺激は無かったろうが、今よりゆったりしていたかも知れないなぁ
……なんてことを思ったりした。

ちなみに今日は梅酒を作るのには、もってこいの良い天気だった。
秋頃には、きっと美味しい梅酒が出来ていることだろう。

「梅酒」を作っていると、ついぞ思い出されるのは
高村光太郎の『智恵子抄』に収録されている一篇の詩。
亡き妻が生前漬けた、琥珀色の梅酒になぞらえて
妻のことを書いていた詩があったなぁ……とか、なんとか。

一般的に年代物の梅酒は美味しいと言われるけれど
私は「ほどほど」に浸かった梅酒の方が好きだったりする。
以前、年代物の梅酒をいただいたことがあるのだが
たしかに「まったり」して「まろやか」ではあったが
どこか重苦しいような味で、ちょっと胸につかえるような気がしたのだ。
我が家の場合は梅酒が「年代物」と呼ばれるまでに消費されてしまうので
よほど戴き物でもないかぎり「年代物」を飲むことはないのだけれど。
今年は2瓶漬けたので、少しは長持ちするだろうか?

ホワイト・リカーとブランデーに浸かっている青梅は
今のところ「浸かってる青梅」に過ぎないが
これからしばらく、変化していくのが楽しみである。
氷砂糖が溶けていく過程とか、お酒の色が変わっていく過程とか。
しばらくは毎日様子をうかがうのだが、そのうちにだんだん飽きてきて
見向きもしなくなった時、梅酒は飲み頃を迎えているはず。

梅酒が完成する日を楽しみにしながら
今日の日記は、これにてオシマイ。


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