昨日、あたしの所属してる委員会の、事務局の焼肉パーティーがあった。 企画局ってのとも連動してて、なんかけっこーデカイ焼肉で。 そこそこ楽しみにしてた。
なんかややこしいんで整理してみると、
あたし→事務局 ユウコ→広報局 トミタ→資材局 ジャイ・良ちゃん→企画局
って感じ。 だから、あたしは昨日はユウコとは一緒に帰らない。 そんなつもりでいた。 五時間目の授業中、 あたしのとなりにいたユウコにメールが届いた。 トミタから。
「今日、一緒にハリー・ポッター見にいかへん?」
ハイ、決定打。
ユウコは喜んだ。 困ったフリをしようとしてて、 それが成功してなくて、 ココロから喜んでた。 あたしも喜んでるフリをした。 ひやかして、頑張れよとか言って、 くそほどヘコんで焼肉に行った。
帰りは違うバスに乗るはずだったのに、 事務局焼肉をやる店と映画館のあるところへ向かうバスは一緒で、 いつもの通りユウコがそばにいて…
ユウコが、 あたしにひやかされないように、 喜びを隠そうとしてる。 冷静を保とうとしてる。 それがすぐにわかった。 わかる自分が面倒だったし、 隠しきれないくせに隠そうとするなよ、 みたいなイライラがあって、 それが正直な話ただの嫉妬心であることは明白で、
みじめだった。
「企画局の奴らとその後飲み会することになってるトミタが、 企画局の奴らが焼肉を終えるまで暇で、 だから広報局のユウコが今日予定ないって知ってるし、 たまたま映画に誘われたんだって…」
そんなことを、 カヨちゃん(委員会の中で唯一あたしの本音を話した子)に言われて、 そうなのかなぁって思って、 だけど違うだろうって思った。
2人の関係が微妙なのは周知の事実。 ユウコの気持ちに、トミタが気がついていないはずがない。 これはあたしの見解だけどさ。 もう、これで決まりじゃん。 わかりきったことじゃん。 …なら、もう、早く… 早くくっついちゃってよ… 2人がだんだんと近づいていく過程なんて、 あたしには拷問でしかない。
飲んでも飲んでも酔えない酒は、 シンドイだけだった。
|