金色の夢を、ずっと見てる

2005年11月10日(木) 「お客さまは神様です」?

夕飯の後2人でテレビ見ながらだらだらしてた時の事。次郎君の携帯がなりました。どうやら仕事関係だったようで、しばらくあーだこーだとしゃべってから切る。

「今の電話Nさんだったんだけどさぁ」
Nさん・・・・あ、次郎君がお世話になってる業者さんね。顔は覚えてないけど、結婚式にも来てた人だ。
「こないだ一緒にメシ食いに行ったんだよ」
はいはい、こないだ急に
「ごめん、外でメシ食って帰ってきていい?」
と電話をくれた時ね。

以下、話を要約。



次郎君とNさんと、もう1人仕事関係の人と3人で食事に行ったんだって。いわゆる『100円寿司』。1皿100円の回転寿司ね。そこで彼らは、同じ物を3皿注文したそうな。3人とも同じ物が食べたい。でも3皿続けて廻って来ない。じゃぁ注文してしまえ、と。

で、店員さんが持ってきたんだけど、右手にお寿司が2カン乗った1皿、左手に皿を2枚重ねてその上に4カン乗せて持って来たんだって。


・・・・・・・はぁ。何か問題でも?


そしたら、Nさんが苦情を言ったらしい。いわく、
「3人で3皿頼んでるんだから、ちゃんと3皿で持って来いよ」
と。店員さんの言い分としては、単純に“持てなかったから”らしいんだけど、Nさんは
「それはそっち(店側)の都合だろうが」
と。他にも食べようとしてる寿司があるんだからそれぞれに食べたい順番もあるし、小皿に醤油を出してそこにお寿司をつけて食べる人もいるし、寿司が乗ってる皿に直接醤油をかける人だっている。人によって違うんだから、3人いるってわかってるんならちゃんと皿3枚で持って来い、って。



次郎君は、
「まぁNさんの言う事も正論なんだけどね」
って笑うんだけど・・・・・


あのさぁ、結果的にお寿司は6カンあって皿は3枚あるわけでしょ?

だったら、空いてる皿にお寿司を2カン移せばいいじゃん。んで1人1皿取って好きに食べればいいんじゃないの?

そう言うと
「ん〜・・・ちょっと違うんだよなぁ」
との事。と言われても何がどう違うのかわかりません。

私だったら、店員さんがそうやって持ってきたら
「あー持ちきれなかったんだなー」
とか
「お盆とか使えばいいのに」
とか思うだけなんだけど。


次郎君は、どっちかって言うとNさん寄りの考えなんだって。こっちは客で、お金出す方なんだから、店の都合でどうこうしてほしくない、と。

わからなくもないけど、向こうにだって都合ってものはあるじゃん?そりゃー今回の話でいくとそれは単に「持てなかった」ってだけの事なんだけど、そんな目くじら立てるような事でもないと思うんだけど・・・・(--;


っつーかね、話がちょっと逸れるけど、私この
『客なんだから』
とか
『金出すんだから』
っていう考え方嫌いなんですよ。


ま、それは確かにそうですよ。こちらは客で、お金を払う方です。でもさぁ、いくらこっちがお金払っても、お店が食べ物を出してくれなかったら食べられないわけでしょ?“食べ物を提供してもらう”と“お金を払う”っていう立場は、じゃなくてだと思うんですよ。お店の態度次第でその店を選ぶか選ばないかっていう選択権はこっちにあるんだけど、その点を加味してもやっぱりじゃなくてせいぜいだと思うの。

味やサービスに満足しなかったんなら、今後その店に行かなきゃいいだけの話。だからこそお店側は今後もお客さまに選んでもらえるように、おいしいものを出そうとか店員の質を上げようと努力するわけじゃないですか。

どうしても『金出すんだから』って言うんだったら、
『金を払うのはこっちなんだから、店内ではこっちの言う事が当然』
じゃなくて
『金を払うのはこっちなんだから、どの店を選ぶかはこっちに選択権がある』
ていうだけだと思うの。

(あ、もちろん、あからさまにサービスが悪かったので代金を払うに値しない場合なんかは別ですよ。あくまでも、最低限きちんとした料理やサービスを提供してもらう事が前提です)


実際ね、私は店員さんにもやたら愛想がいいとか腰が低いとかで次郎君に驚かれる事がたまにあるんだけど、それって最終的には自分が得をする事が多いんですよ。


自分が店員の立場で考えるとわかりやすいんですよ、これ。


たとえば、私と次郎君も以前バイトしてたレンタルビデオショップ。当然、常連さんっていうのがたくさんいました。でもその常連さんにも2種類あるわけです。

「こっちは客だぞコラ」
とばかりに無茶な要求をする人。具体的には、
「○○の新作が入ってきたら、必ず自分に連絡をして最初に自分に貸せ」
「○○のシリーズが出たらダビングしてくれ」
(←場合によっては違法です)
とか。

こういう人って、こっち(店員)としてはやっぱりイヤです。もちろん新作の貸し出し予約はできるんですよ。でもそれはあくまでも先着順。先に予約入れてる人を無視してその人に先に貸す事は出来ません。っつーかそれができるんなら、予約の意味がないだろう。

1回
「このお客さんイヤだな〜」
と思っちゃうと、もうダメ。もちろんその当人を目の前にして態度に出したり、新作が出てもわざと連絡しないなんて事はしません。でもバイトの間でその人は『イヤなお客さん』としてブラックリストに載っちゃうし、たとえばその人が好きな俳優の別シリーズが出るよーなんて事があっても教えてあげたくない。


逆に、いい感じの常連さんってのもいます。ささいな事ですよ。帰る時にいつも
「お疲れさん」
って言ってくれるとか、時々バイトに缶コーヒーを買ってくれるなんて人もいました。

そういう人にはやっぱりこっちも良くしてあげたくなるわけですよ。新作が入荷して、レンタル商品にするための処理をしてる途中でたまたまそのお客さんが来た時に、
「あ、●●さん、△△△が入ったら見たいって言ってましたよね。今日入荷しましたよ。今商品登録してるんで、帰りに借りていきます?」
とか教えてあげちゃう。
「今度俳優の□□さんの新作Vシネ出ますよ。見られるなら予約入れておきましょうか?」
とか教えてあげちゃう。時には入荷作品を決める段階で
「あ〜、●●さんがこれレンタルに入るといいなって楽しみにしてなかったっけ。新作で入れてあげようか」
なんて話にすらなる。(うちの店は、店長だけじゃなくてバイトも入荷管理に関わってたんです。お客さんのナマの評判を一番知ってるのはバイトだからね)


これだけ考えてもわかりますよね。別に無意味に店員さんにへりくだれって言うんじゃなくて、店員さんにもいい気分になってもらった方が、自分が良いサービスを受けられる可能性が高くなるって事です。

いやもちろん、接客業である以上、お客さんによって態度を変えるような事しちゃいけないというのは判ってます。それでもお金をもらってるんですから、最低限のサービスはするべきです。でも店員だって人間ですよ。どうしても個人的な好悪の感情が多少は接客態度に影響したりもするでしょう?


最初の回転寿司の話に戻るとね。

確かに、『持ちにくいから』という勝手な判断でそういう出し方をした店員さんは良くなかったかもしれない。(でもそれも受け取る側次第だけどね。全然気にしないって人もいるから) だからってそういう苦情の言い方はどうなのかなーと。

気に入らなかったのならもう行かなきゃいいんです。また行くんだけどどうしてもそれは気になるってんなら、店長さんとかに
「こういう出し方をされたんだけど自分はそれはちょっとイヤなので、今後はそういう時はお盆を使えとか指導してくれませんかね」
とかさらっと言えばいいでしょ。

っつーかぶっちゃけ、しょせん『100円寿司』にそこまで要求する事自体がどうなんだ、とも思いますがね。だったらちゃんとした寿司屋行けよ。100円の店は100円なりのサービスでもしょうがないじゃん?



居酒屋の店長と仲良しになってると
「これ今度出そうと思ってる新作なんだけど、試食してみる?」
なんつってメニューにない物を出してくれたりとか。

コスメコーナーのお姉さんと仲良くなってると
「これ、今度出た新作ルージュのノベルティグッズなの。試供品と一緒にあげるね」
なんつって本当は買わなきゃもらえない物をくれたりする。

美容師さんと仲良くなってると
「いつも来てもらってるから、今日のヘアセット代、端数はサービスするよ」
なんて言って代金をまけてくれたりする。

エステのお姉さんと仲良くなってると
「今度こういう新メニューが出るの。特別にちょっとだけ試してみる?」
なんつって本当は有料のお試しコースをタダでさせてくれたりする。

ガソリンスタンドの店員さんと仲良くなってると
「あ、割引券の期限切れてますね・・・いいですよ、間に合った事にしときましょう」
なんつって割引してくれたりする。


これ、全部本当にあった事ですよ。


そういう話を次郎君にもしてみるんだけど、彼は彼なりに接客業をやってた時代に経験した
「客だからと横柄な態度をとられた記憶」
なんかがあるもんだから、こっちが客の立場の時に多少偉そうで何が悪い?という感覚がどうしても抜けないらしくて。

それって自分が損してると思うんだけどなぁ。


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咲良 [MAIL]

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