今日で12月議会は終了し、各議員は来年の選挙に向けて一斉に走り出します。本会議後に定例の議会運営委員会が開催され、次々回の議会開催期日を決めます。6月議会のスケジュールが出ましたが、参議院選挙の関係で2案がだされました。
その資料を見ながら、選挙があるからな、このスケジュールを決めるのもどうかなど,雑談をしていました。そこに、知事が恒例の儀礼的挨拶、「効率的な審議、ありがとうございました」といつもどおり。
ところが、そのあとの言葉で、みんな凍ってしまいました。「もうこれで会えない人もいるかもしれません」。えー!よくいうよ!という声はでませんでしたが、酒井議員が、「何言ってるんですか、2月議会だってあるじゃないですか」。
知事の真意はどうであったのか、よくわかりません。すかさず「いや、年末まで」を付け加えましたが、いやー!みんなドキッとしたと思います。私も、よくいうよなーと感じましたから。まぁ、とにかく、選挙戦の準備に専念です。
反対討論は、下記の内容ですが、住民グループのみなさんが傍聴に来てくれました。どんな感想を持たれたのか、お聞きしたいと思います。討論内容は、下記の原稿です。実際には、かなり、修正されています。
※※2,006年12月議会反対討論 2,006年12月20日 (これは原稿です)
無所属一人会派・市民の風を代表して第152号、第154号、第157号、第158号、第162号、第163号、第173号の7つの議案及び議員提出議案第1号に反対、請願第1号の1,2,3の不採択に反対の立場で討論を行います。
第152号議案 2006年度静岡県一般会計補正予算 第154号議案 静岡県部設置条例 第157号議案 静岡県副知事定数条例第 第158号議案 静岡県公立大学法人に係る地方独立行政法人第59条第2項に既定する条例で定める内部組織を定める条例 第162号議案 静岡県公立大学法人の設立に伴う関係条例の整備に関する条例 第163号議案 静岡県公立大学法人に係る地方独立行政法人第44条第1項に既定する重要な財産を定める条例 第173号議案 静岡県公立大学法人に承継させる権利を定める事について ・ 議員提出議案一号 静岡県議会の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例 ・ 請願議案第一号 憲法・教育基本法を生かしすべての子どもに行き届いた教育をすすめるための請願(その1)(その2)(その3)
「1」 第152号議案 今回の補正予算には、静岡空港の強制収用にかかわる1億4700万の補正予算と空港と並ぶ無駄な公共事業である太田川ダムの債務負担行為の変更案が含まれているため反対とします。
まず、静岡空港についてです。 一昨日は、本体工事の畑の「明渡し日」でありました。私も、本来地権者の檜林耕作さんと村田利広さんとの長い活動をともにしてきたこともあり、明け渡されるその日には、地権者の皆さんと共にその大地に立ち尽くしたいと現地に行ってまいりました。移転を命じられている物件がないため自動的に土地は県の所有となります。本来地権者にとって、このような形で、力づくで土地を取り上げられるその権力主義的行為に対して、共有地権者とは違った「特別の想い」があり、構築物を作っての抵抗という手段も検討もされましたが、農民らしく振舞いたい、農民らしく闘いたい、とそれぞれのやり方で土地との「お別れの会」を行なうことになったわけであります。
檜林さんは、神式で茶畑に拝殿をつくり、お酒やお米で土地に対する感謝とお別れの言葉を述べ、辛く悲しい事であるが「土地を失おうとも」空港反対の意思を貫き通す事を宣言いたしました。村田さんは、昨日は現場には現れず、一昨日の夕方のうちに自分の想いを込めた立て看板を茶畑にたてていました。そこには、「私たちを育ててくれた先祖代代の偉大なる土地よ この土地を守ることができなくてすみませんでした。安らかにお眠り下さい」と書かれていました。土地を力づくで奪われようとも、大地の聖霊がこれからは、本来地権者の守護神となって空港反対運動を戦いつづけることを実感して帰ってまいりました。
この反対派地権者の想いに、口先で「円満解決」を語りながら、先ほどの空港部の委員長報告に対する質疑でも明らかのように、誠意ある努力は一切示さず、やっていることは、1月10日の「明渡し日」もきていない、「代執行の請求」も行われていない段階で、「脅かし」としか思えない警備費が大半の1億4700万円の強制収用予算の計上であります。
一方、増田たかし収用委員会会長は、石川知事の掲げる09年3月開港路線に追従せんとばかりに、12月15日には制限表面区域の損失補償の議論が始まったばかりで、収用地と使用地の境界測量のやっている最中に審議を終結しました。まさに独立委員会としての自殺行為であり、収用委員会委員全員は即刻辞任すべきであります。稲津収用委員会事務局長は「通常の6,7回分はやった」というとんでもない発言をおこなっております。
同じ、この日には谷空港部長は全国で初めていう、2月に営巣していたオオタカの営巣木を伐採すると言う蛮行を行なっているのであります。伐採の手続きといえば、たった一人の猛禽類専門家にオオタカの保護に関する意見を聞き、その方がのみが鳥類専門家という環境巡視連絡会、その方が会長代理のオオタカ保護連絡調整会議で了承を得て、モニタリングのまとめは、その人物が関わる富士常葉大学付属環境防災研究所に随意契約で委託という、一人の専門家が4役を担う不透明きわまりない仕組みで決定されていると住民グループから指弾されています。 このようにして、起業者のトップが石川知事、代執行庁のトップが石川知事、行政と第三者機関、学識者が一体となって、静岡県政史上はじめての強制収用が始まろうとしているわけであります。
しかし、空港開港に向けては暗雲がかげっているわけであります。 第1に、昨年の包括外部監査の指摘を待つまでもなく、福島県、和歌山県、宮崎県の「知事の犯罪」が表面化する中、静岡空港の大成、鹿島JV、水谷建設をめぐる談合入札の疑念の拡大であります。 第2に、国内線でJAL、ANAの両会社が、国際線で韓国の大韓航空、アシアナの両会社が就航するかのような粉飾としか思えないキャンペーンを行ない、実際のターミナルビルにはJALのカウンターしか設計されていない実体であります。JAL一本となれば、アシアナの就航など到底臨めないわけであります。 第3に、需要予測では、ANA の福岡―富山など国内地方線の廃止・縮小の発表、開港9ヶ月の神戸空港、羽田、千歳、那覇は採算ライン60%をこえているものの鹿児島、熊本、仙台、新潟はのきなみ30%から40%ラインという極めて厳しい現状であります。 第4に、静岡県は、運営会社に出資することになりましたが、結局ところ、民間会社でなく第3セクターになりつつある現実であります。更に、民間の動きもないリージョナル航空出資まで知事は放言しております。企業局では富士裾野工業団地の造成に際して、裾野市にとって不平等条約のような協定書をを結ばせてまで、「赤字」の回避をしようとしています。運営会社出資にあたっては、返済期日を含む協定や「赤字」採算の場合の知事はいうまでもなく、担当した歴代管理職ポストの責任を明確にする事業評価システムを作り必要があります。
こうした状況を踏まえて、空港反対派は、権力主義的静岡県空港行政に屈する事無く収用委員会採決取り消し訴訟、損失補償の受け取り拒否・供託、代執行に対する多彩な抵抗でこれからも反対運動を継続していくことを言明しておることを述べておきたいと思います。
次は、第152号議案の中の太田川ダム債務負担行為の変更についてであります。 今回の債務負担行為の変更は、掘削による法面枠のクラック、変位が起り、防御策を取っていて5ヶ月遅れたとの事でありますが、本当に問題が解決しているのか、という問題であります。住民団体が防災専門化を交えた調査団を組織し12月4日に現地を訪れましたが、事態は深刻のようであります。専門家によると「変位はとまっているといいますが、体積が元に戻ったというわけではないので地盤の性質に変化がおこっているはず、それが水と接触すると風化、変質が起こる可能性がある、盤ぶくれは非等方的膨張なのでスレーングという内部崩壊を起こしやすい」と指摘されていることです。これは、ダムの崩壊と言う事態にも発展しかねない技術的問題が発生しているわけであります。住民グループの提案を受け入れ、住民と共に調査を行ない、事態の打開に向けての虚心坦懐な姿勢と太田川ダムのあり方を再度考え直すべきであります。
「2」 第154号、第157号議案 この二つの議案は、県庁組織体制において現状の10部を7部に、出納長の廃止と副知事3人体制にするというものであります。 反対理由の第一は、この再編の下部構造は、集中改革プランによる公共サービスの外部化による「県の空洞化」、及び、市町村合併や合併による政令市成立の中での県業務・権限の市町・政令市移管による「県の空洞化」であり、こうした現状の中で果たして、今、このような再編をいそがなければならないのか、という点であります。小泉構造改革・新自由主義路線による格差社会の是正のための「新たな公共」とは何であるのか、じっくり考える時期であり、一方で「平成の合併」を終え、合併した自治体、しなかった自治体含めじっくりと県―市町関係の再構築の時期であると考えます。特に、藤枝市、岡部町、焼津市、大井川町の2市2町か1市1町かをめぐる混乱をみても合併推進審議会を活用したこれ以上の合併の押付けはやめるべきであります。 反対理由の第2は、本来、出納長を廃止し、副知事3人体制に転換する意味は、知事の一部権限委任も含め、官僚のトップとしての部長制度に対抗して、政治的任用による民意を反映する新たなトップマネジメント体制であります。何故か、知事は、自らが官僚出身ゆえか、その政治的意義を語ろうとしません。定例記者会見では、3人の副知事について質問をされ「単純な発想で、今2人までおけることになっていて、出納長制が廃止されるからもう一人の枠を認めていただきたい」だけと答えています。そんな程度の3人枠であれば、今のままで十分やれますし、ましてや、管理ポストを一つ増やすだけ、税金の無駄遣いであります。 反対理由の第3は、組織の大括り化のねらいで、「行政担当者の視野の多角化」「縦割りの弊害の是正」「部間調整を部内調整に」を掲げて組織再編をするわけであります。が、幾つかの分野で総合計画に基づくビジョンとか計画をもっており、この大括り化との関係が十分に整理されていないと思われる点であります。概観すると集権的に総務部、企画部を強化し、県民部設置で現場縮小を覆い隠し、環境森林部、農業水産部の解体ということであります。特に農業についていえば、産業と建設に分けられておりますが、食料・農業・農村基本法、農林水産業新世紀ビジョン、議員提案となった「静岡県民の豊かな暮らしを支える食と農の基本条例」「食と農が支える豊かな暮らしづくり審議会」と執行体制が一体的な物として展開されていくのか、甚だ疑問であります。しかし、空港部だけは別格であります。
付け加えておけば、付属機関や審議会委員の重複の資料を請求していますが、まだ届けられておりません。総務部長に強く要請しておきます。この部局再編は付属機関・審議会の再編も余儀なくするわけであります。
「3」 第158号、第162号、第163号、第173号議案 県立大学の地方独立行政政法人化に関わる議案でありますが、3月議会で大学の学長と理事長を分離し、理事長は知事が任命し、学長は学長選考会議が選任する事になっており、従来の学長選挙による大学の自治の保証が明確でないこと、大学の中期目標を知事が定める事になっており政治の介入がありうることなどで反対しておりますので、この議案にも反対であります。 今、法人化をめぐり、大学内で起きている事は、学長や学部長などの位置付けなど大学の自治を巡って大変な混乱がもたらされているようであります。短大の扱いも不鮮明なままに法人化の方向だけが示され、また公務員から非公務員への転換というなかで、労働組合も組織できない状態のようであります。果たして、このような混乱を経て、どのような大学が見えてくるのか、教育基本法の改正がこの大学教育にどのような影響がもたらされるのか、大いに不安があるところであります。
「4」 議員提案第1号議案「靜岡県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例」 この議案は、議員定数削減と選挙区の変更に関するものでありますが、既にこの案を前提に事態は進んでおり、反対の表明がどれほどの現実的意味があるのか、という問題がありますが、3点の理由で反対をしておきたいと考えます。 第1は、知事と議会は一人のリーダーと少数意見を代弁する多数の議員によって成り立つ二元制民主主義であります。この原理を考えれば、議員はただ減らせばいいというも問題ではないという点であります。財政的厳しさをということが問題であるとすれば、報酬の減額も含めて対応する事が可能であります。 第2は、選挙区の変更が、国の財政危機突破策としての「平成の大合併」によりもたららされており、その意味で42の市町と県政がどういう関係になるか、不鮮明なまま行われている点であります。 第3に、1票の格差是正が十分でない点であります。この問題は都市と農村の関係をどう調整するかという難問であります。また、大都市制度である政令市における県議会議員定数問題も新たに提起されております。一言述べるとすれば、県民税が政令市に還元される税制改革が行われるならば定数削減は容認するものであります。現実的には、政令市枠の県民税が4500億円の県民税に占める割合が極めて高いという現状を鑑みれば、税金の使いみちをチェックする納税者の立場から、安易な政令市県議会議員不要論は慎むべきであることを述べておきたいと思います。 「5」 請願第1号1,2,3「憲法・教育基本法を生かしすべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願」 この請願は、教育の充実を求めるものであり、その趣旨に賛同できますので、不採択に反対であります。
以上で反対討論を終わります。
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