その日、乙女な母はいつになく大興奮していた。
いったい何があったのかとたずねたところ
弟と同い年(24歳)になる従姉弟が結婚を決意したのだとか。
男性の24歳となると、まだ少し若い気もするけれど
早すぎるという訳ではないし、メデタイことだと私は思ったが
従姉弟の結婚はどうや家族から祝福されていないらしく
その事について乙女な母は興奮していたのだった。
乙女な母は「結婚が反対されている理由」を当ててみろと私に言った。
結婚なんて当人同士が良ければ、それでイイんぢゃない?
……と私は思っているのだけれど
とりあえず世間的に「反対されがち」な理由をいくつか考えた。
出来ちゃった結婚とか?
彼女の方が従姉弟より、ひと回り以上年上とか?
彼女ってば子供を3人くらい連れているとか?
外国人で、まったく言葉が通じないとか?
しかし私の予想は、まったくカスリもしなかった。
そして私には、それ以外に「反対する理由」なんて思いもつかず
乙女な母から経緯を聞くことに。
なんでもお相手の娘さんは、従姉弟とは高校時代からのお付き合い。
彼女は母子家庭で苦労して育ってきたそうな。
母上が脳腫瘍で余命いくばくもなく寝たきりで
彼女が付きっきりで介護にあたっているらしい。
彼女と母上の生活は、先に嫁いだ姉と
母上の恋人(独身男性。母上とは別居)の援助で成り立っているらしく
従姉弟と、彼女のデートは、もっぱら従姉弟が彼女の家へ通っていたとか。
どうも従姉弟の家では「母子家庭」「病気の母」「母に恋人がいる」
……というあたりが気に食わないようなのだ。
私にしてみれぱ「なんで?」としか言いようがない。
むしろ私なら彼女の母上がご存命のあいだに
娘の花嫁姿を見せてあげたいと思うのだが……
どうも従姉弟の家では、歓迎されない結婚のようだ。
自分の従姉弟のことをコキ下ろすのは、どうかと思うのだけれど
従姉弟は、ちょっとチャラチャラしたところのある子で
本命の彼女以外にも熱心に「つまみ食い」なんかしちゃう子なので
私はてっきり、適当な年齢まで遊ぶだけ遊んで
遊んだ娘の中から、条件の良い娘と結婚するんだろ〜なぁ〜
……などと勝手に思っていたので、今回の結婚話で
「あんがいイイとこあるなぁ」とて従姉弟を見直してしまった。
まだ遊びたい盛りの今、結婚を決断したのは大したもんだと思う。
それにつけても叔父夫婦の反対理由はイヤな感じだ。
見栄や世間体ってのもあるだろうが
若くして親の介護ができる娘と息子が結婚したならば
自分達だって安心して老後を送れると思うんだが……
立派に成長した息子の男気を誉めてやれんのか。おい??
従姉弟には頑張ってもらいたいななぁ〜と思う。
少なくとも、私と、乙女な母と、愚弟は従姉弟の応援団だ。
愚弟が退院したら、若者だけで飲みにでも行きたいと思う。
その時は散々、冷やかしてやりたい。
頑張れ。男だぜ。格好イイぜ。ヒュー・ヒューだぜ!!
従姉弟へ熱いエールを送ってみたところで
今日の日記はこれにてオシマイ。