2009年09月22日(火) |
島原家族旅行記(1) |
あれは8月の終わりごろだったでしょうか。
9月に5連休があるという事で早くから話題になっており、私も、せっかくなのでこの機会にたまには家族旅行にでも行きたいな〜なんて考えていました。出かけたついでに旅行会社のパンフレットをいくつかもらってきて、パラパラめくる。
ユウが一緒だから、近場で1泊ぐらいで何かしら楽しめる所がいいよな〜。……あ、ハウステンボスなんていいな、花も一杯咲いてて風景がきれいだし。それとも、イオワールド(鹿児島水族館)かうみたまご(大分の水族館)なんかもいいかも。鹿児島か大分なら、近くで温泉も入れそう。
いくつか目星をつけてから、次郎君に言いました。 「ねぇ、9月の連休、どこか旅行行かない?1泊ぐらいで」 すると彼は言いました。
「あぁいいねぇ。それなら俺、島原行きたいな」
………島原?
いや、島原も別に悪くはないよ。でも、温泉しかないよね?温泉以外だと、島原城とか雲仙とか、とにかく子供が楽しめる所はほとんどないよね?なぜにそんな渋い場所を選ぶ?ていうか彼は、もう2年ぐらい前から言い続けてるんですよ。 「島原に行きたい」 って。その気になれば土日でもひょいっと行けそうな場所なのに、行きたい行きたいと言うばっかりで実際に計画立てたりとか全然しないから、結局ず〜っと“言ってるだけ”の状態だったの。また私も、島原にそこまで気分が盛り上がらなかったので、自分から積極的に話を進めなかったしね。(これが私も行きたい場所だったら、率先して計画立ててたと思うわ)
でもまぁ近いんですよ、島原。熊本港からだと、高速フェリーで30分で行けちゃうの。そしてうちは港に近い。子連れだから、あんまり移動に長時間かからない方がいいのは事実だし……というか個人的には、この旅行でユウに1度『長時間の移動』を体験させてみたかったんだよね。来月の愛媛行きに備えて。でもいきなり長々と車に乗せるよりは、『いつもよりちょっとだけ長距離』ぐらいからやってみた方がいいのかも。島原だと、愛媛行きには欠かせないフェリーも近距離だけど体験できるし。
と思い直して、パンフレットの島原のページを物色。どこがいいかな〜。他にメインとなる目的地がないのなら、料理がおいしくて温泉が充実した宿がいいな〜。あれこれと考えてたら、また次郎君が言いました。 「せっかくだから、親も誘ってみたら?」 ……親?…って、どっちの? 「お前の。うちの親は多分無理だよ。母ちゃん、連休も仕事だろうし」 まぁ確かに、義母の仕事はサービス業なので連休はあんまり休めないだろうなぁ。でもいいのかな?うちだけ誘って。
ちょっと迷いましたが、せっかくそう言ってくれたので声をかけてみました。両親ともにすんなりOKだったのですが、やっぱり聞かれましたよ。 「あちらのご両親は誘わないの?」 って。そうだよねぇ、やっぱそう思うよねぇ。 「うん、いいみたい」 と言いつつも気になってはいた数日後。別件で義両親がうちに来たんですね。んでそこで 「連休は何するの?」 てな事を聞かれて、隠すのもなんだし、かといって 「実家の両親も一緒に温泉行くんです〜v」 と言ってそれだけってのもあんまりなので(笑)やはり話の流れで誘ってみたわけです。 「島原温泉に1泊行こうと思ってるんですけど、お義母さん達も行きませんか?うちの両親も一緒に行けるみたいなんです」 すると義母は日程を確認して言いました。 「うん、その日なら行けるわ」
………かくして、うち+私の両親+義両親、の計7人での1泊旅行が決定したわけです。
しかも、そうこうしてるうちに予約をするのがちょっと遅くなってしまい、候補の旅館に電話したら 「最大で8名様までご利用頂ける大きなお部屋一部屋でよろしければ、ご用意できるんですが…」 え、全員同じ部屋!?予定としては、夫婦ごとに1部屋取れたらいいなと思ってたんだけど。でももう旅行の予定日まで3週間を切ってたので、ここで却下しても他の宿が取れる確証もない。一応抑えておいて、両方の母親が嫌がらなければそれでいい事にしようかな。
まぁ正直言うと、私が一番腰が引けてたんですけどね(苦笑)だって義両親と初めての旅行というだけでもなんか緊張して落ち着かないのに、しかも同じ部屋とな。両方の母親にとっても、寝起きの顔や寝姿を見られるのはちょっとは抵抗があるんじゃないのか?
……と思っていたのですが 「全員で1つの部屋になっちゃうんだけど…」 と話してみたら、意外にも両方とも 「いいんじゃない?その方が楽しそうだし」 と母(×2)ノリノリ。そ、そう?(・・; かくして、当初の予定とは大幅に予定を変えての旅行が実現したのです。
熊本港からフェリーに乗り込む。初めての船に、ユウは乗るなり大はしゃぎです。デッキに出るのはいいんだけど、天気が微妙な上に船の速度が速いもんだから、ものすごい強風。髪が乱れまくって視界を塞がれ、ユウを追いかけるどころではありません(苦笑)義母が買ってくれたジュースを飲んでる時だけはおとなしく客室にいたんですが、それ以外はずっと船内をうろうろ。大人の誰かが入れ替わり立ち替わり付いて周る事に(^^;
しかしなんせ高速フェリー。30分で島原に到着です。ていうか今回は30分だったからいいけど、来月はみなとの所に行くんで3時間以上フェリーに乗るんですよ……行きはまだしも(早朝の船なのでユウは大半の時間を寝て過ごすはず)、帰りのフェリーの事を考えると今から恐ろしいです。
島原に着いたら、じゃぁとりあえず雲仙災害記念館にでも行ってみる?と移動。『災害記念館』という名称になんか違和感を感じたものの、まぁあの凄まじい噴火の被害を記録として残しておく場所なんだろうな。いや、“記念”って言うとなんか前向きなイメージないですか?結婚記念日とか建国記念日とか。だから災害とかマイナスのイメージがある言葉に記念って言葉がくっつくと、な〜んか違和感があるのですよ。(あ、知らない人のために……島原にある普賢岳という山が平成2年以降何度か噴火して、島原の町に甚大な被害を与えたのです。詳しくはコチラ)
航空写真で見ると、当時の溶岩の流れた道筋が今でもはっきりとわかるのですね。あの頃私は高校生で、海を越えて飛んできた火山灰で学校のプールが汚れて使えなくなったり、家や車の窓が真っ黒に汚れて大変だった記憶があります。そのおかげで、高校のプールには屋根がつきましたよ。
しかし、記念館は入館料が1人1,000円もかかったので入口でUターン(笑)いや、友達との旅行だったら入ったかもしれないけど、50〜70代の親4人と3歳児連れてて 「せっかくだから見て行こう」 とは主張できませんでした(^^;
替わりに…というわけではないけど、近くの道の駅にある『土石流で埋まった状態で保存されてる民家』を見に行きました。2階建てのおうちが、1回の軒先付近まですっかり埋まってしまってるのです。当時、住人は既に皆非難していて人的被害はなかったそうですが、家族の思い出も何もかもが住み慣れた家ごと埋まってしまった時の気持ちはどうだったろうかと考えると、やっぱりちょっと辛いものがあります。
そうこうしてるうちに程よい時間になってきたので、宿泊先であるホテルへ。前に1度姉妹で来た事がある母が 「料理はおいしかったし値段も安かったけど、まぁその分建物は古かったよ」 と言ってたので覚悟はしてたんですが(笑)確かに古かったけど、不快になるほどではなかったです。むしろ、連休中でも1泊2食付1人9,000円弱である事を考えたら充分なレベル。
チェックインの手続きの間、ウェルカムドリンクみたいな感じで出された『寒ざらし』という地元名物。透明な液体の中に小さな白玉団子のような物が浮かんでたのですが…あ、甘い。液体の正体はシロップでした。甘〜いシロップに直径1cmぐらいの小さな白玉が浮いてるの。私はおいしく頂きましたが、次郎君はちょっと舐めただけでユウに渡してました。甘党の人じゃないと厳しいかな(苦笑)
部屋は、8畳と6畳の二間続きの和室でした。温泉じゃないけど内風呂もついてるし、大人数対応の部屋だからだろうな、トイレが2つ。建物のすぐ裏手が海なんですが、海に向かってバーンと窓があって眺めは素晴らしいです。ホテルの人の話だと、台風の時は下手すると2階ぐらいの高さまで波をかぶる事もあるとか。でもそれを見たさに台風の時期を狙って来る人もいるらしい(笑)
1つ難があったとするなら、部屋は本館5階の端っこ。温泉は新館3階の端っこ。そして本館から新館へは、1階のロビーまで降りないと行けない。つまり、温泉が一番遠い部屋だったんです(苦笑)まぁ仕方ないか。
夕飯までに一度温泉に入ってこよう!と準備。部屋にあった浴衣をそれぞれ着たのですが、ここでユウが……自分も着たいと言い出しました。でもさすがに子供用は置いてないしなぁ。ユウの甚平持って来ればよかったね、と話してる間にも 「ユウちゃんもこれ〜!!」 と大騒ぎ。結局、大人用のS・M・Lと3サイズあったうちのSサイズを、腰の所で無理やり端折ってどうにか着せました。帯もぐるぐる巻き。予想以上にかわいくなったので大爆笑する大人達をよそに、本人はすっかりご満悦。ちなみにロビーで聞いてみたら、帯を巻くんじゃなくて腰に紐が通ってて絞って着るタイプの子供用もあるそうなんですが 「クリーニング代が別途かかります」 と言われたのであっさり却下。だってどうせそれ着て寝るわけじゃないし、ユウ的には紐で絞るガウンのようなものじゃなくて、あくまでも『帯で巻いて着る、ママ達と同じ着物』が良かったんだもの。若干引きずりながらも、上機嫌で温泉に向かいましたよ。
温泉でまったりした後は夕ご飯。『部屋ではなくお食事処で』と聞いてたので、宴会場のような広いお座敷の一部なのかなと思ってたんですよ。それだとユウが他所の席に迷惑かけそうで心配だな、と。そしたら、部屋ごとに個室にお食事処でした。まぁ最終的には退屈したユウは部屋を出てしまってたんですが、でもさすがに他所のお客さんの個室に入ったりはしなかったから。廊下をうろちょろしただけなので、他のお客さんに迷惑はかけてなかったと思います。良かった良かった。
ご飯はおいしかったです〜!見事に全部おいしかった。お刺身も、目の前で鉄板焼きしたお肉も、ミニかまどで炊いたワカメご飯も、ガラカブのから揚げも、全部おいしくて大満足。予想外にユウが食べれるものがなくて焦りましたが(大人が6人もいるんだから、それぞれからあれやこれやとちょこちょこもらえばそれで足りるだろう…と、子供メニューはお願いしてなかったのです)白ご飯と卵をもらって卵ご飯で満足してるんだもん。金のかからない子じゃ(^^;
部屋に戻って一息ついたら、母と2人で2度目の温泉へ。どうせ寝る前にもう1度入るよね、と、さっき入った時にはメイクも落とさなかったし髪も洗ってなかったの。義母はもう半分寝てたので、声をかけませんでした。
さっぱりまったりして部屋に戻ったら、なんとすでに電気も消されて全員寝てました(**; いや、ユウは確かに昼間からはしゃぎっぱなしでお昼寝もしてなかったから早く寝るだろうとは思ってたけど、まさか10時過ぎに全員寝落ちするとは!風呂上りのほかほかの状態で布団に入るのは、正直ちょっと暑かったです…。
翌日に続く。
|