今朝は夢見が悪かったので、通勤電車で本を読みませんでした。
ノリの悪い時はボーッと景色を見るのか良いようで。
私が毎日使っている路線は……
かの文豪、谷崎潤一郎がこよなく愛したという路線だったりします。
大阪から奈良へ向かって走る電車から見える景色は
彼の人が愛した、それとは違っているとは思いますが
それでも、まだまだ鄙びた風情が残っていたりするのです。
途中に「無人駅」があるくらい、人口密度は低いです。
電車の座席だって……
ボックス型のものが混じっていたりするのです。
とうぜんですが通勤ラッシュなんかはありませんから
相当のどかです。毎日が小旅行気分。
あいにくと今日はお天気が良くありませんでした。
薄曇りの空はドヨドヨと、今にも泣き出しそうでした。
だけど、山の緑は露に濡れてビンピンに元気そうだったので
「もう初夏だなぁ」などと思いながら
ガタゴト揺られていましたら……
ボックス席の隣に座っていた婆様が話し掛けてこられました。
なんでも婆様ったら、途中の駅で傘をなくされたのだそうで。
「降りる駅で尋ねてみたらどうですか?」と申し上げたらば
「娘の住んでいる駅はバスが少なくてねぇ」とて
ちょっぴりトンチンカンな答えが帰ってきました。
まぁ。いいです。雨は降っていませんでしたし。
婆様と喋ること20分……
……と言うか婆様が1人で語っていたのですが。
降車駅で「それでは気を付けて」なんて言い合って、お別れしました。
婆様は別れ際、私にハッカ飴を1つ握らせてくれました。
仕事中に婆様からいただいたハッカ飴を食べました。
なんとなく懐かしい味でした。
それにしても……通勤電車で見知らぬ人から飴をいただくなんて
田舎通勤も捨てたものではないなぁ…と思いました。
つらつらと朝の光景を書き記してみたところで
今日の日記は、これにてオシマイなのでした。