白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2001年11月06日(火) 王子様は白馬に乗って。

隣りで仕事をしていたCADオペレーターの相棒が唐突に呟いた。

「あのさぁ〜白馬に乗った王子様が現れてさぁ〜」

横を見ると彼女は「遠い目」をしていた。
私も思わず「遠い目」になってしまった。
「白馬に乗った王子様」なんてフレーズは文章で読むことはあっても
直接、人の口から聞いたのは10年ぶりくらいだ。

「で、白馬に乗った王子様が、なに?」との私の問いに相棒は続けた。
「お嬢さん。もうこんな仕事はやめて私と一緒に行きましょう・・・って言うねん」
相棒の目は見事なまでに、すわっていた。
アルコールも飲んでいないのに。

「私、コーヒー入れてくるから休憩しよ。な?」

私は仕事の手を止めてクリープを山盛り入れたコーヒーを入れ
明治製菓の『ガルボ』机の引出しから出動させた。

「あ〜〜。もぅ。仕事するの嫌やぁ〜〜〜」

コーヒーを飲みながら相棒は言った。
そうだよね。やっぱり「ナチュラル・ハイ」とか
「逆ギレ」状態だったんだよね。
そうでなければ「白馬に乗った王子様」なんてフレーズ出てこないよね。
29歳の私と、31歳の相棒はガルボを齧りながら溜め息をついた。
仕事、キツ過ぎるんだよねぇ。
山積みになった図面を片付けてくれるんだったら私・・・

「白馬に乗った王子様」でも
「ラクダに乗ったエジプト商人」でも
「象に乗ったマハラジャ」でも
「ハーレー・ダヴィッドソンに乗ったオヤヂ」でも
「ライオンに乗ったアマゾネス」でも

ついて行っちゃうかも知れない。
マジで。
そんな、つまんない想像をして、心の中で「ぶふふっ」と笑ったら
ちょっと肩が軽くなったような気がした。


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