白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2001年10月09日(火) 妖怪人間ベム・・・ではないが

私の弟は指が3本しかない。
それも「妖怪デビュー」したのは今年の夏だった。
仕事中の事故で、左手の親指と人差し指を切断してしまったのだ。

「妖怪人間ベム」の3人は
自分達の手に指が5本しかついていないことで
非常に苦しい思いをしていたが
私の弟も同じ道を行く者となってしまった。

やれやれ。

古き良きアニメ作品など、引き合いに出して茶化しているが
実際はかなり大変な出来事だった。

あるべきものが、そこに無い。
直面するには重過ぎる現実。

もちろん悲観して死んでしまうほどのものであるはずもなく
毎日は普通に過ぎていくのだし
弟自身も、自分の心とそれなりに折り合いを付けて暮らしている。

「障害なんて、なんのその。人間、頑張ればなんだってできる」

口にするのは容易いが、実行するのは相当キツイ。
けれど……
癒しの風が吹かずとも、それでも進むしかないだろう。

自らの心の赴くまま、燃え盛る洋館に消えていった
あの、妖怪人間達のように
自らの心の赴くまま、日々を過ごすしかないだろう。


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