金色の夢を、ずっと見てる

2005年03月01日(火) あと2ヶ月半

夕方、家に帰って母親と話してたら言われました。
「こないだのアレはちょっとなかったんじゃないの?」

・・・・・家族の顔合わせの食事会の席で、親戚の叔父さんに一言挨拶させてやる場があれば、と言った父親の言葉にじゃぁうちの側は来賓挨拶が2人?と母親が言った時に私が
「それはいや」
と即答した時の事です。


いやあれは、叔父さんに挨拶をもらうのがイヤだったんじゃなくて、来賓挨拶が2人になるのがイヤだって言ったんだよ。それでなくても双方から1人ずつ来賓の挨拶をもらった後に向こうのお父さんの詩吟が入る予定なんだから、そんな事したら乾杯までが長くてうんざりするじゃん。

と言ったら
「それはわかってるわよ。そうじゃなくて、あんなキツい言い方しなくても良かったんじゃないの?って事。○○子(←妹)も言ってたよ。“姉ちゃんもあんな席であんな言い方しなくてもいいのにね”って。向こうのお母さんが気を使ってたじゃないの」

なんだかんだと話してたら、段々煩わしくなってきて
「そういうのが面倒だから、本当は結婚なんてしたくなかったのよ」
と口走ってしまいました。
「じゃぁなんでする事にしたのよ?」
「次郎君がしたいって言うから。だったらしようかなって」
「自分でそう決めたんならちゃんとしなさいよ。結婚するって事は、そういう家族や親戚との付き合いも含めてって事なのよ?」

あれこれ話しているうちに、段々と“やっぱり私は結婚しない方がいいんじゃないだろうか”という気持ちになってきて、涙が出てきました。

今でさえ、自分の親戚との付き合いでさえ面倒だと思う私。なのに、次郎君ちは同じ市内とは言ってももうちょっと田舎の方なので、うちの辺りよりもっとそういった親戚付き合いや近所付き合いは密だと思われます。本当にやっていけるのか?

そういう付き合いを疎かにすることによって私が評判が悪くなるだけならともかく、それは次郎君の評価も落とす事になるんだ。それを本当にやっていけるのか?

泣き出した私を見て、母親が
「泣かないでよー。お母さんだって心配なのよ?アンタは自己中心的なとこがあるから・・・・でも、アンタもいい所だってあるのよ?そりゃお母さん達の子だもん。自慢できる所もいっぱいあるわよ。ただ、アンタは気が強いから、それで向こうの人とぶつかったりするんじゃないかって心配なのよ」
と言ったもんだからますます泣けてきて。


とりあえず部屋にあがって、1人であれこれ考えてたら本当に不安になってきちゃった。

・・・・・・・・次郎君は本当に私でいいんだろうか?

怖くて怖くて、声を聞きたいと思って電話したら留守電。コール音が鳴らずに留守電になったから、きっと話中なんだ。2回かけてもつながらなかったので、ここは既婚者に聞こうと思ってミヅキにかけてみた。


ちょうど夕飯時だよなーと思って
「今大丈夫?」
と聞いたらその一言で気付かれて
「どうしたの!?なんで泣いてるの?何かあった!?あ、何かあったから泣いてるのよね、どうしたの!?」
とものすごく心配されてしまった。

「・・・・・・マリッジブルーってやっぱりなった?」
と聞いたら
「あ〜・・・咲良にも来たか〜。うん、そりゃーあったよ。めちゃめちゃなったね。本当にこのまま結婚していいのかなーとか、この人でいいのかなーとか、いろいろ考えたよ〜。何度か言いそうになったもん、“やっぱりやめない?”って」
そう言って電話の向こうで大笑い。おいおい笑うとこか?と一瞬思ったものの、あまりに明るく笑い飛ばされちゃったのでなんか私まで笑えて来ちゃって
「やっぱりそうなのかなぁ」
とため息。

「大丈夫よ、咲良が選んだ人じゃない。大丈夫!」
力強く何度もそう言ってくれたおかげですこし気持ちがラクになりました。
「そういう時は、次郎さんと沢山話した方がいいよ。男の人って、そりゃーいくら咲良も働くとは言っても“俺が養っていかなきゃ”っていう心構えはあっても、そういう微妙なへこみには気付いてくれないんだよね。だからこっちから話さないとわかってもらえないし、平気なんだと思われちゃうよ。愚痴でもノロケでもなんでも聞くから、何かあったらいつでも電話しておいで」
・・・・・・・ありがとう。


しばらく話を聞いてもらって電話を切ったら、次郎君から不在着信が入ってました。すぐかけなおす。

最初は“招待状いつできる?”なんて話をしてたのですが、しばらく話してるうちに私がまだ泣いてる事にすぐ気付かれて
「・・・どうした?」
と言われたらせっかく治まってた涙がまた出てきちゃいました。

「あのね」
「うん」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・本当に私でいいの?」
「お前・・・・今頃そういう事言うか?」
「だって・・・・・・」
「どうした?」
「・・・・・・・・・・自信ない・・・・」
「そりゃ・・・・最初からパーフェクトに自信がある人なんていないだろ」
「ワガママだし」
「それはお互い様」
「自己チューだし」
「俺も負けてないぞ」
「掃除も下手だよ」
「やれる方がやればいいだろ」
「気ぃ強いし」
「知ってるよ」
「寝起きも悪いよ」
「俺もだ」
「口うるさいし」
「そのぐらいの方が俺にはいいみたいよ」
「・・・・・・・・・・・本当に私でいいの?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・あのな?」
「うん」
「他の人でもいいんだったら、他の人にいってるよ。俺は、お前がいいと思ったからお前にいったの」
「・・・・うん」
「大丈夫だって。2人なんだから。大丈夫!」


泣き止まない私に何度も何度も『大丈夫だ』と言ってくれました。


『で』じゃなくて『が』


私が言ってほしかった事を言ってくれて、また泣けました。


少し話して、私が落ち着いてから切る。・・・・・・・・やっぱりこれっていわゆるマリッジブルーなのかな?



ご飯だよ、と呼ばれて階下に降りていったら、明らかについ今まで泣いてた顔の私を見てもお父さんが何も言わない・・・・お母さんが先に話してたんだろうな。


次郎君を選んだことに不安や迷いはないけど、次郎君がそれでいいのかなと不安になる事はしょっちゅうだ。ワガママで、自己チューで、掃除が下手で、気が強くて、寝起きが悪くて、口うるさくて、プライドばっかり高くて、後先考えなくて、言葉がキツくて、そのくせ自分に甘くて、根性なしで。

こんな私でも選んでくれたんだから、それに応えられるように頑張らないと。

考えてみたら、電話越しとはいえ次郎君の前で泣いたのって初めてだったんじゃないだろうか。心配させちゃったかな。でも、実はずっと不安だった事を聞けたのでちょっとよかった。頑張ろう。


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咲良 [MAIL]

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