昼頃、喫茶店を出たあたしたちは、 そのまましばらくブラブラしたあと、 JRの電車に乗った。 学校へのバス停がある駅で降りなくちゃいけないあたしは、 すごく面倒な気持ちが溢れてきて、 学校行かないでおこっかな、 って言った。
ユウコが「ダメだよ」って怒った顔をする。 あたしは「わかってるよ」って笑った。 トミタが「結果がわかったら教えてな」って言う。 あたしは「嫌だよ」って言った。 教えたくない。 「そうか、残念だったね」 「一緒に来年やりたかったのにな…」 そんな言葉、聞きたくないんだよ。
あたしは1人、学校に向かった。 まっすぐ本部に行こうと思ったけど、 オール明けの顔してるのが嫌で、 本部に行く前にトイレにこもっていちから化粧しなおした。 ちょっとスッキリして、 今度こそ本部に向かった。
誰にも、知り合いに会いたくないなって思った。 同じ事務局の誰かにバッタリ会って、 その子がもうあたしの結果を知ってるとか、そーゆーのって。 嫌だな、って思った。
本部に顔を出すと、 誰も一回生がいなかった。 飲み会の次の日だし、多分みんなグロッキーなんだろう、ってそう思った。 事務局の先輩と目が合った。 先輩が立ち上がって、外に出るよう促す。 結果が。 言われる。
先輩「えーと、おめでとうございますっ」
あたし「ハイ?」
先輩「来年も一緒にがんばろうな☆」
あたし「えっ、マジですか?」
先輩「うん」
あたし「えっ、えっ、マジですか!?」
先輩「うん」
…泣きそうになりました。 まさかこんなに、 自分が思いつめてると思わなくて、 いやわかってたけど、 どーでもいいやと思い込もうと思ってたから、 体が脱力して壁にガツンと手をついて深く息を吐いた。
新補佐としてのこれからの予定を先輩から聞いて、 本部から出て、 とりあえずユウコに電話して告げた。 喜んでくれてるユウコの声を聞きながら、 やっぱしちょっと泣いた。
トミタにはメールした。 『来年もよろしこ☆』 以上。 携帯の電源が切れてたトミタの返事は夜にきた。 トミタも喜んでくれてた。 阿呆みたいなメールやりとりして、 『あかんな俺ら、相当浮かれてんで!!』 っつわれて、 浮かれてくれてるトミタに、 あたしは喜んだ。
不安もあるけど。 …なんか、もう。 安心したよ…。
そしてこれで、 あたしは泥沼にはまったのだ。
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