白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2002年04月08日(月) その筋の取り立て屋。

私が暮らしている長屋近辺で昨日は騒動があったらしい。
正確に言うと「長屋近辺」ではなくて「うちの隣」なのだけれども。
仕事から帰宅した私に、乙女な母は落ち着かない様子で
その騒動の仔細を語ってくれた。

お隣のお宅に「その筋の取立て屋」が来て大騒ぎしたそうなのだ。
「あぁ。やっぱりか…」と思った。
(注) 「その筋」とは道を極めてしまった人…すなわち極道のこと。
    平たく表現すると「やくざ」って感じ。

ぢつは先日も不審な2人組の男が長屋の住人に
お隣のことについて、根掘り葉掘り聞き込みをしていたのだ。
どうやら、お隣のご主人は借金を残して失踪してしまったらしい……
最近、姿が見えないとは思っていたけれども
本当に居なくなっていたとは思ってもいなかった。

乙女な母は動揺を隠しきれないようだったので
「その筋の人は付近の住人に手出ししたりしないから大丈夫」
などと、それこそ安物のドラマみたい安直な説明を繰り出して
「それにしても、お隣の奥さん、大変だよね」と溜め息をついた。

お隣は、3人いる子供さんも社会人になっていて
「これからは楽ができますね」ってな年代の方なのに
しかも商売をされている訳でもなく、手堅いお勤め人でいらしたのに
どうして借金など作ってしまったのか……
それにつけても、妻子を残してトンズラこくって、どうよ?
↑もしかすると妻子承諾の上での失踪かも知れないのだが。
他人不幸を詮索するのは趣味が良くないと思うのだけれど
ちょっとだけ気になってしまった。

我が家は、今でこそ借金のない生活をしているけれども
父の商売がひっくり返ってしまった時に
「借金返済」の経験はしているので他人事とは思えない。
幸いにも「その筋の人」からの悪質な取立ては未体験なのだが
もしも手形が「その筋」に流れちゃったりなんかしていたら
とてもぢゃないが、今のように暢気に暮らしていられなかっただろう。

公的な相談機関などを利用して
解決策を探した方が良いのではないだろうか?
お隣の奥さんのお給料で返せる範囲の借金なら
こうなる前に、返済しておられるだろうし
取立て屋が嫌がらせをする段階まできているとなると
そこそこ切羽詰まっておられるのだろうし。
時代劇の世界ぢゃあるまいし、何某かの突破口はあると思うのだが。

まったくもって「大きなお世話」的な発想なのだけれども
あ〜だ、こ〜だと、色々考えてしまった。
おそらくお隣とて、色々と考えておられるとは思うのだけれど。
それにしても「その筋の人」に近所で騒ぎ立てられたら
さぞかし肩身が狭いだろうなぁ……

お隣さんが、早いこと落ち着いたらいいのになぁ……
とか、なんとか思いつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。


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