まつや清の日記

2006年12月19日(火) 土地「明け渡し日」

 12月19日は、静岡空港本体工事の畑部分の「明け渡し日」、どう対応するか、本来地権者含め様々な議論が行なわれてきました。最終的に代執行のない「明け渡し」ということで本来地権者の判断に委ねることになりました。

 本来地権者が行なった選択は、先祖代々からの土地への感謝と別れの儀式でした。私も、長い間、本来地権者と共に苦楽を共にさせてていただいたこともあり、どうしてもその場に立ち会いたいと現地に赴きました。

 資料が残っているだけで13代目という桧林耕作さんは、県に明日から強制的に取り上げられる茶畑の前に神式の拝殿をつくり、御米と御神酒を捧げ、最後の言葉を畑に向かって語りかけ、感謝と別れの言葉を告げました。

 私自身も農家の長男ゆえに、土を耕すものにとって土地はかけがえのない心の支えであることは、痛いほどわかります。桧林さんが語った言葉は、悲しい、だけれども空港反対の意思を貫き通す、というとつとつとした言葉。

 この土地はとりあげられるけれども、これからは大地の精霊が桧林さんら本来地権者を取り囲み、闘いの支えとなる、そんなことが伝わってくる厳かな儀式でした。この「特別な日」に新たな決意を固めました。

 村田利広さんは、今日は姿を見せず、昨日の夕方、自分の畑に看板をたてていました。そこには、こんな言葉がかかれていました。「私たちを育ててくれた先祖伝来の偉大なる土地よ この土地を守ることができなくてすみませんでした 安らかにお眠りください 村田家」。涙が出ました。

 


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K.matsuya

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