今日部長の葬儀があるのに、私は末締めの請求書を作成する為にいつもよ り早めに自宅を出て会社に向った。 こんな大変な時に事務的に仕事をこなす自分に矛盾を感じた。
いつもの道を通って会社に向ったら私が事故を起こした交差点に「死亡事 故発生」の縦看板が立てられ、事務所真前(私がこけた場所)には「目撃 情報の連絡先」の縦看板が立てられ花が供えてあった。 あまりの生々しい現実に気分が悪くなり怖くなった。 事務所に着いていつもなら1時間程度の仕事なら開けないシャッターを今 日は全開にしドアを開けたまま事務処理を始めた。 自分の席に座ったら、いつも部長が座るイスが見えた。 外を見たら縦看板が見え昨日聞いた事故状況の話が頭の中で駆け巡り気分 が悪くなった。 きっとこんな現状を社長が見たら、私よりも辛い思いをするだろう。
部長の葬儀に、加害者女性と母親がみえてた。 2人とも目を伏せ肌があれやつれていた。 車で起こした事故で、人の人生を狂わせる。 葬儀の帰りに自分だっていつ被害者になり加害者になるか分らないと思っ たらまた運転する事が怖くなった。
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